臆病な子猫
“私を助けて”
Kitten Rescue Lifeの創設者であるアマンダさんに1枚の写真が送られてきました。評判がよく信頼のおけるシェルターからでした。
その写真に写っていたのは何かに怯えて身を潜めている黒白の子猫。
まるで「私を助けて」と訴えかけているようでした。
そしてアマンダさんは、この美しい子猫に安心して暮らせる家と、愛してくれる家族を見つけてあげようと引き取りを決意したのです。
誰も知らない過去
生後4週間の雌猫は、「ビーンズ」と名付けられました。
ビーンズは他の保護猫たちとはうまくやっている様子でした。しかし、人間が近づくととても怖がるのです。その反応はとても極端なものでした。
ビーンズは一体、過去にどんな体験をしたのでしょうか。産まれてから4週間の間、どう過ごしていたのかは不明です。ただ単に人間に慣れていないだけであってほしいと、アマンダさんは願っていました。
ビーンズの癖
他の保護猫たちとは仲良く遊ぶビーンズ。アマンダさんは、ビーンズとの信頼関係をどうやって築いていけばいいのか考えていました。
そしてあることに気づきました。ビーンズはどうやら自分の尻尾をしゃぶるという癖があるようです。これも人間が怖いということに関係しているのでしょうか。
信頼関係の構築
アマンダさんの心配をよそに、ビーンズはだんだん人に慣れていきました。
そして、人間が信頼できると感じたビーンズ。それからはもう怖がることはなく、人に甘えるしぐさを見せ始めたのです。隠れたり、走って逃げたりすることもなくなりました。
こうなれば、すぐにでも新しい家族が見つかるかもしれません。
譲渡会でのビーンズ
アマンダさんや他のスタッフとの信頼関係を築いたビーンズでしたが、譲渡会では知らない人に触られることを嫌いました。やはり、ビーンズに心を開いてもらうには少し時間がかかるようです。
口元から眉間に向かってスッと伸びる白毛が美しいビーンズでしたが、なかなか打ち解けてくれない猫を引き取りたいと申し出る人はいませんでした。その時点でビーンズは、アマンダさんに引き取られてから、すでに半年が過ぎようとしていました。
譲渡会に来た多くの人は、生後約7ヵ月の内気な猫よりも、もっと若いフレンドリーな猫を選びます。
内気な猫にもチャンスはある!
アマンダさんは、もし家のスペースに余裕があるなら、このままビーンズを引き取りたいと考えていました。そう思っていた矢先、ついにビーンズの新しい家族が見つかりました。
その家にはすでに猫が2匹いて、新しい飼い主は猫の扱いに関してはベテランとも言えるほどでした。これで一安心です。しかし、ビーンズはアマンダさんが一番長く一緒に過ごした保護猫。彼女はビーンズに相当の愛着があったようです。
「ビーンズを手放すのは辛かった。新しい飼い主に引き渡したあとの帰り道は、寂しくて泣いてしまいました。でも、保護活動では手放すことが大事なのです。そうすれば、より多くの猫を保護することができます。」とアマンダさんは語りました。
アマンダさんのもとで人のぬくもりに触れたビーンズ。2匹の兄妹猫と共に新しい家で幸せに暮らしているそうです。
※こちらの記事は情報掲載元の団体より許可を得て掲載しております。
団体名:KITTEN RESCUE LIFE