【私と愛猫との出会い〜さんの体験談〜】
杏のママ猫
九州の残暑厳しい9月。海辺で友人と堤防釣りをしていると、毛艶も無く背骨が浮きでるくらい痩せた黒猫が近づいてきました。小さく、まだ成長しきれていない様子。若い猫のようでした。
私たちに近づいて来る様子から、元は飼い猫?捨てられたのか?何か食べれる物をと探してあげました。
野良猫の餌付けは、いけないのかもしれません。ここは民家もない海辺と自分に言い訳しながら、せめて今、飢えから少しだけでも解放してあげたい気持ちでした。
それから一週間後、また同じ場所で黒猫が近づいてきました。無事だった様子にホッとし、持ってきたフードを食べさせると、どこかに去っていきます。
9月下旬、まだ秋らしさは無く、ギラギラした太陽が照りつける中、いつもの黒猫の後ろを小さな三毛猫とさらに小さなサビ猫が追いかけてきます。
あんなに痩せていた理由。充分に食べる物もないのに、黒猫は一生懸命子育てをしていたのでしょう。何度かご飯をあげるうちに釣り場で待っているようになり、子猫たちは、膝に乗り甘え人懐っこくなっていきました。
懐かせてしまった責任を感じ、心無い人の虐待も心配しながら、家にいる16歳の老犬のこともよぎります。さらに子猫2匹のお世話ができるのか?猫の飼育経験もなく、保護できるのか悩み迷い続けていました。
初秋のある日、三毛猫がいつもと違う様子で激しく鳴きながら近づいて来ました。その時から、三毛猫より成長が遅かったサビ猫を見かけなくなりました。 いつも一緒だった妹猫の異変を知らせたかったのでしょうか?
よく見ると、耳の周囲は蚊に刺されてかさぶた。後に、猫風邪の存在を知ったのですが、その症状から目やにで眼は塞がっていました。
今、写真を見ると、薄汚れた猫なのですが、可愛くて、また心配で毎週末は海辺へ通いました。初霜の降りる頃、12月1日。来週からの低音注意報、ようやく覚悟が決まり保護。
三毛猫は自分から車に乗り、私の膝の上で眠りながら家路に。三毛猫は、初めてのわが家を手に入れました。トイレは完璧、お外が嫌い、犬も人も好き。水槽とネズミのおもちゃがお気に入りでした。体形はちょっぴりぽっちゃりさんになりました。
これからは、妹猫のぶんも幸せになって欲しいと願っています。