アンダーコートがある猫はダブルコートの猫だけ
猫のアンダーコートとは、猫の毛の種類のひとつです。猫の被毛のタイプには大きく分けて2つあり、シングルコートとダブルコートがあります。
シングルコートとはシングルという名の通り、1つの種類の毛のみが生えている被毛を持つ猫を言います。
ダブルコートとは、ダブルという名の通り、2種類の毛を持つ猫を言います。
つまり、体を触った時にすぐ触れられる上の毛と、猫の皮膚の近くを触った時に触れることのできる下の毛を持つ猫の被毛のタイプです。
この「下毛」とされる部分をアンダーコートと呼んでいて、ダウンヘアや二次毛とも呼ばれることがあります。
上の方の毛である「上毛」は、トップコートまたはオーバーコートや一次毛と呼ばれています。
実際には猫の被毛の状態はシングルコートやダブルコート以外にもあり、トリプルコートと言って3種類の毛、3層構造の被毛を持つもの、無毛のタイプ(実際には薄い毛をまばらにもつ)などの猫もいて、細かく分けると8種類ほどになると言われています。
猫のアンダーコートの見分け方
ダブルコートを持つ猫は、長さや質感の違う2種類の毛を持つ猫ということです。
上毛と下毛、つまりトップコートとアンダーコートを持つ猫ということですが、短毛種と長毛種どちらにもこのダブルコートを持つ猫が存在します。
メインクーンという長毛の猫はアンダーコートがありますが、雑種の猫でもアンダーコートを持っている場合も、もちろんあります。
猫の被毛は、肌を守り保温や防水の効果がありますが、特にアンダーコートは断熱や保温の効果が高い被毛です。
トップコートとアンダーコートの見分け方としては、次が挙げられます。
トップコートよりも細い
人間の髪の毛日本人の髪の毛は平均的には太さ(日本人の髪の毛は平均的には太さが0.05mm〜0.10mm)に比べて猫の毛は細く、猫のトップコートは太さが約0.04~0.08mmで、アンダーコートはさらにそれよりも細く (0.01mm〜0.04mm)なっています。
細くて軽い毛質なので、換毛期などはアンダーコートが抜けると、ふわふわの糸くずの塊のようになり掃除が大変です。
アンダーコートの抜け毛を放置して体に残ったままにしておくと、猫がグルーミングの時に舐めて飲み込んでしまうので、ブラッシングをこまめにする必要があります。
トップコートよりも柔らかい
アンダーコートは保温や断熱効果が高いのですが、そのためにトップコートよりも柔らかくなっています。
猫の抜け毛でふわふわと綿のようになっているのは、アンダーコートが抜けたものが多くあるためと考えられます。
縮れている
トップコートはどちらかというとしなやかで真っ直ぐなものが多いですが、ダウンコートは縮れているものが多くあります。
それは細さと柔らかさを持っているからでもあり、より保温や断熱、防水効果を高めると考えられます。
猫のアンダーコートにおすすめのブラシ4つ
アンダーコートはトップコートよりも短めで、柔らかくて細く被毛の内側に生えているので、猫の被毛の表面だけ梳かしていてもうまく取れません。
そのためアンダーコート用ブラシを使うことをおすすめします。アンダーコート用ブラシは、毛の長さの違いで梳かしにくいアンダーコートの抜け毛をうまく捉えて、抜け毛を取り除いてくれます。
ファーミネーター(FURminator)
ファーミネーターは、欧米で人気となり、日本でも定番の一つとなっているアンダーコート用ブラシです。
ステンレススチールの刃は技術特許取得済みで、猫のトップコートの下にある抜けたアンダーコートを安全に取り除いてくれます。
人間工学に基づいた持ち手は握り心地がよく、ボタンを押すだけでブラシの歯部分に着いた抜け毛を取り除くことができます。
フーリーイージー(Foolee Eazee)
ペットの肌を傷つけずに、安全にブラッシングが出来てムダ毛も取れる猫用ブラシです。
硬い毛用、柔らかい毛用の2種類のプラスチック刃があり、抜け毛やフケだけを除去しながら毛を梳かします。
猫の毛の長さに合わせて歯の高さを変えられ、についた抜け毛はワンタッチで簡単に取り除くことができます。
ピロコームE1 (Philocomb)
ピロコームは、曲線を描いた特殊で柔らかい櫛の歯が、抜け毛を絡め取ってくれるアンダーコート用ブラシです。
穴が空いた持ち手があるので、握って使うことで、手櫛のような感覚でブラッシングをすることができます。
櫛のカーブの部分に抜け毛がたまるので、お手入れがしやすく、抜け毛が飛び散りにくくなっています。
カーブ ブラシ
櫛の部分が緩やかにカーブの形になっていて、猫の体にフィットしやすいアンダーコート専用ブラシです。
特殊な歯先で抜け毛や不要な毛だけをすくい取るので、皮膚や被毛をひっぱらずに痛みのないブラッシングをしてあげることができます。
歯についた抜け毛はプッシュボタンを押せば簡単に取り除くことができます。
アンダーコートに困ったら掃除機を使うのもあり
ブラッシングの後に櫛から毛を取りのぞいていると、アンダーコートの抜け毛はふわふわで部屋に舞いやすいので、掃除も必要となる場合が多くなります。
そんな時にはブラッシングしながら抜け毛をすぐ掃除機で吸っていくといった方法もあります。
ブラシで梳かしてすぐ掃除機で吸えば、抜け毛が飛び散る心配がありません。
しかし、ブラシをしながら掃除機を使うのは大変で、二人掛かりになることもあります。
そんな時には、掃除機のヘッド部分につけて使えるブラシもあります。これだと、梳かすだけで抜け毛を掃除機で吸ってくれるので、片手でブラッシングができます。
ただし、掃除機の大きな音や形状が苦手な猫も多いので、無理に使うのは禁物です。掃除機に取り付けるタイプのブラシは、猫の様子を見ながら使うようにしてください。
まとめ
猫のアンダーコートは、毛質がふわふわとして柔らかく、とても触り心地が良いのが特徴です。
しかし換毛期には抜け毛が増えるので、お手入れや掃除はしっかりする必要があります。
アンダーコート用のブラシは、皮膚を傷めないようにしながらも、トップコートとは長さの違う毛をうまく梳かせるように作られています。
そのため、ダブルコートを持つ猫には、しっかりとアンダーコート用のブラシを使ってお手入れをするようにしましょう。
猫が抜け毛をあまり飲み込まないようにして、美しく触り心地の良いダブルコートの毛並みを保ってあげてください。
普段からコームやスリッカーなどでブラッシングをしていても、抜けたアンダーコートを取り除くためには専用品にはかなわないようです。ここで紹介されているようなブラシやラバーブラシの中でどの商品が合うのかは、飼い主さんと猫ちゃんによって異なります。
ご自分の猫ちゃんに合ったブラシを見つけ、すでに抜けてしまったアンダーコートはできるだけ取り除いてあげて猫ちゃんが快適に過ごせるように、毛球症の予防ができるようにしてあげると良いと思います。
アンダーコートをダウンヘアとオーンヘアの2種類に分けたり、アンダーコートという意味でダウンヘアという言葉を使う人がいたりと、毛の種類についての用語は様々なものが明確な区別なく使われている場合があるようです。