殺処分寸前の救出劇
保健所に持ち込まれた猫
「玉ちゃん」は9kg超の俵猫!熱海市の団地で71歳の女性と暮らしていました。
子猫の時に知り合いから貰われて、8年後の2017年7月に保健所に持ち込まれた「玉ちゃん」。持ち込んだのは飼い主の女性です。その理由は「最近、夜になると凶暴になり、私に噛みついて怪我を負わされるから」
玉ちゃんは即日浜松のセンターへ、殺処分のため移送されました。
届いたSOS
画像はイメージです
NPOくすのきに玉ちゃん救出のSOSがあったのは、センターに送られて3日も経った後でした。玉ちゃんが暮らしていた団地に住む方が、飼い主の女性から事情を聞いたらしく、通報してくれたのです。
「なんとか玉ちゃんを助けて貰えませんか?」という依頼を受け、くすのきはすぐに動きました。
まず保健所に連絡して既に移送されたと知ると即刻、担当者からセンターに問い合わせてもらいました。
その結果…生きていました!玉ちゃんは、キャリーケースに入れられたまま、3日間も、殺処分を待っていたのです。
何故センター移送?
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玉ちゃんをセンターに送った保健所では、「通常であれば、くすのきさんに相談するところ」を飼い主さんから狂暴だと聞き「里親を探すのは無理だろうと判断」されたそうです。
これにくすのき代表は「里親探しが出来るか出来ないかは此方が判断する」「保健所が判断することではない」とピシリ。保健所の担当者さんは平謝りだったそうです。できれば玉ちゃんに謝ってもらいたいですね。彼の生死を分ける重い選択、お仕事と割り切るならばお一人の胸の内で片付けず、専門家に相談してよかったのでは?
手続きを経て、浜松のセンターから玉ちゃんを引き出せたのは、センターに移送されて4日後のことでした。
猫の信頼、人の裏切り
画像の玉ちゃん、怒ってますねえー。たった一人の家族の飼い主さんに捨てられるなんて、思ってもみなかったことでしょう。玉ちゃんの怒り、悲しみは計り知れません。
「最近、夜になると凶暴」だったという玉ちゃん。
最近て、どれくらい?キッカケは?日中は穏やかに、甘えていたの?獣医さんに相談は?すべて、飼い主さんだけが知るご事情です。
何があったにしても家族である玉ちゃんを、彼の無償の信頼を裏切って、殺処分に出す行為は肯定できません。
今の時代インターネットを使えば、ペットに関するサイトは多彩です。飼育の相談から、本当に飼えなくなれば、里親探しサイトも。年齢を言い訳にできる範囲は限られます。
悲しい決断をする前に、一人では解決できないことも、相談する場所があると、視野を広げて欲しい。そして、万一飼い主さんが間違った時は、地域の方、公的機関、くすのきのような団体がカバーして、罪のない命を守っていけたらいいですね。
まとめ
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飼い主さんの8年間の玉ちゃんへの思いは、この先ずっと残るでしょう。思い出すたび、きっと後ろ暗く、傷ついてしまう…。同じ団地の方に玉ちゃんのことを話したのは、本当は助けて欲しかったのではないでしょうか?
最悪の事態の一歩手前で救出された玉ちゃん。いっぱい辛い思いをしたけれど、もう一度だけ、人間を信じてくれたでしょうか?
このレスキューから数ヵ月後、玉ちゃんは虹の橋へと旅立っていきました。肝臓が悪く、すでに手遅れだったそうです。もしかしたら体調の悪さ、体の痛さから飼い主さんに噛みついていたのかも知れないですね。飼い主さんが病院に連れて行ってくれていれば、もしかしたら…。
それでも玉ちゃんは最期のときを孤独にセンターで迎えることなく、くすのきのシェルターで温かく見守られながら過ごすことができました。くすのきは間違いなく、玉ちゃんの魂の尊厳を守ったのだと思います。
願わくは第二の玉ちゃんが生まれることなく、すべての猫が飼い主さんのもとで一生を終えられる世界が来くることを。
※こちらの記事は情報掲載元の団体より許可を得て掲載しております。
団体名:NPOくすのき
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