猫ちゃんもブラッシング必要
この間、長毛種の猫ちゃんで首や脇にたくさん毛玉ができ、取る処置をおこないました。毛玉が出来てしまうと皮膚の状態が悪くなりフケの原因になります。
猫ちゃんの皮膚はとても敏感で弱く傷つきやすいため私の病院では麻酔(鎮静)をかけています。
麻酔かけるため食べ物等が誤って気管に入ってしまう誤嚥性肺炎や嘔吐の症状が起きないように前日の夜から絶食、絶水をしてもらってます。
また麻酔中は体温の低下や腎臓、肝臓に負担がかかってしまうなど体のリスクがあり猫ちゃん自身のストレスも大きくかかります。
そのため特にノルウェージャンフォレストキャットやラグドールなどの長毛種の猫ちゃんの場合はブラッシングをするように勧めています。
ブラッシングの効果とは
抜け毛が減る
猫ちゃんの毛は毎日成長しており冬の11月頃と春の3月頃に毛の生え変わり「換毛期」があります。
換毛期とは…冬、寒さから体温を保つためにあるアンダーコート(下毛)があります。秋頃にアンダーコートが生えはじめ気温が暖かくなる春に抜けるサイクルの事です。
特にこの換毛期は抜け毛の量が多くなります。ブラッシングすることで抜け毛の量が減るだけではなく換毛期に不要になった被毛もしっかりと取り除けるので毛や皮膚の状態を良好に保つ事が出来ます。また毛の絡まる事がなくなるので毛玉が出来にくくなります。
毛玉症予防
猫ちゃんの舌はザラザラと突起状になっており毛づくろいの役割がありますが、その突起部分に毛が絡まり飲み込んでしまいます。飲み込む毛の量が多いと吐き出す場合もありますが上手く吐けず胃や腸にたまってしまう事があります。
毛は消化出来ないため腸に毛がつまり(毛球症)、腸閉塞をおこし処置をしなければ命の危険があります。ブラッシングすることで飲み込んでしまう毛の量を減らすことができます。
病気の早期発見に繋がる
猫ちゃんに触れることで毛や皮膚の状態だけではなく腫れやしこり等の異常に気づき病気の早期発見することができます。
また猫ちゃんの体型を把握できるので肥満防止にもなりますし体を触れる事に慣れてくれるので薬の投与は目薬の点眼もスムーズにおこないやすくなります。
愛猫に優しいブラシを選ぶ
猫ちゃんはブラッシングが苦手な子が多くデリケートなためブラシの感触で反応に差が出てきます。私の愛猫チャロもブラッシングが苦手でしたが色んなタイプのブラシを試してみました。
ラバーブラシ
- 皮膚に負担が少ないシリコン系を選びましょう。
- 柔らかいため傷つけない他しっかりとアンダーコートも取れます。
- マッサージ効果もあります。
ファーミネーター
- 長毛種の子でもアンダーコートがしっかり取り除けます。
- よく取れるので短時間で済ませる事ができます。
スリッカーブラシ
- ラバーブラシと同様にシリコン系を選びましょう。
- ピン構造な為長毛種の子に向いており抜け毛が取れます。
ブラッシングの手順
ブラシを見せる
猫ちゃんはブラシ自体がどんな物なのか分かりません。なのでいきなりブラシ使ってしまうとブラシに対して恐怖や攻撃的になるケースがありますのでまずはブラシを見せ危険な物ではない事を認識させる事が大切です。
リラックスしている時に狙いを定める
突然ブラッシングすると驚いたり不快な気持ちになってしまい今度嫌がる可能性があります。私の場合は昼寝中や甘えてくるタイミング等リラックスしている時にこっそりとしています。この時片方の手で猫ちゃんに撫でると効果的です。
慣れてきたら最初は首から背中、腰にかけておこなう
ブラシに慣れてきたら首周りからブラシをかけ、徐々に背中や腰にかけておこないましょう。片方の手で撫でる事を忘れずにおこなうようにしましょう。お腹やお尻は猫ちゃんにとって急所は嫌な部分なので一人で無理にせず誰かと協力して行うと良いと思います。
まとめ
ブラッシングをする際に猫ちゃんは我慢する事が難しいため長時間してしまうとストレスがかかり中には攻撃的になる子がいます。
だいたい1日5分くらいと短めに済ませ毎日コツコツ継続する事が大切です。
猫ちゃんから近寄ってきたり甘えてきた時にコッソリするといいと思います。
もしそれでも嫌がる様子があれば諦めも必要です。
無理にやってしまうとブラッシング=嫌な事と認識してしまい今後出来なくなる可能性があります。
猫ちゃんと触れ合う事で信頼関係が良くなかったり愛猫の性格をもっと知る事ができます。