猫を多頭飼いする良い点
猫自身の社会性が育つ
猫同士でじゃれ合い喧嘩をすると、痛みを覚え限度を身体で理解できます。人間へも血の出るような噛み方をしなくなります。
留守番と運動
猫同士で遊ぶため運動不足によるストレスも解消され、飼い主が日中留守がちな場合でも安心できます。
飼い主の喜びが増える
一頭でも可愛いですが、猫同士のじゃれあっている姿はまた格別です。多頭飼いで喜びや楽しみが何倍にもなる事は間違いありません。
猫を多頭飼いすると良くない点
猫は集団行動の犬とは違い単独行動者です。
猫同士の相性
多頭飼いでは先住猫の気持ちやテリトリーを優先に考えてください。相性が悪いとストレスがかかり、喧嘩やマーキング、尿スプレーをおこす可能性があります。なお先住猫が高齢の場合と、なわばり意識の強いオス同士の場合、問題のおこる確率は高くなります。ただし初めは相性が悪そうに感じても慣れて良くなることは多くありますので、多頭飼いして一月ぐらいは相性診断にかかるようです。
初めから多頭で家族に迎えるときは、子猫同士もしくは成猫でも兄弟や親子であれば大丈夫のようです。
各々の猫の健康管理
どの猫の調子が悪いのか、多頭であればあるほど管理がしづらくなります。そして一頭が病気になるとお互いに移しやすいのは猫同士でも同じです。特に皮膚病や感染症には注意が必要となります。
猫に関わる費用など経済的な問題
多頭飼いではワクチン接種代金、去勢や避妊手術代、そのほか病院代、ご飯代や猫砂代などは頭数ごとに増えます。そして、ご飯や水入れ、遊び道具、保温道具、トイレの増設、頭数毎のテリトリーの確保(部屋の広さとも関わります)などなど経済的な負担は多くなります。
一頭に必要なテリトリーが確保できればストレスがかかりにくいので、飼い主の状況により何匹まで飼うのがよいのか頭数は決まってくるでしょう。
心の痛い多頭飼育崩壊
社会的な問題となっている多頭飼育崩壊の問題です。飼い主が多頭飼いを管理をできずに悲劇的な末路をたどる猫たちは後を絶ちません。
去勢や避妊を「可哀想」と感じる飼い主は未だに多いようです。オス猫とメス猫が一緒にいれば子猫ができます。そして、その猫達がまた子猫を生みます。猫の繁殖力を見過ごしてはいけません。増えた時点で手術を考えれば、かなりのまとまった金額が必要になってきます。
管理不能となった多頭飼いの結果
様々な状況の飼い主達が飼い猫たちを管理できなくなってしまうと、もはや個人的な問題ではなく周りの人達をも巻き込みます。そして不衛生な状態での飼育は動物虐待になり、猫たちも被害者となります。
- 猫の鳴き声による騒音
- 猫の餌など残飯放置による腐臭
- 尿や便の処理不足、死骸放置による不衛生
- ウイルスの感染寄生虫の蔓延
- 農地を荒らしたり、恐怖により人間に危害を加える
- 食べ物が無いために猫同士の共食い
- 近親同士の交配により、奇形や疾患を持つ子猫の増加
以下はクローズアップ現代の多頭飼育崩壊の様子です。
出典:クローズアップ現代 ネコに家が壊される〜広がるペット多頭飼育崩壊〜
http://www.nhk.or.jp/gendai/動物愛護法、地域の条例やマンションの規則
自治体の動物管理センターで引き取られた猫の半分以上は多頭飼いによるものだそうです。このため、「終生飼育」を目標に条例を改正し、多頭飼いの実態を把握し改善を促しています。
人間と同じく猫も同じ家族として幸せに暮らすためには、飼い主のモラルを向上させなければなりません。未だに引っ越し先がペット不可のため、元の場所に置き去りにしていってしまう飼い主も悲しい事ですが存在します。
まとめ
猫の多頭飼いについてお話ししてきました。全ての物事には良い事と良くない事が表裏一体となっています。猫との素敵な生活を送るためには飼い主としての様々な責任が伴ってきます。猫はエジプト時代から人間の良きパートナーとして存在しています。改めて猫に感謝をし、猫を敬い、大切な家族として暮らしていきたいですね。