ウィルス感染した野良猫、病気にも負けず新しい家族と出会う
茶と白の愛らしい猫との出会い
道端をさまよっていたその野良猫は、去勢後に元いた場所に戻す活動をしている団体によって発見されました。そして人懐っこく愛らしいこの猫は、テディと名付けられました。
団体の関係者は、野良猫とは思えないほどフレンドリーなテディを道端に返したくありませんでした。
新しい家族を見つけるために
そこで、団体関係者はKitten Rescue Lifeを運営しているアマンダさんへ相談しました。アマンダさんは、これまで数多くの猫に新しい家族を見つけてきた人です。
もちろん、テディが一生幸せに暮らせるよう協力することを快諾したそうです。
「テディのことが大好きです。この子を助けてあげたい。」とアマンダさん。
テディに立ちはだかる壁
アマンダさんは、早くテディに新しい家族を見つけてあげたいと思っていました。しかし、それには少し時間がかかりそうでした。
テディの健康状態を調べた結果、いくつかの病気が発覚したため、獣医師のもとで治療を受けることになったのです。
その期間は約2ヵ月。アマンダさんやテディにとって少し長く感じるかもしれませんが、これも新しい家族と出会うための必要なステップでした。
野良猫だった彼の健康状態
テディはひどい耳ダニ感染症にかかっていました。黒い耳垢が出て強いかゆみを引き起こすものです。
これまで誰にも助けてもらえなかったテディは、ずっとこのかゆみに耐えていたのでしょう。
さらに彼は、猫エイズとも呼ばれる猫免疫不全ウィルス感染症にかかっていました。ステージによってさまざまな症状が現れ、完治することは難しい病気です。
テディがどうやってこの病気に感染したのか経路は定かではありませんが、道端で多くの猫と接触していたのが関係しているとみられています。
そして、歯の欠如や口内炎、虐待の形跡も見られました。
健康を取り戻したテディ
獣医師のもとで治療を受けた甲斐もあり、2ヵ月後、テディは無事に健康を取り戻すことができました。
猫免疫不全ウィルス感染症の完治は望めませんが、それ以外は問題なさそうです。退院した後は、アマンダさんのもとで数週間を過ごすことになりました。
「テディは、人間のベッドの上が好きなんです。特に人が寝てるとすり寄ってきます。昼寝が好きで、人の上に乗って寝るのも好きなんですよ。」とアマンダさんはテディの様子を語ります。
こんなにも人懐っこいテディはなぜ野良猫だったのか
彼のしぐさや人に対する慣れからすると、おそらく過去に人間に飼われていたのでしょう。しかし完治できない病気にかかり、元の飼い主は彼の治療を諦めてしまったのかもしれません。
アマンダさんは、こう話します。
「猫エイズやウィルスと聞くと、たいていの人は人間や他のペットにうつってしまうのではないかと怖がり、また治療に多額の費用が掛かるのではと不安になります。残念なことに、死に至る病気だと勘違いしてしまっているのです。猫免疫不全ウィルス感染症は完治できない病気ではありますが、適切な医療ケアと栄養豊富な食事で、長く生きることも可能です。この事実を多くの人に知ってほしい。」
幸せになる権利
アマンダさんは、テディが病気を患っているため、新しい家族を見つけるのは時間がかかるかもしれないと思っていました。しかし幸運なことに、テディは一生を共に暮らせる大切な家族を見つけることができたのです。
「動物の保護活動をしていると、精神的、肉体的に辛くなる時もあります。そんな時、テディは私に喜びと愛を与えてくれました。彼と離れるのは寂しいです。でも、テディは持ち前の愛らしい性格で、新しい飼い主の毎日に輝きを与えてくれるでしょう。」とアマンダさんは語りました。
たとえ完治できない病気になったとしても、猫にだって幸せになる権利があります。テディは運よく家族を見つけることができましたが、中には病気や人間の都合で捨てられ、絶望の淵をさまよい続ける猫たちもいるのです。少しでも多くの猫たちが幸せに暮らせるよう、アマンダさんはこれからも活動を続けます。
※こちらの記事は情報掲載元の団体より許可を得て掲載しております。
団体名:KITTEN RESCUE LIFE