愛猫アリエルとの出会い
多頭崩壊から救い出された猫
フリーランスをしていた頃のことです。猫を飼いたいなぁと前からずっと思っていたことが、なんとなく現実的に実行しようと考え始めてから、保護猫のサイトで探し始めました。目に留まった所が、多頭飼崩壊現場から救出した、という3頭から130頭まで増えてしまったお宅からのレスキューのサイトでした。
とりあえず、家にケージやトイレ、ご飯のトレイなどなどを用意してから保護宅へ見学に行くことにしました。本来目当てにと思って見に行った猫ちゃんは、まだ人馴れしていない、ということで、「お勧めはこの子ですよ」と大人しく丸まっていた女の子を勧められました。
この子で良ければ、連れて帰ってトライアルしてみては?というお話がトントンと進み、早速そのままキャリーに入れて自宅まで車で連れて来てくれました。
お迎えしてから知った猫のトラウマ
慣れるまではケージに入れていてくださいね、と言われていたのに、「猫は家に慣れるもの」という知り合いの話を信じて、部屋に放してしまいましたが、これが影響したのか、なかなか近寄ってくれないという状況が続いてしまいました。
やはり、多頭飼で人に構われていなかったせいか、人馴れしていない、というのが大きな壁だったようです。今となっては、最初にケージを用意すること、と言われるわけがわかりました。逃げ込んで奥から出てこなくなる、というのを防げます。
天使由来の「アリエル」と名前を付け、慣れてもらうべく、しばらくしてからはケージに入れて、すぐ傍にいても、人間は大丈夫な存在なんだよ、と覚えてもらうことから始めました。そこから、少しずつ触るようにしてみました。
長毛種だったので、毛玉がすごいことになってしまったのを発見し、これをなんとかしようと試みることになりました。
ブラッシングをしていくことを覚えてもらおうとしましたが、既に絡まっているのはどうにもできず、プロの手を借りることにしましたが、やはりちゃんとお世話するには、触れるようにするのが一番必要なことなんだと思いました。
人馴れするまではしばらくかかりましたが、慣れてからは、ナデナデをして欲しいと、すぐ傍に寄って来たり、人が場所を空ければ、そこに陣取って、構ってもらえるようにする、などなど、彼女なりに人と関わる方法を作っているようで、微笑ましい日々が始まりました。
気が付くと、傍にいる、というのがアリエルの存在となってからは、どんなに遅い時間まで仕事をしていようが、傍にいてくれる、私にとっては癒しの存在でした。
もっとアリエルが小さい頃に知り合いたかったなぁと思いました。
愛猫が結んでくれたパートナーとのご縁
アリエルは、キューピットのような存在で、今のパートナーを引き寄せてくれたと思っています。
また、二人でアリエルを見ていると、本当に幸せで、ご飯の時も横に居て、一緒に食べたりしても、またおやつをねだる眼差しも本当に穏やかで、いつも私達を笑顔にしてくれていました。
なぜかフミフミしてくれたところは、不調が治ったりする、不思議な猫でした。
「いつでもすぐ傍にいる」、は大人になっても変わらず、特に随分とシニアになってきたことも意識することなく、可愛いままでした。これがずっと続いて欲しいとずーっと思っていました。
14年を共に過ごして虹の橋へ
アリエルは残念ながら、うちに来てから14年経った今年の夏に亡くなりました。極度の貧血と脱水症状ということでしたが、最期の最期は、1週間ほどで急激に悪化し、獣医さんの所で診てもらい、帰って来たその日の夜中に亡くなりました。
最後まで人に迷惑をかけることなく、計算して手を掛けるようなことをさせないようにしているのではないか、と思うほど、気遣いを感じる猫でした。
亡くなった時も、二人で看取ることができ、その時も、ちょうど週末だったので、火葬も良いお天気の日にできたり、と、まるで計ったかのようなスケジュールで、驚くばかりでした。
私にとっては、初めて迎えた猫でしたし、すごく繋がりを感じる猫でした。
まとめ
アリエルがうちに来たことで、本当に気持ちがワクワクすることが日々多かったと思います。確かに最初は慣れてくれるまでこんなに大変なものなのか?とは思ったこともありましたが、それも後から振り返れば、良い思い出となりました。
人それぞれのペットとのつながりがあると思いますが、アリエルが残してくれた色んな思い出が、日々の癒しでした。私にとっては、一番気持ち的にも辛かった時も、アリエルが居てくれたことで、「あぁ、一人じゃないんだ、頑張ってアリエルのためにも生きなきゃ」と思うことがありました。
目を見つめて、あたたかい気持ちに包まれる、というのが毎日の幸せでした。毎日家に帰るのが楽しみになる、というのが、家に待っていてくれる存在が居る、という張り合いにもなっていました。私にとっては、本当に毎日が大事でした。
シニアということを意識してからは、少しでも元気で居てくれるのを大事に考えていましたし、お互いが楽しい瞬間を多くしたいと思いました。最後の日、私の膝に乗ってくれたのは、最後のお別れもしてくれたんだと信じています。
お互いがお互いを思いながら、虹の橋を渡る日を迎えられたのは、奇跡だったと今でも思います。猫が居る、それは本当に日々の幸せを、もっと感じられる要素だったと思います。