寒空の下、玄関先に現れた子猫
玄関先に現れた当時のチャチャちゃん【画像提供:Kinachi(@kinachi8)さん】
今回の主役は、キジ白の男の子で推定1歳5ヶ月の「チャチャ」ちゃん。
かわいらしいお名前は、飼い主さんのおうちで以前に暮らしていた先住猫の「チャップリン」ちゃんのお名前の一部からとって授けられました。チャップリンちゃんは、白血病を患いながらも3歳まで頑張ってくれたたくましい男の子だったそうです。
飼い主さんとチャチャちゃんが出会ったのは、寒さの厳しい2022年の1月のことでした。
「冷たい雨が降ったり止んだりしていた寒い日に、玄関にポツンと一人でいました。ひどい状態で、特に両目がぐちゃぐちゃになっていました。まわりには親猫もいなかったので、すぐに保護してかかりつけの病院へ連れて行きました」
病院へ向かう車の中で、「本当のことを言うと色々と迷いました」とその心境を明かす飼い主さん。実は、おうちには腎臓病のため闘病中の先住猫、きなこちゃんがいたからです。それでも、「あんな状態でうちに来たんだ!」とお迎えすることを決心しました。
おうちで療養をするチャチャちゃん【画像提供:Kinachi(@kinachi8)さん】
とても痩せていて衰弱していたというチャチャちゃん。さらに、両目の状態がとても悪く感染症にもかかっていました。そのためすぐに入院し、両目の手術を受けることに。医師からは、「片方の目は、眼球摘出になるかもしれない」と言われたそうです。
「獣医さんのおかげもあり、眼球摘出にはならずにすみました。あまり見えてないかもしれませんが、生活には支障がないくらいにまでにはなりました」
退院してからも、抜糸までは毎日服薬、さらに感染症のため隔離生活をすることに。すべてが落ち着くまで、半年ほどかかったそう。その間、とても聞き分けがよく、我慢強かったというチャチャちゃん。きなこちゃんのために、毎日、点滴をしている飼い主さんのことを理解してくれていたようです。
「『目薬だよ』と言うと、自分から来ておとなしくさせてくれました。私がきなこに手がかかっていることも、よくわかっているようでした」
飼い主さんの献身的なケアとたっぷりの愛情で、すくすくと成長したチャチャちゃん。まん丸おめめがかわいらしい、やんちゃな男の子になりました!
背中に“羽の模様” 救世主のような存在になったチャチャちゃん
カーテンで遊ぶチャチャちゃん【画像提供:Kinachi(@kinachi8)さん】
今では、好奇心旺盛でいたずらっ子ぶりを発揮しているというチャチャちゃん。“カーテン登り”をしてボロボロにしてしまうそうですが、飼い主さんは「作品を作ってくれてます」とユーモアたっぷりに語っています。
「階段が大好きで、ただ上って下って走っています。中庭に出ると虫やミミズを取って食べようとするので、今は禁止しています。食べる物はなんでも、今のところ好き嫌いはなく食べます」
昨年12月に、闘病中だったきなこちゃんが虹の橋へ。普段はいたずらっ子のチャチャちゃんですが、飼い主さんの悲しみを察したようで、寄り添って励ましてくれたそうです。
幸せそうなチャチャちゃん【画像提供:Kinachi(@kinachi8)さん】
そんな優しいチャチャちゃんには、保護した時からずっと続いている“寝る前の儀式”があるのだとか。
「私の手を自分の右側の頬へくっ付けて、歯ぎしりのように『カリッカリッ』として甘えん坊になります。右目が悪いので、毎晩、『大丈夫、大丈夫、もう治ったよ』って“おまじない”をかけていたからかもしれません。」
チャチャちゃんとの出会いについて、「何か運命みたいなものを感じます」と語る飼い主さん。背中に羽の模様があることから、“救世主”のようにも感じるそうです。
背中に羽の模様があるチャチャちゃん【画像提供:Kinachi(@kinachi8)さん】
きなこちゃんの容態が思わしくないことも感じ取っていたというチャチャちゃん。“ふたり”はよい距離感を保ちながら、お互いのことをよくわかり合っていたのではないかと飼い主さんは考えています。
「縁があって保護しました。もちろん大変な時もありました。これからもあるかもしれません。でもそれ以上に、こちらが毎日幸せをもらっていると思います」
チャチャちゃん、飼い主さん、素敵なエピソードをシェアしてくださりありがとうございます!
取材/ねこちゃんホンポ編集部
文/moch@(モカ)
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