盲目の子猫の一時預かり
ボランティア団体を通じて、犬や猫たちの預かりをしています。
大体は、譲渡会で新しい飼い主の方を探したりするのですが、ある時我が家で盲目で身体がとても小さい子猫を預かりました。
兄弟で保護されたのですが、この子だけとても身体が小さく、しかも小眼球症で目の奥に小さな眼球はあるのですが、殆ど見えていないような子猫でした。
通常なら適性の体重になるまで預かりながら、新しい飼い主を探したりするのですが、目が見えないながらも部屋の中を上手に歩こうとしたり、先住猫と楽しそうにじゃれ合ったりしている姿を見ているうちに、我が家の猫として終生過ごさせたいと思い、引き取りを決意しました。
名前は「ココ」です。
室内をココ仕様に
ココは明るさは少し分かるようでしたが、物は殆ど見えていない状態でした。
わが家に来てすぐ、初めてとは思えないほど上手にすり足で部屋の中を歩き回っていて驚きましたが、日常の生活ができるのかどうかが最も心配でした。排泄や食事、部屋の中にある家具にぶつかったりとか、危険なことがないかに気を使いました。
トイレは部屋の隅に置きましたが、最初の一回だけシートの上で排泄をさせました。そのシートをトイレの猫砂の上にしばらく置いて、匂いが付くようにしたのです。
部屋の中の家具や物になるべくぶつからないように、余計な物は片付けて部屋の中を広くしました。
我が家では猫たちはフリーにしているので、怪我などしないように気を付けていたのです。
先住猫とは姉妹のように
先住猫と対面して最初の数時間は怖かったようで、近付くと「シャーッ」と威嚇しながら私の膝の上に乗って来ました。
時間が経つと、少しずつ玩具のボールや猫じゃらしで一緒に遊びだしましたが、先住猫が頭をポンと叩くと訳が分からずに威嚇したりもしていました。
それでも翌日には一緒の猫ベッドで寝たり、玩具を取り合ったり、自分から遊びを仕掛けたりと、姉妹のように過ごすようになっていったのです。ココを迎えて1年が経った今では、生まれた時からずっと一緒にいたかのように先住猫と過ごしています。
別の問題の発覚
ココは目が見えていないとは思えないほど、何の問題もなく過ごしていました。
でもあるとき避妊手術を受けるために病院で血液検査や心電図、超音波などの術前検査を受けたところ、心臓に問題があることが発覚したのです。
心臓の弁がうまく閉じないことが時々起こるようで、そうすると血液が逆流するとの事でした。今のところは薬を飲むほどではなく、経過観察で半年ごとに心電図や超音波の検査をしています。
心臓なのでとても心配だったのですが、避妊手術後にも特に変化はなく、普通に生活しています。それから半年後の再検査では血液の逆流は見当たらなかったので、おそらく身体が成長したので落ち着いてきたのではとのことでした。ひと安心ですがまだ完璧ではないので、半年ごとの検査はこれからも必要です。
まとめ
両目が見えない子猫を引き取るのは初めてだったので色々心配していたのですが、そんな心配は必要ないくらい、日常生活に支障はありませんでした。
最初はトイレをうまく使えるか気になっていましたが、一度も失敗したことはありません。場所も教えていないのに自分で歩いて行って排泄できます。ご飯も上手に食べられますし、先住猫とも楽しく遊べます。
そんな日常ですが、歩いていると時々物にぶつかったりはしています。とはいえ、すり足でそろそろと歩くので、ぶつかった時のダメージは殆どないようです。
今では一番の癒しは、猫ベッドで先住猫と一緒に寝ている姿を見られることです。