先住猫の友達にしたいと保護猫を迎えたら…関係構築のためにしたこととは?

先住猫の友達にしたいと保護猫を迎えたら…関係構築のためにしたこととは?

長く一緒に暮らした猫が10歳を迎えるにあたり、もう1匹友達を迎えることに。今度は保護猫をお迎えしたいと考え、探し始めました。ところが私が高齢だったことから譲渡条件に合わずお断りされてしまい……。あきらめかけた時、ふと目にした掲示板がきっかけで愛猫と出会うことになりました。

【私と愛猫との出会い〜HARUさんの体験談〜】

保護猫探しは大変!

ある日、長く一緒に暮らした猫が10歳になるにあたり、もう1匹友達を迎え入れてやろうと思いたちました。今度は保護猫にしたいと考えていたので、保護猫活動をしているところを片っ端から検索し、これ!と思う猫がいると、申し込みを何度か繰り返しました。

ところが保護猫引取には大変厳しい条件があって、一人暮らしであること(猫はいますが)、仕事をしていて日中は不在になること、高齢(55歳を過ぎていること)などがひっかかり、どこもやんわりお断りされて、これは保護猫を引き取るのは無理かもと思い始めてしまいました。

そんな時、譲渡猫の掲示版があると知り何気なく眺めていると、私の希望する幼猫条件にぴったりの猫を見つけました。

開き直って、ダメ元で自分が1人暮らしであること、仕事をしていて日中は外出すること、年齢的にも厳しいことは理解していることを応募要項に細かく書いて、それでも先住猫が10歳になるのを機に、新しい友人として迎え入れたいこと、近くに息子が住んでいて、私に何かあれば息子が猫のお世話をしてくれることも書きました。

すると、その猫を保護している団体の方から、どうぞ一度見に来てくださいと連絡がありました。私はすぐに約束を取り付け、見学に出向きました。

その保護施設は千葉の海沿いにあり、地域猫として戻せる猫は住民の方の許可を得て地域猫とし、保護が必要な猫は保護して、そこで暮らしたり譲渡会に出したりと穏やかでのんびりとした保護施設でした。

私はもちろん、お土産をもって他の猫達とも散々遊んで、楽しく過ごしました。「猫の扱いに慣れていらっしゃいますね。くろちゃんをお任せします」そう言って頂いた時は、本当にうれしかったです。というわけで、先住猫の白猫の弟分として、黒猫を迎えることになりました。

青い毛布の上の黒猫

お兄ちゃんが壊れた…

弟分を迎えて、寂しくないようになんて言うのは、人間の浅はかさというものでした。

幼い黒猫は、やっと自分だけの快適なゲージ、美味しいご飯、玩具、なでてくれる人間を手に入れ、あっという間に我が家に慣れ、思い切り食べ、遊び、いたずらをして過ごすようになりました。ところが、先住猫がどんどん具合が悪くなっていったのです。

それまでほとんどしたことがない下痢と嘔吐を繰り返し、食事もほとんど食べなくなり、胃液まで吐くようになりました。「これは大変、病院につれていかねば」と思い、ネットでいろいろ調べてみたら「2匹目を迎えた時の先住猫ストレス」という記事を見つけました。

黄色のトンネルの横の黒猫

まさにその通り…自分のテリトリーを犯されたと縄ばり意識の強い猫は、ストレス過多になるとありました。私は急いで、先住猫のゲージを大々的に掃除して、トイレも分けて、先住猫の居場所に黒猫が入らないようしました。食事も別、何より先住猫を優先して、彼のストレスになることは取り除くようにしました。

体調がようやく戻りつつあった頃、今度は幼猫がもっていた猫風邪をもらってしまい、かかりつけの獣医さんに駆け込みました。獣医さんに「それは災難だったね~はくちゃん。でも弟君も悪気があったわけじゃないよ」と言われ薬をもらい、やっと少し落ち着いてきた今日この頃です。

ベットの上の白猫

それでも子育てのやり直しは楽しい

私は男の子2人の母親でした。『でした』というのはもう、ずっと前に手が離れてそれぞれが暮らしているので、母親だった時期は終わったと思っています。

そこで今度は猫兄弟の母なのですが、これが人間の時とは違い、とても穏やかに笑っていられるのです。繊細な兄、やりたい放題の弟というのは、息子達と全く同じ構図なのですが私の対応や心持が違います。

人間兄弟の時は叱り飛ばしてばかりでしたが、今は穏やかに笑って世話ができています。息子達に「母さん、あの時おこってばっかりだったね~今更だけど、ごめんね」と謝ったりして、息子達には気味悪がられたりしています。

喧嘩している二匹に金切り声で、「止めなさい」と言わない自分の成長が嬉しいです。

ゲージの二匹

仲良く?喧嘩しています

保護猫を受け入れて、2ヵ月が経ちました。

育児放棄されて、感染症にかかり生死の境をさまよったとは思えない程やんちゃな黒は、本当に一瞬も止まっていない元気猫です。先住ハクは相変わらず黒を受け入れていません。黒が遊ぶつもりで近寄ってもシャーシャー言って追い払います。

それでもいいのです。よく保護猫を引き取るときに、トライアルすると先住猫が受け入れ拒否だからと、トライアル後に返される保護猫がいると聞きました。人間だって一緒ですよね。最初から上手くいく関係性なんて作れない。でも、そこは人間がひと手間惜しまず、お互いの距離を取れるようにすれば、なんとかなるものです。

キャットタワーの二匹

私は先住猫だけそっと呼んで「ちびには内緒よ」とおやつを上げたりします。また幼猫には、お兄ちゃんが食べないから、これは貴方だけよと言ったりしています。

それぞれが大事にされていることがわかれば、上手く住み分け、そんなに大きな揉め事にはならない。それこそ私が得た結論ですし、保護猫を幸せにするより私が幸せしてもらえたと思っています。

黒猫に猫パンチの白猫

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