生後2ヵ月の子猫は片目が壊死していた
保護センターに収容された風邪をひいた子猫
時々ボランティアで保護センターへ行っているのですが、春先に暖かくなってくると子猫の収容が増えてきます。
そんな中、まだ寒い季節だったのですが1匹の子猫が収容されてきました。
見たところまだ生後2ヵ月には満たないくらいで、母猫は一緒ではありませんでした。このくらいの月齢なら、まだ母猫が必要なのですが、はぐれてしまったのでしょうか。
子猫は風邪を引いているようで、鼻水とくしゃみを頻繁にしていました。また、その影響で片方の目が治療ができないほどに壊死していたのです。もう片方の目はまだ大丈夫のようだったので、すぐに治療を施されました。
ただ保護センターには多くの犬猫が収容されています。その中で1匹の猫だけに時間を割くことはなかなか難しいので、ボランティア団体へ引き取られました。そこでわが家で一時預かりをすることになったのですが、ちょうど猫を飼っていない時期だったので「どうせなら」ということで引き取ることにしました。
子猫をお迎えするも不安定な1ヵ月
子猫を家に連れ帰り「きいちゃん」と名付けました。
いきなり知らない所に連れて来られたから最初は怖がるかな?と思っていましたが、すぐに部屋の中の探検をし出し、「きいちゃん」と呼ぶと、すぐに反応して傍に寄って来ました。
まだ風邪の症状が残っていたので、毎日の点眼と飲み薬が必要でした。点眼は簡単にできるのですが、薬は中途半端に残ると効果がでないので、少しのレトルトに混ぜて、指で舌の内側に塗るようにして飲ませました。
食欲は少しずつ増えてきたのですが、なかなか鼻水とくしゃみが収まりませんでした。わが家へやってきて1週間経った頃、少し元気がないようだったので急いで動物病院へ診察に行きました。
やはり熱が少し高く、まだまだ風邪の症状は治まっていなかったのです。少し良くなってきたかな?と思ったとたん、また発熱したので、かなり不安になりました。それから5日間別の薬を飲ませて、再受診したのですが、6日目には熱は治まって、くしゃみの頻度も少なくなっていきました。
こんな繰り返しが1ヵ月くらい続いたので、本当に治るのだろうかと心配していたものです。
片目でも元気!
わが家へやって来て1年経ちました。誕生日が分からないので、推定年齢は1歳3ヵ月。
風邪の治療は初めての事で大変だったのですが、治るにつれ体重も少しずつ増えていき、部屋の中でも活発に動くようになっていきました。
壊死した目は元には戻りませんが残っている片方の目は問題ないので日々の生活に支障はありません。ご飯を食べたり、排泄したり、遊んだりと普通の猫と同様に過ごすことができています。
昨年避妊手術も無事に終えて、今ではその後迎えた保護猫と一緒にまるで姉妹のように毎日を過ごしています。同じキジ猫でそっくりなので、本当に姉妹のようです。
実は壊死していた目の状態がその後悪くなったので、残っていた眼球を全て摘出して、瞼を閉じる手術を受けました。1~2週間もすると瞼の手術跡もきれいになって、ウィンクしているような顔になっています。
まとめ
保護猫や保護犬を自宅に迎えるのは、簡単ではないと思う方もいらっしゃると思います。収容された状況や保護されるまでの生活状況が詳しく分からないのもその一つです。
でも保護されたときに、まずは健康診断をしたり、怪我や病気だったら治療をします。今では、何もせずにすぐに譲渡対象とはされていないのです。
一家庭で救える頭数は限られると思いますが、少しでも保護センターやいろいろなボランティア団体が行っている譲渡会などに見学がてら行ってみてはどうでしょうか?すぐに譲渡とまでは行かなくても、数回足を運んでいるうちに、その家庭に合った猫と出会えるかもしれません。