先住猫と子猫を仲良くさせるコツ
しつけ
先住猫と新入り猫である子猫が仲良くなるには、遊んだり食事をしたりと、一緒に過ごす時間は楽しいことだと覚えさせることが大切です。仲良くしていたらできる限り褒めてあげましょう。
どちらかが一方的にちょっかいを出したり、追いかけたりといった行動が見られたら、いけないことだときちんと教えてあげてください。
なかなか仲良くならない様子で、どちらかが一方的に攻撃する場合は、大きな音を出したり、霧吹きで水をかけたりして注意を逸らすことも有効です。
音や水に驚いて攻撃が収まりますが、飼い主がやっていることに気づくと猫との信頼関係を損なう恐れがありますので気づかれないように注意しましょう。
飼い主が介入しすぎない
子猫は先住猫とじゃれ合うことで、押したり噛んだりする力加減を覚えることができます。先住猫が子猫を噛むことは、上下関係をはっきりさせるための行動であり、どちらかがお腹を見せてひっくり返ったり、耳を下げて姿勢を低くしたりといった降参のポーズを見せるまでは猫同士に任せましょう。
じゃれ合いとケンカの境目はわかりづらいのですが、どちらかが「シャー」という威嚇の声をあげていたら注意して見守りましょう。
飼い主の過度な介入は、先住猫と子猫が仲良くなるのに時間がかかる要因になり得ます。猫たちが上下関係を認識できれば、徐々にケンカも少なくなるはずです。
段階を踏んで対面させる
先住猫と子猫を対面させる際には、段階を踏んで徐々に近づけるようにすることが大切です。最初の対面の際は、新入り猫をケージやキャリーケースに入れたまま行い、時間も5分程度から始め、徐々に長くしていきます。
お互いに興味を持ち、激しい威嚇が見られなくなったら、時間を決めて子猫をケージから出してみましょう。直接対面させるときにはお互いを無理に近づけず、猫たちの様子を見守るようにしてください。
先住猫と子猫が仲良くなるまでどのくらい?
猫同士の相性によって異なりますが、先住猫と子猫が仲良くなるには、一般的に2週間〜2ヶ月程かかると言われています。新しく猫を迎え入れてから仲良くなるまでの先住猫と子猫の様子についてご紹介します。
子猫の迎え入れ1〜3日目
子猫を迎え入れた初日から3日間は、基本的に先住猫とは別の部屋で過ごすようにします。先住猫は新入り猫の存在をニオイや気配で気づき、そわそわと落ち着かない様子や子猫を探し回る様子が見られるかもしれませんが、すぐに対面はさせず、存在に気づかせるに留まらせましょう。
最初の期間は、特に迎え入れた子猫のケアをしてあげてください。子猫も新しい家にやってきたことで、不安を感じています。環境に慣れさせ、子猫が安心できる場所を提供することが大切です。
子猫の迎え入れ4日〜3週目頃
3日目を過ぎたら、先住猫と子猫のニオイの交換を開始しましょう。猫は仲良くなると体を擦り付け合い、ニオイを交換する習性があります。
最初のうちは、相手のニオイのついたタオルをベッドに入れたり、飼い主が撫でた手でお互いの顔付近を撫でてあげたりして、直接触れ合わなくてもニオイの交換ができるよう手助けしてあげてください。お互いのニオイに良い印象を与えるために、タオルの上に好物や食事をのせて相手に与えることも効果的です。
ニオイの交換を始めて1〜2週間経ったら、ようやくケージ越しに対面させます。子猫をケージやキャリーケースに入れたままにし、先住猫を自由に歩かせましょう。
先住猫が威嚇して子猫が怖がることもあるかもしれないので、対面時間は5分程度を目安にします。対面を終えたら先住猫も子猫もたっぷりと撫でて、安心させてあげることが大切です。
子猫の迎え入れ3週目〜4週目頃
先住猫が子猫のいる環境に慣れ、普段通り生活している様子が見られたら、子猫をケージから出して直接触れ合わせてみましょう。子猫と直接触れ合わせる際は、先住猫がワクチン接種を済ませていることが前提となります。
飼い主がしっかり様子を見守り、先住猫が子猫を嫌がるようであれば、無理をさせずにすぐにケージに戻します。お互いにちょっかいを出したり、体を擦り付け合ったりする様子が見られたら、子猫が先住猫に受け入れられたと思ってよいでしょう。
子猫の迎え入れ4週目以降
飼い主の見守る中での対面の際、先住猫が威嚇せず穏やかに過ごせるようになったら、徐々に先住猫と子猫を自由に過ごす時間を作ります。
最初の1週間は日中のみとして、飼い主の留守中や夜間は別の部屋で過ごさせるようしてください。問題ないようであれば、本格的に合流させてよいでしょう。
先住猫と子猫のどちらかが一方的に飛びかかる、追いかけるなどの様子が見られたら、また離してあげてください。お互いに安心して普段通りに過ごせるようになるまでは、様子に合わせて近づけることと離すことを繰り返します。
猫が多頭飼いでストレスを溜めないためには
先住猫と子猫の組み合わせを考える
子猫を迎えるにあたり、先住猫との組み合わせを考えましょう。新入り猫を受け入れやすい性格としては、活発で遊び好き、友好的で好奇心旺盛などが挙げられます。
また先住猫の年齢が幼いうちの方がまだ縄張り意識も低く、猫同士の遊び方も近いため、新たに迎え入れた子猫と仲良くなりやすいでしょう。
反対に、高齢猫と子猫の組み合わせは注意が必要です。静かに過ごしたい高齢猫にとって、遊びたい盛りの子猫の相手は、ストレスになりかねません。この組み合わせの場合は、飼い主が子猫とたっぷりと遊んで、高齢猫への負担を減らしてあげましょう。
性別については、同性同士と比べてオスとメスの組み合わせの方が相性が良いと言われているようです。オス同士の場合は縄張り争いに発展し、稀に子猫を殺す程の激しいケンカになることもありますので、注意しなければなりません。
それぞれが落ち着ける場所を確保する
猫は自分にとっての居場所を大切にする動物です。そのため他の猫に自分のテリトリーを侵されることにストレスを感じてしまいます。
先住猫と子猫それぞれに、安心して過ごせる場所を用意してあげましょう。部屋が狭い場合には、キャットタワーなどを使い、高低差をつけるなどの工夫も有効です。
トイレの数は頭数プラス1個あることが理想です。猫はきれい好きなので、自分だけのトイレがないとストレスを感じるだけではなく、トイレを我慢して腎臓病や便秘になる恐れもあります。
先住猫を優先する
ご飯をあげる、抱っこするといった行動は、なるべく先住猫を優先してあげます。小さくて手のかかる子猫ばかりに気を取られていると、先住猫がストレスを感じてしまいます。嫉妬心から子猫を攻撃するといった問題行動に繋がる場合もあるでしょう。
猫同士のケンカでは、力の強い先住猫を叱ってしまいがちですが、叱られることでさらにストレスを溜めてしまいます。先住猫が子猫の首を噛むことがありますが、これは先住猫が猫社会のルールを子猫に教えていることなので、きつく叱らなくても大丈夫です。しかし体格差がある場合、怪我に繋がる可能性もあるため注意して見守るようにしてください。
まとめ
猫を飼っていると、遊び相手がいると寂しくないかなと思うこともあるでしょう。また、計画的に新入り猫を迎える場合に限らず、捨て猫を保護するなど突然子猫を迎えることもあるかもしれません。
もし突発的な要因ではなく、猫の多頭飼育を検討しているのであれば、先住猫が子猫を受け入れられるかよく考えてから迎えるようにしましょう。
保護猫を迎える場合でも、対面のさせ方などをよく理解し、順を追って慣れさせてあげることで先住猫とも仲良くなれるでしょう。
先住猫と子猫が寄り添って眠る姿は、飼い主に癒やしを与えてくれるはずです。仲良くさせるコツを実践し、猫に囲まれた充実の日々を過ごせるとよいですね。