猫もかかる「フィラリア症」原因と予防策

猫もかかる「フィラリア症」原因と予防策

気温が高くなってくると活動的になってくるのが「蚊」です。この蚊は刺されると不快なかゆみをもたらすだけでなく感染症を媒介することもある油断できない存在です。今回の「フィラリア症」もその一つで飼われている犬や猫が注意しなければいけない病気の一つです。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

フィラリア症とは

蚊

フィラリア症は別名、犬糸状虫症(いぬしじょうちゅうしょう)と呼ばれる寄生虫感染症で、名前のとおり犬に発症率が高いことで知られています。ただこのフィラリアは犬にとても多いものの、猫がかからないわけではなく、犬ほどの確率ではなくても感染することは十分にあり得る病気です。

また、人間も症状に気づきにくいですが、吸血やペットからうつることでフィラリアに感染することもあります。

蚊によって媒介

フィラリアは蚊がすでに感染している生き物から吸血し、別の生き物を再び刺すという過程で広まっていきます。フィラリアを媒介する1mmほどの幼虫は蚊の針の先端に潜み、吸血時に宿主となる生き物の体内に入り込みます。そしてそこで成長し、名前にあるような糸状の成虫になって肺や心臓の血管に寄生して生き延びるのです。

猫は症状が出にくい

ペットがフィラリアに感染した場合、犬と猫では症状が異なり、犬は病気の症状が見た目にも分かりやすく出やすい傾向があるのですが、猫ははっきりとした症状が出にくかったり他の病気と判別がつきにくかったりして、発見が遅れてしまうことが非常に多いようです。

これはフィラリア寄生虫が犬よりも、猫の体内で数を増やしにくいということが理由としてあるようで、犬が数十匹のところ、猫は1~3匹と少ないので症状も出にくく発見が遅れてしまうのです。

ただ、フィラリア寄生虫の数が少ないからといって安心できるわけではなく、猫の場合気づいた時には重篤な状態になっていたり、突然死を起こしたりすることもある恐ろしい感染症なのです。

フィラリアは完治するのか

心配そうな猫

フィラリアは猫の体内では数を増やしにくく、フィラリアの寿命は2~3年と言われていますので、寄生虫に感染しても気がつかないうちに死滅してしまい、いなくなってしまうこともあるようです。ただし、フィラリアは体内に感染すると血流に乗ってやがて心臓に寄生しますので、心臓にダメージを与えてしまい、その影響はフィラリアが死滅しても続きます。

よって一度かかってしまうと、たとえ寄生虫を駆除してフィラリアが治ったとしても、他の部分にダメージを受け、長い間、または生涯に渡って治療を継続するケースも多くなってしまいます。また、この猫のフィラリア自体も治療法が確率されていないため、治すのも困難が伴う症状になります。

そのためフィラリアという感染症はかかってから治すという考え方ではなく、かからないように予防することが最も大切な考え方ということになります。

フィラリアを予防するには

獣医さんと猫

フィラリアは、蚊に刺されて引き起こされるのだから猫を完全室内飼いにすれば安心なのでは?と考えてしまいますが、蚊は屋外だけでなく家の中にも飛んでいますから。たとえ室内飼いであっても油断はできません。

そのためフィラリア予防には完全室内飼い、屋外を歩かせているという違いを問わず、動物病院でフィラリア予防薬を月1回投与してもらうことが最善の対策となります。このフィラリア予防薬は蚊が活動している時期に必要となるものなので、かかりつけの獣医さんに相談してみましょう。

まとめ

伏せる猫

いかがでしたか?フィラリアは犬に比べて猫の発症率は低いものの、一度かかってしまうと内臓機能に問題が残ったり、気づきにくいので重篤化したり重篤化、突然死も引き起こす可能性もある恐ろしい感染症です。

フィラリアを防ぐためには、予防薬の投与が今のところ一番の対策ですから、蚊が増える時期に入ったらできるだけ早めに獣医さんに薬を投与してもらいましょう。

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