ただ子犬に寄りそう猫
遊び疲れた1日の終わりに
ギリシャ・クレタ島の保護団体タキス・シェルターでは、400頭を超える犬や猫をできる限り自由な環境で養い、里親さんへつなぐ努力をしています。
そんな施設で今日もてんやわんやな1日が終わり、おなかは一杯、遊び疲れた子犬たちや小型犬たちがおネムの時間を迎えています。
昼間の喧騒が静まった、ゆったりした時間が流れていますが、子犬たちはまだお互いになめて合ったり、ちょっかいを出し合ったりして、保育園の昼寝時間になかなか寝ない子供のよう。
…えぇと、ねこちゃんホンポ、ですが…?
はい、はい、わかっていますよ。画像の下側の白いまるーいの、これが施設猫「ティッリ」。
真ん中の2匹の子犬、静かなじゃれ合いがだんだん激しくなってきて、ティッリのまあるいお尻にドテッと倒れ込みました。
左上の子のあきれたような表情がミソ。
「ほらね?寝る前、いつもこうなんだから。叱られても知らないよ。」
ほら、ティッリが見えました。
チャンネル登録ボタンが邪魔ですが、ひとかたまりになっている犬たちにお尻をくっつけて、完全にここの一員です。
子犬たち、「アウウ、アウウ」言いながら、ティッリをクッションにして、もうやりたい放題モードに突入していますよ。
すると…
「ニャニャニャウ!」
ティッリの教育的指導、入りました!
黒子犬「キャン!」
左上の子:「だから言わんこっちゃない…。」
どちらかと言うと、ベージュの子がちょっかい出してたんだけどネ。
天の声:「フッフッフッ。こうなると思ったよ。」
それでもまだ、ベージュの子はちょっかいを出し、黒の子はもぞもぞ。
ティッリは黒ちゃんの顔を、前足でグーンと押さえつけると、子犬は2度目のキャンッ。
「ティッリの邪魔しちゃだめだよ~」と、天の声。
これね、この黒ちゃん、動けないの、たぶん。
ティッリと、横で丸まってる子のお尻にはさまれて、自分のお尻の方はベージュちゃんがまだもぞもぞちょっかい出してて。
「ヒーン、ヒィーン」て、降参の悲し気な鼻声を上げてます。
ティッリ、もしやケリケリを繰り出すつもり?
と、思ったら、右から犬仲間の仲裁が入って、ティッリ、起き上がりました。
「ねえ、ただ見てないで、なんとかしてよ。」と言いたげです。子犬はそそくさと元の位置へ。
天の声:「ティッリは、やさしぃく指導したんだよねえ。」
そんな声をよそに、子犬たちはまだ、後ろでアウアウ、アウアウ、からみあってます。
ティッリは立ち上がって、「もう、知らない。あっちで寝よ」と言うのかな?
そうじゃないんですねえ。
ティッリ、またその場に、座りました。
なんて辛抱強い子!
ティッリは、保護された犬や猫が施設にやってくるたびに顔を出す、律儀な子です。
そして天の声:「フアァ~、みなさん、おやすみなさい…。」
こうして、いつもと変わらない夜がふけてゆくのでした。
おやすみ…
新型コロナの影響がまだどれだけ広がるか、いつ収束するのか、いつまで自粛なのか、いつ日常を取り戻せるのか…。
不安にかられる毎日ですが、そんな中でも変わらない、心安らぐ日々の小さなひとコマは、保護施設にも、私たちの暮らしの中にも、きっと見つかるはず。
フアアァ~。
ティッリ、子犬たち、みなさん、おやすみなさい…。
(1日の始まりに読んでくださったみなさんごめんなさい、夜、寝る前にもう一度見に来てください!)
動画を見ることは保護支援にもつながります。
※こちらの記事は動画配信をしているYouTubeチャンネルより許可を得て掲載しております。
掲載YouTubeチャンネル:Takis Shelter
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