猫を多頭飼いする時にストレスを与えないための注意点

猫を多頭飼いする時にストレスを与えないための注意点

猫はストレスにとても弱い動物です。そのため多頭飼いで同居猫との相性が悪く、ストレスをあたえてしまうことが非常に多くみられます。ストレスが原因で調子を崩してしまい病気を発症してしまうことがあります。多頭飼いの際、猫のストレスをあたえないようにどんなことに注意すべきなのか、今回お話ししたいと思います。

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猫を多頭飼いする際のストレス

多頭飼いでストレスのある猫

縄張り争いによるストレス

猫は元々単独で生活していたため縄張り意識があります。猫にとっての縄張りは安心して食事にありつけたり、体を休むことができるスペースのことを指します。そのため多頭飼いの猫の場合、自分の縄張りであるスペースに他の猫が侵入されることに対してとても嫌がりストレスを感じ、攻撃して追い出そうとします。

一般的に野良猫での縄張り範囲は直径約150mほどといわれているため、家の中では自分のスペースの確保がうまくできないことが多いようです。そのため猫の多頭飼いが原因でストレスをあたえてしまうケースが多いです。また縄張り意識が強いのはメス猫よりも去勢していないオス猫に多くみられ、発情期になると縄張り範囲が3倍ほど広くなるといわれています。

先住猫からの攻撃やいじめ

  • 必要以上追いかけ回す
  • 先にご飯を食べる
  • いつも高所を陣取る

犬はグループ内にリーダーがいて服従しなければいけない関係を持ちますが、猫は犬ほどではありませんが自分と相手との上下関係を気にします。多頭飼いで先に住んでいた先住猫は自分の方が立場が上であるという認識が非常に強いです。そのため猫の多頭飼いでよく起こるのが新しくきた猫に対して必要以上追いかけ回したり、先にご飯を食べたり、いつもキャットタワーの1番上など優位的な行動やいじめをすることです。

新しくきた猫は先住猫に対し食事やスペースを譲ったりする行動をとることが多いことから過度なストレスをあたえます。中には多頭飼いの先住猫に向かって攻撃してくる猫もおり、近くにいるだけでも喧嘩してしまうケースがあります。仲が良くなるどころかえって相性が悪くし、お互いがストレスをあたえてしまう悪循環になってしまいます。一度でも関係が悪くしてしまうと良くなるまで時間がかかってしまいます。

物やスペースの取り合いによる衝突

  • トイレの取り合い
  • 寝床の取り合い
  • 水飲み場の取り合い

猫は自ら頻繁に毛づくろいするほど綺麗好きな動物なため、多頭飼いの場合自分がよく使っているトイレやお気に入りの寝る場所などに対して他の猫が使ったりすると嫌がり、攻撃的になり追い出そうと行動をとります。

そのため多頭飼いなのに猫の頭数よりトイレや寝床、水飲み場など共通に使用できる物の数が少ない環境下でよく取り合いによる喧嘩がおきやすく、安心して使うことができないので常にストレスをあたえてしまいます。ストレスが引き金でトイレを我慢してしまい泌尿器系の病気にかかってしまったり調子を崩すようになります。

猫の多頭飼いでストレスを与えないための注意点

多頭飼いの子猫

トイレや寝床の数を増やす

猫の尿はマーキングとして使うこともあるぐらいとても臭いが強いです。縄張り意識がある猫にとっては他の猫が使ったトイレに対して拒絶するほど嫌がり、ストレスとなります。そのため猫は自分の匂いだけがするトイレがあると安心感をえられ我慢することなく排泄することができますし、トイレを巡っての争いによる喧嘩がなくなります。

猫の理想のトイレの数は「猫の頭数+1個」といわれており特に多頭飼いの場合は必ず多めに用意することが必要です。また猫によっては好みのトイレの砂があったり、1個のトイレに対して数頭使用することもあるのでこまめに排泄物を処理や砂の補充、好みに応じて砂の種類を変えるなどの工夫が必要です。また臭いに敏感な猫の場合は定期的にトイレを洗浄して臭いや汚れを落としてあげることも大事です。

多頭飼いの際はトイレだけではなく1日の大半は寝て過ごす動物なため、寝床も非常に重要になりますので安心して眠れるように頭数分かそれよりも多い数を用意してあげることも必要です。

他にも爪とぎや水飲み場など日常生活で必ず使うものに対しても、猫の頭数分用意すると良いです。

年齢や性別の組み合わせに注意する

多頭飼い問題の原因が年齢や性別により相性が悪い場合があります。喧嘩しやすくトラブルが多い組み合わせで多いのが「どちらも成猫のオス」と「年齢が離れている高齢猫と子猫」です。オス猫はメス猫と比べて縄張り意識がとても強いため、縄張り争いがおこりやすいからです。また子猫は成長期ということもあり非常に行動が活発なため、逆に活動性が落ちた高齢猫にとってはストレスになります。

そのため「親子関係や兄弟猫」、「子猫同士」、「成猫と子猫」の3つの組み合わせが1番相性が良いといわれています。また「成猫同士でメス猫とオス猫」や「どちらも成猫のメス」も相性は良くも悪くもないですが、去勢(避妊)手術をすることで性ホルモンによる異常な縄張りや交配を防ぐことができます。

今後同居猫を増やし多頭飼いを考えている場合は先住猫の年齢や性別などを踏まえて猫を選びましょう。

生活空間や部屋の数に注意する

特に多頭飼いの場合は縄張り意識がある猫にとってそれぞれ自分が好みであるトイレや寝床などが必要です。猫1匹でも生活に必要なものは最低でもトイレ(1〜2個)、キャットタワー(寝床)、爪とぎ、水飲み場やエサ場なため広めのスペースを使います。狭い空間に複数頭数の猫がいると安心感が得られずストレスとなります。

そのため猫の多頭飼いの場合はその頭数分、用意するのも大事ですが他の猫に干渉されない程度のゆとりのあるスペースが必要になります。一般的に「猫の頭数=部屋数−1」といわれていおり、猫の数より部屋の数が多かったり広めの空間のある部屋が理想です。

去勢(避妊)手術をする

猫は人と違い交尾することによって排卵をおこなう交尾排卵動物なため、交尾をすればほぼ100%の高確率で妊娠します。そのため猫の多頭飼いで避妊していないメス猫と去勢していないオス猫どちらもいた場合は、妊娠してしまい子猫の数がどんどん増え次第に飼育することが困難になってしまいます。

去勢(避妊)手術することによって恵まれない妊娠を防ぐことができるだけではなく、ホルモンによって過剰な縄張り行動である尿スプレーや過度な鳴き声などを抑制することもできストレスを軽減できます。ストレスを軽減させるだけではなく適切な飼育することも飼い主の義務でもあります。多頭飼いでオス猫、メス猫両方いる場合は必ず去勢手術、避妊手術を受けてください。

先住猫との接触のタイミングを注意する

先住猫は特に新しくきた猫に対して警戒心を抱き、好意に思いません。逆に自分のテリトリー内に入ってきた侵入者というイメージが強いです。そのため多頭飼いで先住猫がいるにも関わらず新しい猫を野放しにしてしまうと、追い出そうと威嚇したり攻撃する場合があります。

きてすぐにフリーにするのではなく最初は先住猫との距離をつくることが大事なためゲージを使って隔離させます。隔離した環境で威嚇しなくなったり新しい猫に慣れてきたら、少しだけゲージから出す時間をつくり様子をみます。少しずつ先住猫との接触をすることがポイントです。

猫の多頭飼いのストレスによる症状

ストレスがありそうな猫

消化器症状

  • 症状 下痢、嘔吐
  • 対処法 フードの量を減らす、ドライフードをお湯でふやかす

元々猫は環境の変化など敏感に反応しストレスを感じやすい動物です。また単独動物であり縄張り意識が強い猫にとって多頭飼いによるストレスが原因で下痢や嘔吐などの症状がおきやすいです。特に新しい猫が来たばっかりは体調が崩れやすいため症状がでやすいです。

先住猫も新しくきた猫両方が生活環境に慣れるまで、お互いそれぞれ隔離する時間をつくり落ち着かせてあげることが必要です。また下痢や嘔吐の症状が出た場合は無理にご飯をあたえてしまうとかえって症状が悪化しやすいので一食抜いて胃腸を休ませます。また食事をあたえる際はフードの量を減らしたり、ドライフードの場合はお湯でふやかして消化をよくさせます。

膀胱炎

  • トイレの数を増やす
  • トイレをまめに掃除する

猫は繊細な性格が多いので特に排泄する際に砂の種類や量、トイレの大きさや深さでそのトイレに対して気に入らないことがあります。そのため多頭飼いでトイレの数が少なく、他の猫が排泄したトイレに使いたくない傾向があります。トイレしたくても、できずに我慢してしまうことによって膀胱炎の病気になることがあります。猫は泌尿器系の病気になりやすく特に膀胱炎の発症率は約70%以上と非常に高く、ほとんどがストレスが原因ともいわれています。猫の多頭飼いの場合はトイレの数を頭数よりも多く増やしたり、こまめに清掃などを心がけることが必要です。

過度な毛づくろい

  • 症状 毛を噛みちぎる、皮膚を噛む
  • 対処法 ゲージで隔離 

綺麗好きの猫ですがストレスが溜まると常に毛づくろいするようになり落ち着かせようとします。過度な毛づくろいによって毛を噛みちぎり、脱毛し皮膚が露出してしまうこともあります。主に猫が舐めやすいお腹周りや内股などが多い傾向があります。状態が悪くなったりストレスが長期的に続いてしまうと露出している皮膚を噛んで血がでてしまうこともあります。

いくら治療したとしてもストレスを除去しなければ改善することができません。多頭飼いで猫同士の相性が良くない場合はゲージや部屋を使って隔離し、お互い接触させるのを控えます。

マーキング

猫の多頭飼いでよく問題がおきやすいのが尿スプレーによるマーキング行為です。縄張り意識がある猫は自分のテリトリーを他の猫に分からせるために臭いが強い尿スプレーをするようになり特にオス猫に多く見られます。ストレスをなくすことも大事ですがマーキング行為はホルモンに関係しているので去勢手術をおこなうことです。去勢手術はおよそ6ヶ月ですることができ、丁度それぐらいからマーキング行為をするようになるため早めに手術することを勧めます。

まとめ

キャットタワーにいる猫

猫は私たちが思っている以上にデリケートな性格なため1匹での飼育でもストレスが原因で調子を崩してしまったり性格の変貌がおこることがあります。そのため単独動物である猫に多頭飼いの生活環境というのは非常にストレスをあたえやすいです。

ストレスが原因で下痢や嘔吐などの消化器症状や膀胱炎などの病気にかかってしまったり、過度な毛づくろいなど異常な行動をとるようになります。猫の性格によりますがトイレの数を増やしたり、先住猫との接触を制限したりなどの対策や改善することでストレスを軽減させ、猫と飼い主さんどちらも快適に暮らせる生活づくりに心がけてください。

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