猫にとって褒められることはどんな意味がある?
犬は人間に褒められることで喜びを感じますが、猫は褒められることで喜びを感じているかというと、あまり感じていないのではと言われています。
犬は社会的な動物で、群れを作り、集団で狩猟を行うのに対し、猫は群れを作らず、家族以外の猫との社交性が低めで、単独で狩猟を行う生き物です。
そのため、他の犬から認められて、良い対応をされて群れに受け入れられることは重要なことですし、犬としても喜ぶことです。
一方猫の方は、他の個体から認められるということには、生きていく上であまり重要なことではありません。
人間との関係でも、犬は褒められればそのこと自体が喜びになりますが、猫は違います。
猫の場合には、褒められたことが嬉しいのではなく、撫でられて気持ちよいとか、飼い主がかまってくれることに気分が良い、といった感情になると考えられます。
そのため、猫を褒めることは、何か猫にとって良いことをしてあげること、ということになります。
猫の上手な褒め方
猫の褒め方は、次のようなものになります。
- なでてあげる
- おやつや餌をあげる
- 声をかけて興味をもってあげる
- おもちゃなどで遊んであげる
猫にとって褒められることは、何かの行動や態度の後に良いことがあるということになります。
そのため、猫を上手に褒めるということは、人間に褒められる=猫にとっていいことがある、といった状況にしてあげることです。
大きめの声で話しかけながら気持ち良いところを撫でてあげる、なでながらおやつをあげる、といったことが、人間にとっても褒めている気持ちになりますし、猫にとっても嬉しいことになります。
また、甘えん坊の猫は、飼い主さんが自分に興味を持ち、声をかけたりして撫でられることを嬉しく感じます。
おもちゃなどで遊んであげることは、褒めるというよりもごほうび、といった意味合いが強くなりますが、猫が喜ぶということで効果としては同じと言って良いでしょう。
猫の褒め方はしつけ方
猫を褒める場面は、どのような状況でしょうか。具体的には次のような場面があります。
- トイレがちゃんとできた
- 言いつけ通りに行動した
- 名前を呼んだら来た
- ボールを投げたら取って来た
猫を褒めることは、しつけにつながります。
猫をしつける時には、悪いことをしたときに罰を与えるという負の強化という方法と、良いことをした時に褒める(良いことがおこる)という正の強化という方法があります。
猫に罰を与えるということは不快な思いをさせることになるので、おすすめはしにくいものです。
そのため、飼い主が意図する行動を猫が取った時に褒める(良いことが起こる)という条件付けをして、しつけをします。
例えば、名前を呼んだら来るようにしたり、犬のようにボールを持って来たりするようにしつけるには、おやつをあげて猫を褒めます。
褒める=猫におやつを与えるということになります。
また、猫がテーブルに登っている時に、大声で叱ると、パニックになって暴れたり、走り回った後にやっと降りたりする時があります。
この時に、声かけをして下に降りるとおやつがもらえる、というしつけをしておくと、声をかけただけでも暴れずに降りてくれるようになります。
猫も、飼い主さんの言うことを聞いたら褒めて貰えた(良いことがあった)というふうに覚えてくれます。
また、トイレを覚えさせている子猫がうまく排泄できた時なども、トイレ後に声をかけてゆっくり撫でてあげるといったように、褒めてあげると良いでしょう。
猫を褒める時には、大げさに猫にもわかりやすい動作で撫でたり、ゆっくりと大きめに声を出して名前を呼んだりすると良いでしょう。
猫が、とても良いことがあったなあと感じてもらうことが大切です。
猫を褒める時に大切なこと
褒めるには猫との信頼関係が大切
褒めることで猫に喜んでもらうには、飼い主さんとの信頼関係があることや、飼い主さんが相手のことが好きだということが大切です。
おやつを貰うといった褒め方でも、慣れていない人や嫌いな人から貰えば、猫にとっての喜びにはつながりません。
撫でたり抱っこしたり、といった心地よく感じることの褒め方をしても、余計に相手が信頼できていなければ、猫にとっての喜びにはなりません。
飼い主さんが普段からあまり猫と接していなかったり、叱って怖い思いをさせてばかりだったりだとしたら、褒めたとしても猫は喜ばないでしょう。
褒める時は猫にわかりやすく
小さい声で名前を呼んだり、声をかけたり、撫でる時にもさっと触るだけだったりすれば、褒めていることにはなりません。
猫が喜びを感じることもなければ、褒めたことにはならないのです。
偉いね、とかすごいね、と声をかけながら、猫が気持ちよく感じるところを撫でてあげましょう。
撫でる時には強すぎないように、でも猫の体にしっかりと伝わるようにしてあげてください。
繰り返しているうちに、言葉はわからなくても、猫は褒められていることを感じるようになります。
飼い主さんの声のトーンや動きで、良い思いをさせてくれていることもわかるようになるでしょう。
猫が褒められて喜んでいる時にはどういう態度?
猫が褒められて喜んでいる時には、どのような反応をするのでしょうか。
- 喉をゴロゴロ鳴らす
- 足をグーパーしてふみふみする
- 尻尾をまっすぐ立てる
- 体をすり寄せる
撫でてあげたり、抱っこしたりしてあげた時、猫が上記のような反応をすれば、喜んでいるということになります。
猫好きであれば、猫が喜んでいるかどうかはわかることでしょう。
飼い主さんが何かをしてあげた時に、猫が喜んでいることがわかれば、猫も褒められていることがわかっていると感じますし、飼い主さんも嬉しくなりますね。
自分の猫がどのように褒めたら喜ぶのか、どこを撫でたら嬉しいかなど、理解しておくと良いでしょう。
猫を上手に褒める方法のまとめ
猫を上手に褒めるためには、猫にとって嬉しいことを、わかりやすくやってあげることです。
大きめにゆっくり声をかけ、猫の気持ち良いところを撫でてあげたり、抱っこしたり、遊んであげたりしましょう。
大切なのは、猫の好みに合わせた行動をしてあげることです。抱っこが嫌いな猫を抱っこしてあげても、褒めたことにはなりませんね。
猫を褒めるためには、猫と飼い主さんが良い関係が築けていると、より効果があります。
上手に褒めることで猫と飼い主さんとの絆もより深まり、信頼関係も強くなりますよ。