保護猫の施設で一目惚れしたボタン
15年ほど一緒に暮らしてきた猫が突然他界していまい、半年ほど猫なしの暮らしを送りました。
確かに別れは辛く悲しいけど、やっぱり猫と一緒に暮らしたい!その想いが日に日に強まって、娘と一緒に保護猫を自由に見られる施設を訪れることにしました。
そこで出会った少し人見知りの「ボタンさん」。おばあちゃんに餌をもらって生活していた元野良の成猫です。
その姿を見て「この子わかいい!!」と娘が一目惚れ。その日のうちに譲渡の依頼をしました。
人間嫌いなの?
1ヵ月のトレーニング期間を経て、OKなら正式譲渡ということに。ケージもお借りして、いよいよボタンさんとの生活がスタートしました。
ケージの入り口は常に開けてあるのですが、なかなか外に出てきません。トイレもケージ内にあるので、ケージの中だけでも生活できる環境です。施設の方からも無理なことはしないようにと言われているので、声掛けも時々にして、なるべくかまわないように過ごしました。
声掛けの時に顔も見ますが、とにかく怯えた表情。野良ネコの時に何か人間にされた嫌な思い出があるのかもしれません。
それでもトレーニング期間の1ヵ月の間にケージから出られるようになり、晴れて正式譲渡の運びとなりました。
徐々に徐々に人間にも慣れていきました
正式に譲渡はされましたが、すぐに懐くというわけにはいきません。
ケージはお返ししても、ボタンさんなりの隠れ場所を見つけて、そこにこもっていることがほとんどです。
それでも、見つけた時にそうっと近づいたら触らせてくれるようになってきました。
雌猫のためでしょうか、主人にだけ懐くようになり、主人の横で寝たり、気持ちよくナデナデされたりもして、飼っている私たちも少しずつ安心できるようになってきました。
譲渡1年後の大事件
譲渡から1年くらいたったある日。夜のコンビニで働いて深夜に帰宅、ボタンさんの定位置2階の窓に見に行くとボタンさんがいません。
起きていた主人に聞くと夜玄関が開きっぱなしになっていたから、出て行ったかもとのこと。
「えええええ!!」と叫んでしまった私。
少しは慣れてきたとはいえ、撫でさせてくれるだけで、まだ抱っこも許してくれないボタンさん。呼んでも寄ってこないし、こちらから近づいたらまだ逃げてしまう状況です。どうやって探しだせばいいのでしょう?!
気づいたら自然に涙が溢れていました。まだ少ししか懐いていないけど、私にとってすごくすごくかけがえのない存在だった、そう初めて気づいた瞬間でした。
このままボタンさんに会えないなんて嫌だ!!
どうしたらと途方に暮れていましたが、次の日の夕方家の側に来ているのがわかり、近づいたら逃げちゃうので、玄関を開けたままの持久戦へ。何時間かたった夜にようやく家に入ってくれました。
ボタンさんも寂しかったのか、撫でると我が家に来て初めてゴロゴロ言って甘えてきました。
まとめ
保護猫を譲渡いただくのは無料ではありませんし、いろいろ条件もあります。簡単に譲渡いただけるわけでもなく、譲渡後もなかなか懐かないことも多いと思いますが、その分喜びも多くあります。
声も出さなかった子が初めて鳴いた、ナデナデさせてくれた、我が家はまだですが抱っこさせてくれたなどなど、子育てをしているような嬉しい瞬間をたくさん味わえます。
もちろん、きちんと飼える自信のない方にはお勧めしませんが、猫を新しく飼う時の一つの選択肢にはなると思いますよ。