【私と愛猫との出会い〜木村ゆきさんの体験談〜】
この子が私を選んでくれたのかも
黒猫を迎え入れたのは今から約6年前。私はずっと猫と一緒に暮らしたいと思っていました。もともとペットショップで飼う予定はなく、保護施設から迎え入れたいと思っていましたが、なかなか一歩を踏み出すことができませんでした。
そんな時、当時住んでいた街の保健所でも犬猫が保護されていることを知りました。保護されていることを知ったきっかけは保健所のホームページで、そのホームページの存在は私の友人が教えてくれました。
そこには飼い主募集の犬や猫の写真がたくさん掲載されており、その中の1匹の猫に私は運命を感じました。
写真を見る限り、猫風邪がひどく決して綺麗な顔ではありませんでしたが、「この子を引き取らないと一生後悔する」「この子以外考えられない」と、不思議な気持ちになりました。
そして猫を飼ったらこの名前にしようと、何年も前から考えていた名前をつけ、初めて呼んだ時は胸が熱くなって鳥肌が立ちました。夢が叶った瞬間です。
それからの生活
猫風邪がひどく、獣医さんには目が見えないかもしれないと言われた時は、命の尊さと厳しい現実を突きつけられて思考回路が停止しました。それでもこの子と出会えたことは運命、どんなことがあっても守り抜くと誓いました。
点眼薬や内服薬、サプリメントによる治療が開始され、これで良くならなかったらどうしようと不安な日々…。やはり毎日の目薬や服薬は猫にとっても嫌なことですし、飼い主も根気強く続けなければならないというところはとても大変でした。
こんなこともするの!?
「危ない!」「やめてー!」何度叫んだかわかりません。テーブルや棚の物を落としたり、キッチンに上ったりと。とてもやんちゃで、とにかく食いしん坊で、ありとあらゆる人間のご飯を欲しがりました。
そのため、怪我をしたり中毒にならないよう、家中の物や食材を出しっぱなしにせず全て収納することに。その結果、収納スペースが足りなくなって困ったこともありました。
また、雷や掃除機など大きな音が出るものは苦手ですぐに隠れていましたが、隠れる瞬間をしっかり見ていないと、どこに隠れたのかわからないほど隠れ上手です。
掃除機にびっくりした時はどこに隠れたのかわからず、必死に名前を呼びながら家中を探すことに。すると、布団の中からひょこっと顔を出してくれました。その瞬間、私は安心して膝から崩れ落ちたことは今でも忘れられません。
そんな賑やかな日々を送っていく中で、徐々に目が綺麗になっていることに気付き、希望の光が見えました。
小さな怪獣、大きな存在感
猫が苦手だった母は、私が猫を迎え入れたことを伝えるととてもびっくりし、猫の写真を送っても反応はイマイチでした。
そして迎えた初対面。一目見た瞬間から孫ができたかのような溺愛ぶりで、誰よりも早く、誰よりもたくさんのおもちゃやおやつのプレゼントをしてくれました。
また、気難しい祖父も猫じゃらしで満面の笑みを浮かべながら遊んでいました。その様子を見ていると、どっちが遊んでもらっているかわからないくらいです。
うちのお猫様
引き取った当初は鳴きながら常に誰かの後を追っていました。そんな時は膝に乗せてあげると安心して鳴きやみ、ぐっすり眠っていました。
現在は、自分の気分に合わせて好きなところで我が物顔でくつろいでいます。
撫でて欲しい時は目の前まで来てお腹をみせたり、遊んで欲しい時は私の足を噛んできます。少し痛いですが、ちゃんと加減をしてくれるので大怪我にはなりません。中でも、ご飯を催促する時は一番激しく鳴き、ご飯がある所まで誘導することも覚えました。
また、当時一番心配していた目の状態もかなり良くなり、両目ともしっかりと見えています。小さな体でここまでがんばってくれたことに、心から感謝しています。
いたずら好きで甘えん坊な小さな怪獣、今では家族みんなのアイドルです。
まとめ
人と人との出会いと同じように、猫をはじめ動物との出会いも様々です。そしてそれはベストタイミングでやってきます。もしかしたら、あなたのすぐ近くで運命の出会いがあるかもしれません。思い描いていた出会いとは違ったとしても、必ず意味があります。
世の中には、黒猫は不吉という言い伝えがありますが、我が家では黒猫は幸せの象徴です。この子も幸せになり私達家族も幸せになる、それが実現しました。
これからも黒い天使とともに、たくさんの思い出を作っていきたいです。