野生動物には大迷惑な猫たち。でも猫に罪はない。
救出
ロスアンジェルス沖のサン・ニコラス島から、小型プロペラ機で多くの猫たちが米国本土に運ばれました。
1950年代に島に駐屯した米軍兵士とその家族が連れ込んだ飼い猫たちの子孫が野生化して繁殖し、島の野生動物の生存をおびやかすようになりました。政府は対策として、この猫たちを島から根絶することにしたのです。
猫に罪はない。保護団体Humane Society of the United States と、その他の非営利団体が協力して手を差し伸べました。猫たちは、島を生きて脱出することができたのです。
猫たちが生存をおびやかす野生動物の中には、キツネや鳥類が含まれます。猫は鳥やそのヒナを食べ、キツネなどの食料をうばってしまうことにより、島の食物連鎖のバランスが壊れてしまうでしょう。
これも猫を島に入れた、人が引き起こした事態です。
猫たちの今後
子猫たちは人に慣れ、一緒に暮らせるようになるので、里親探しが始まります。では、完全に野生化した大人の猫はどうなるのかと言うと…
彼らには、フェンスで囲んだある程度の広さがある屋外の空間が与えられました。
そこには隠れ家になる穴や植物のやぶ、枝がはりだした木などが配置されて、猫たちがストレス少なく過ごせるように配慮されています。
大人猫の中で、「パーカー」と「デライラ」の2匹は異色でした。
初めてここに来た時は怯えていたのですが、しばらくすると2匹は家庭の猫のように、世話する人になついたのです。性格や環境への適応力は、猫それぞれですね。
この子たちには、素敵な里親さんが見つかりますように。
最後に
日本にも、同じように猫の問題を抱える島がいくつもあります。人間の行いが猫たちや野生の動植物に多大な影響を与えるということを、よく考えて行動することが大切ですね。
島の食物連鎖が本来のバランスを回復し、そして猫たちがそれぞれ幸せになりますように。動画で実際の様子をご覧ください。
※こちらの記事は動画の制作・配信をしている団体より許可を得て掲載しております。
動画制作者:Humane Society of the United States
掲載YouTubeチャンネル:The Humane Society of the United States