オスの茶トラ2匹とメスのキジトラ1匹を保護
譲渡会まで友人宅で保護
知人の家にごはんをもらいに通っていた母猫と子猫3匹。
警戒心が強い猫たちに根気強くごはんを与え続けた知人が保護すべきかと悩み、相談したのが私の古くからの友人(2人は以前から友だち)でした。
その後2人が捕獲作戦を実施し、子猫3匹の保護に成功。
私の古くからの友人が予防接種や避妊・去勢手術などを受けさせたり、遊び相手をして人に慣れさせたりと、愛情を注ぎながらお世話をしてくれました。
恐怖心からの威嚇と攻撃
保護直後は人への警戒心やケージに閉じ込められているという不安・不満・恐怖心から、ハンガーストライキに始まり、毛を逆立てて威嚇したり、ケージに手を入れようものなら爪を立てて引っ掻いたりと、大変な抵抗ぶりでした。
特に“次男”(愛称)と呼ばれていた子(後にウチの子になりました)は、お世話をする友人へも容赦なく攻撃をし続けました。
結果、友人の手や腕には無数の引っ掻き傷が絶えず、“凶暴次男”と呼ばれるほどでした。
後にそれぞれの性格がわかってくると、彼が威嚇・攻撃をしてしまうのは、大きな恐怖を抱いていたからだと気付きました。
凶暴などとはほど遠く、怖くて、あまりに怖過ぎて、パニックに近い状態に陥っていたようです。
毎週お決まりの楽しみに
私は友人が営むカフェを手伝っていた縁から、週に1度くらいのペースで猫たちにも会うことに。
ただし、保護直後は複数の人間が出入りすると不安を煽ることになるだろうからと、遠巻きに様子を覗かせてもらう程度でした。
猫たちが慣れてまともに会えるようになったのは、数ヵ月が経ってからのことだったように思います。
慣れたとはいえ、猫たちにとって私は知らない人。
最初は家具の後ろに隠れてしまったり、押入の中に入ってしまったりで、同じ部屋のすぐ側にいるのに遠い存在に感じました。
それでも彼らに会えることが楽しみでしたし、後におもちゃで遊べるようになると一緒に過ごす時間が私にとっての癒しになりました。
譲渡会に参加するも…
1匹は友人が引き取り、他の二匹は譲渡会へ
3匹がかなり人に慣れてきた頃、友人の2匹の愛猫のうちの1匹が亡くなり、寂しく思った友人は“長男”を引き取ることを決意。
他の2匹は受け入れてくれる家族を探すため譲渡会に参加させることに。
しかし、知らない場所に連れ出されたうえ、多くの人が行き交う会場の雰囲気は2匹にとっては恐怖でしかなかったようです。
“次男”は覗き込む人を威嚇し、“末っ子”は誰が来ようと知らんふり。
末っ子は次男よりも落ち着いてはいたものの、2匹の中で最も人間に対しての警戒心が強く、一定の距離を保ち、触られることを極端に嫌っており、会場ではさぞかし愛想のない子だと思われたことでしょう。
そんなこともあり、残念ながら新しい家族は見つかりませんでした。
地域猫として元のエリアに戻す?
譲渡会に参加しても気に入ってくださる方が見つからなかった2匹。
友人が引き続き愛情をたっぷりに育てても、次男の神経質な性格にも末っ子の人間嫌いにもほとんど変化が見られませんでした。
もし再度譲渡会に参加しても、猫たちにストレスを与えるだけ。
それなら保護当時に暮らしていたエリアで地域猫としてかわいがってもらうべきか?と、友人は考え始めていました。
特に次男は、恐怖心からとは言え威嚇や攻撃をしてしまうため、引き取り手を探すのは非常に困難に思われました。彼の耳にサクラカットがあるのはそのためです。
猫との出会いも一期一会
そんな中、偶然にも転居先を探していた私。
いつの間にか、友人が「猫と暮らしてみない? 」「ペット可の物件あるんじゃない? 」「楽しいよ〜 」と、会う度に囁くようになりました。
実は友人に言われるまでもなく、猫たちの無邪気な姿を目にするうちに愛情が日に日に大きくなっていたのです。
気ままな1人暮らしで海外旅行が趣味の私。
猫たちを幸せにしてあげられるのかと不安を感じましたが、若い頃よりも仕事とプライベートのバランスがとれるようになったこと、そして経済的にも昔に比べれば多少余裕があったため、引き取ることを決断しました。
おそらく、今後も自分さえ積極的になれば『猫』との出会いには恵まれるだろうと思います。でも『この2匹』と出会える機会は二度とありません。
ですから、決断後は「このチャンスを逃してはなるまい! 」という気持ちでした。
まとめ
2匹と一緒に暮らし始めてすでに4年超となりました。
“次男”は相変わらず気が弱く、神経質で甘えん坊です。
“末っ子”も変わらずで、超マイペースで甘え下手、今でもなかなか触れさせてはくれません。
それでも、ちょっとずつ距離が縮まっていることを感じますし、猫たちにたくさんの癒しや幸せを与えてもらっています。
やはりあの時にチャンスを逃さなくて良かったなぁ、と毎日心から思っています。