長毛種はシャンプーが必要!!その役割とは?
猫にシャンプーは必要なのでしょうか?これには様々な見解があります。まずは、その見解についていくつかご紹介いたします。
猫にシャンプーは必要ない
猫にシャンプーは不要とされる理由は以下の通りです。
- 猫はセルフグルーミングができる
- 水が苦手
- 飼い主さんにも負担がかかる
- 短毛種は毛球症のリスクが低い
猫といえば、眠っているか毛繕いをしている印象が強いのではないでしょうか?猫は一日の3分の2はうたた寝をして過ごし、残りの時間のほとんどは毛繕いに費やしています。猫がこれ程までに毛繕いにこだわる主な理由は、においを消すためです。
猫は群れをつくらないため、自分の身は自分で守るしかありません。天敵に自分の居場所を悟られないために頻繁ににおいを消す行動を取っているのです。そして結果的にセルフグルーミング(毛繕い)をするおかげで、野生動物的な視点からみてもにおいが消され、人間的な視点からもにおいを感じにくくなるのです。猫と暮らしていると実感が湧くと思いますが、猫はあまり体臭がありません。これは、セルフグルーミングによって被毛を清潔に保っているからです。
短毛種の場合は自分自身で被毛を綺麗にできること、グルーミングによって飲み込んだ被毛が胃腸に詰まる毛球症のリスクが少ないこともあり、シャンプーを無理にする必要はありません。元々猫は水が嫌いな傾向にあり、ストレスになる他、嫌がる猫をお風呂に入れなければならない飼い主さんの負担もなります。
シャンプーが必要な猫もいる
猫種によってはシャンプーを必要とするケースもあります。また、基本的にはシャンプーの必要がない短毛種であっても、シャンプーをすることによるメリットもあります。シャンプーを必要とする猫及びそのメリットは以下の通りです。
- 長毛種の猫
- スフィンクス(猫種)
- 毛繕いでは行き届かない部分の汚れが落とせる
- マッサージ効果により皮膚の血行が良くなる
- 毛球症の予防になる
- 猫アレルギーの予防効果がある
シャンプーを必要とする猫種は、基本的に長毛種全般です。短毛種としては、体毛がほぼ産毛のみであるスフィンクスという猫がシャンプーを必要としています。スフィンクスの場合は、人の皮膚のように被毛が存在していません。よって被毛で皮脂を吸着することができず、体全体がベタベタしてしまいます。そして、この皮脂汚れがソファやベッドなどの家具を汚してしまう原因になります。だから、スフィンクスにおいては週1回はシャンプーをしなければなりません。シャンプーの必要性という観点からいえば、スフィンクスがトップになるでしょう。
そして次に必要としているのが長毛種になります。長毛種の猫は、グルーミングだけでは皮膚に近い汚れが落としきれません。また、熱心にグルーミングをした結果、毛球症になってしまうリスクがあります。毛球症は、重症化すると腸閉塞を引き起こし、命を落とす危険があるほど侮れない病気です。最悪の事態を回避することができたとしても、手術を必要とするケースがあります。そうなってしまえば全身麻酔をかけなければなりません。麻酔には命に関わるリスクを伴います。だから、これらを未然に防ぐために日頃のブラッシングとシャンプーが重要な役割を果たします。
また、シャンプーをしながら皮膚をマッサージすることによって程よい刺激が加わり、血行促進や美しい毛並みや毛艶を保つ効果もあります。長毛種の毛艶をより美しく保つためには、シャンプーだけを熱心にすれば良いというわけではありません。それについては後ほど詳しく説明させていただきます。シャンプーがもたらす効果は、余分な抜け毛を除去すること、毛球症を予防すること、そして猫アレルギーの予防にも役立ちます。
猫アレルギーの予防に繋がる理由は、被毛に付着した埃やダニ、猫の唾液などを除去することができるためです。これらが人間に猫アレルギーを引き起こす原因とされています。よってアレルギーのある方の中でも極軽度な場合は、定期的なシャンプーと日々のブラッシングを徹底することで猫と暮らすことができるケースもあります。この猫アレルギーの予防とマッサージ効果、セルフグルーミングでは行き届かない汚れの除去に関しては、短毛種の猫にも有効です。
幼い頃から水に親しみがあり、好んで入浴したがる猫もいます。短毛種の場合でも、猫自身が望むのであれば1年に数回程度シャンプーをするメリットはあるでしょう。長毛種の場合は、月に1度はシャンプーをすることが好ましい状況です。少々大変ではありますが、愛猫の健康状態を良好に保つために幼い頃から少しずつ水に慣れさせておきましょう。
シャンプーの必要性はケースバイケース
このように、シャンプーが必要かどうかはケースバイケースです。長毛種の猫と暮らしたいと考えている方は、概ねシャンプーを必要としている状況を理解しておきましょう。特に3月頃と11月頃に訪れる換毛期(被毛が生え変わる時期)には大量の被毛が抜け落ちます。
よって、通常よりも毛球症のリスクが高くなります。飼い主さんの手助けによって、愛猫も安心して生活することができます。シャンプーにも様々な種類があるので、中には毛艶を良くするタイプもあります。長毛種の猫におけるシャンプーの重要性は、単に毛艶を良くするためだけではなく、健康的に暮らすためという意味も大きいのです。
自宅とペットサロンどちらがいいの?
猫のシャンプーが可能な場所は、自宅の他にペットサロン、動物病院などがあります。動物病院の場合は、必ずしもトリミングを行っているとは限りません。ホームページで確認したり、直接かかりつけの動物病院に問い合わせてみてください。ここからは長毛種の猫がシャンプーをする際に、それぞれのメリットデメリットについてご紹介いたします。
ペットサロンの場合
ペットサロンでシャンプーをしてもらうメリットは、やはり仕上がりが綺麗であることに他なりません。プロのトリマーさんの手により丁寧に洗髪してもらえるため、手際がよくシャンプーもしっかりと流してもらえます。ドライヤーによる仕上げも、しっかりと乾かしてもらえると同時に、長毛種ならではのモフモフ感をしっかりと出してもらうことが可能です。
デメリットは、費用が高価であることです。長毛種の場合の相場は1万円~1万5千円程度になります。ちなみにサロンでのトリミングには、シャンプーの他にも爪切りや足裏の被毛カット、肛門腺絞りなどがセットとして含まれている場合が多いです。高価ではありますが、自宅ではなかなか行き届かないケアもしてもらうことができます。また、慣れない環境での作業になるのでストレスによる負担はかかってしまいます。
サロンによって、飼い主さんの付き添いが可能なところと不可能なことろがあります。可能なサロンの意見としては、「飼い主さんがいることで安心してトリミングを受けることができる」というのが主なものです。逆に不可としているところは、「飼い主さんも含め、他の猫やスタッフとも極力顔を合わせない形で集中して行うことで効率を上げ、ストレスを軽減させる」という意見があります。ほとんどのサロンが予約制になっているので、システムや印象などは電話で問い合わせることをおすすめします。
メリット・デメリットをともに理解したうえで、まずは飼い主さんが信頼できると思える場所を見つけることが大切です。飼い主さんが安心して預けることができれば愛猫もその安心感が伝わり、徐々に慣れていくことができるでしょう。逆に飼い主さんに強い不安が見られると、その不安が愛猫にも伝わってしまいます。
動物病院の場合
動物病院の場合も、システム的にはペットサロンと同様です。動物病院併設という形でトリミングサロンがあるイメージです。ケアやシャンプーを手がけてくれるのはプロのトリマーさんです。先ほどと同様に素敵な仕上がりが期待できます。また動物病院が併設されているため、同時に医学的な観点から健康チェックを受けることも可能な点はメリットでしょう。
一方、デメリットとしては状況に応じて鎮静剤や軽い麻酔を用いることがあることです。これは事前に血液検査を行い、獣医さんの立ち会いのもとで行われる行為です。一般的な手術における全身麻酔とは異なり、健康な猫であればそれほど心配はいりません。しかし、全くリスクがないわけではないため、こちらもよく説明を受けるとよいでしょう。
さらに、麻酔をかけることが困難な状況(呼吸器疾患など)があればその旨も必ず伝えましょう。高齢の猫や持病がある猫の場合は、トリミングが可能かどうかも含めよく話し合うことが大切になります。費用の面では概ねサロンと同等の金額になります。しかし、鎮静剤や必要に応じて行われたケアによっては別途料金が加算になる可能性があります。
自宅の場合
自宅でシャンプーをする場合は、何よりも信頼関係が築かれた飼い主さんの手によって施されるため、慣れない人によるストレスは軽減されます。デメリットはいくつかあります。主なものは以下の通りです。
- シャンプーのすすぎ残しが出る可能性がある
- 手際が悪く飽きてしまうことがある
- ドライヤーを嫌がり、生乾きになることがある
- 初回で無理をすると継続することが困難になる
自宅で上手にシャンプーをする方法は次の項でご紹介いたします。ここでは、自宅で陥りがちな状況について列挙した項目を元に説明させていただきます。まずはすすぎ残しが出てしまうことです。自分の洗髪をしていても感じることがあるかもしれませんが、シャンプーによっては泡切れが悪く、すすぎきれたのか不安になることがあるでしょう。ましてやそれが自分以外の相手であれば尚更です。慣れない人の洗髪は意外と難しいものです。そして、その相手が水嫌いの猫となればより一層難易度が高くなります。すすぎ残しは皮膚炎になる恐れがあるため、意識してしっかりと流すようにしてください。
そして、シャンプーを実行する前にシャンプーの説明をよく読むことや、手順などを確認してイメージトレーニングを行うことも重要です。最初から完璧にできる人はいません。それでも事前によく確認しておくことで、闇雲にシャンプーを始めてしまうよりは手際がよくなります。手際が悪いと愛猫もうんざりしてしまいます。飽きられないように機嫌をとりながら行いましょう。
初回であまり無理をしてしまうことも禁物です。最初は完璧にこなそうとはせずに、すすぎ残しだけは気をつけるようにしましょう。初回で大きなストレスを与えてしまうと、それ以降はお互いに継続することが困難になる場合があります。長毛種の猫にとってシャンプーは重要です。継続することを目標に少しずつ慣れていきましょう。
さらに濡れた体を乾かす工程も大切です。長毛種の場合は生乾きの状態では、被毛が絡まりやすくなってしまいます。トリマーさんのような美しい仕上がりとはいかずとも、しっかりと乾かすことは怠らないようにしましょう。
シャンプーは猫の体調を考慮して
以上、猫がトリミングを受ける3つのシチュエーションをご紹介いたしました。プロのトリマーさんに依頼する場合は信頼関係を築くこと、些細なことでも気になることがあれば質問し、納得してから依頼するようにしましょう。また、猫の体調や性格なども、事前にしっかりと伝えることを忘れないでください。どの環境を選択すにしても、最も重要なこもは猫の体調を考慮することです。体調不良でトリミングを受けてしまうと、病気が悪化してしまう恐れがあります。必ず体調が万全な状態で行うようにしてください。
シャンプーの方法と種類
自宅でシャンプーをする際は、次のような手順で行いましょう。文章だけでは分かりにくいという方は、ネットで「猫 シャンプー 方法」などと検索してみてください。ここでは、一般的な方法とシャンプーの種類についてご紹介いたします。
トリミングに必要なもの
猫を自宅でケアする際は次のようなものを用意しておきます。
- ブラッシング用のブラシ
- 洗面器
- 泡立ちネット
- 猫用シャンプー
- タオル(体全体が覆えるもの)
- ドライヤー
これらを事前に配置しておくことで、これから説明する各工程をスムーズに進めていくことができます。洗面器は人間用でも構いませんが、体の大きさに合わせて愛猫用の洗面器を用意しておくと活用しやすくなります。泡立ちネットは必須アイテムではありません。ただ、手元にあれば簡単に泡立てることができるので便利です。
事前準備
シャンプーに入る前に、事前に整えておかなければならないことがあります。それは、爪切りとブラッシングです。爪は、万が一暴れてしまった場合に少しでも怪我のリスクを減らすためです。ちなみに爪は飼い主さん自身も切っておきましょう。そして次に、傷がないかを確認します。傷があるとシャンプーが沁みてしまうだけではなく、感染症を起こす恐れがあります。目立った外傷があるときはシャンプー自体を見送りましょう。傷がなければ、ブラッシングです。
シャンプー前の工程で重要なのはこのブラッシングになります。洗い流す前に、ムダ毛や毛玉の除去をしておくと洗髪が楽になります。また、時間の短縮にも繋がるためストレスの軽減になります。ブラッシング方法は、通常の方法で構いません。ここでも、できるだけ手際よく短時間で終了するように心がけましょう。ムダ毛処理が終了したらいよいよシャンプーです。
長毛種のシャンプー方法
ここからは、長毛種の猫のシャンプー方法を箇条書きで説明させていただきます。
- シャワーの設定温度は35~38℃にする
- 丁寧に皮膚まで十分濡らす
- お尻や後ろ足から順に洗う
- しっかりと洗い流す
- リンスを使用する際はここでマッサージをする
- しっかりと洗い流す
シャワーの温度は、人間の体感で少しぬるいと感じる温度が適温です。前もって設定温度を確認しておきましょう。体を濡らす際には、シャワーを体に密着させて音を立てないことを意識しましょう。浴室は音が反響します。人間にとっては慣れた空間であっても、聴覚の優れた猫にとっては音によるストレスがかかりやすい環境だということを意識しましょう。水圧も低めにしましょう。そして、皮膚までしっかりと濡らします。人間の洗髪においても共通していえることですが、しっかり濡らすことでシャンプーが浸透しやすくなります。どうしてもシャワーが苦手という場合は、洗面器に張ったお湯をかけたり、スポンジを活用しながら濡らしていきましょう。
お湯をかける順番は、顔から最も遠いおしり周辺です。猫のシャンプーにおいては全ての工程でこの手順が重要になります。しっかりと濡らした後は、シャンプーで洗っていきます。このとき、シャンプーをどの程度薄めるのか、そのまま使うのかを事前に確認しておくことを忘れずにお願いします。そしてその指示に従って、先ほど同様に顔から最も遠い場所から洗っていきます。洗うといっても人間のようにゴシゴシと勢いよく洗ってはいけません。リンスインシャンプーの場合は、全体にシャンプーを馴染ませたら毛並みに沿ってマッサージをしましょう。このときも強く押すのではなく、指の腹で優しく撫でるようにしましょう。
シャンプーとリンスが別、若しくはトリートメントを活用する際はそちらの工程でマッサージを取り入れます。この場合は、一度シャンプーをしっかりと洗い流してからリンスやトリートメントに移ります。顔は洗わないか、顔用のシャンプーを用いて目に入らないように優しく洗います。全体的に泡が馴染み、洗い終えたらいよいよすすぎの工程です。先にも述べたようにすすぎは重要です。シャンプーやリンスがの被毛に残らないようにしっかりと洗い流します。
ドライケア
洗髪が済んだら、しっかりとドライケアを行います。ここで重要なのはタオルドライです。ドライヤーを使って乾かす工程の準備段階として、まずはしっかりと水分を拭き取ります。このときに耳の中も優しく拭き取りましょう。プロの方は綿棒を活用することがありますが、一般的な飼い主さんは怪我の予防のために綿棒は使用しないでください。
タオルドライをする際は、全体を包むとリラックスできます。イメージ的には、人間の赤ちゃんをお包みで包むような感じです。愛猫の体の大きさを考えて、全体がすっぽりと覆える大きさのタオルを準備しておきましょう。タオルドライを意識的にしておくことで、ドライヤーをかける時間が大幅にカットされます。短毛種の猫であればタオルドライ後、無理にドライヤーを使用せずに自然乾燥でも構いません。しかし、長毛種の場合はドライやーを活用してしっかりと乾かさなければなりません。理由は先にも説明しましたが、長毛種ならではのトラブルである毛玉や被毛の絡まりを防ぐためです。
ドライヤーは、家庭にあるもので構いません。人間用よほとんどは手持ちタイプでしょう。そこでエプロンを活用し、ドライヤーを中から通してペットの部分を胸元に引っ掛けると両手が空く状態になり便利です。乾かし方は、根元の水分を飛ばすためにブラシを使い、毛を起こすようにブラッシングしていきます。ドライヤーは30cm以上離してください。これも、やはり顔から最も遠い場所から順に乾かしていきます。全体的によく乾いたら終了です。
シャンプーの種類
猫を洗髪する際は必ず猫用のシャンプーを使いましょう。人間用ではpH値や成分が大きく異なるため、たとえよく薄めたとしても代用には不向きです。猫用のシャンプーには主に次のような種類があります。
- 洗い流さないタイプ
- 洗い流すタイプ
- リンスインシャンプー
- トリートメント
- 低刺激(子猫用)
- 顔周り用
- 皮膚ケア用
- ブラッシングトリートメント
- 清潔シートなど
洗い流すタイプのシャンプーは、方法の説明で登場した形式のものになります。一口に洗い流すシャンプーといっても様々な種類があります。愛猫の皮膚の状態や相性に合わせて選択してください。尚、低刺激シャンプーは子猫用と記載されていると思いますが、成猫でも使用可能です。通常の猫用シャンプーが適さないと感じた場合は、子猫用の低刺激タイプを活用してみてください。
また、顔周り用も全身に使うことができます。こちらも低刺激タイプと同様です。日頃のブラッシングにはブラッシングトリートメントが便利です。こちらはトリートメントですが、洗い流す必要はありません。使用する際は、ブラシ本体に吹きかけることをおすすめします。細かい粒子が飛散するため、顔から離れた位置で噴射しましょう。トリートメントを活用することで櫛通りが良くなり、スムーズにブラッシングが進みます。また、毛艶もよくなります。トリートメントを活用しない場合は、ブラッシング後にシートタイプのシャンプータオルを活用することもおすすめです。短毛種であればシャンプー代わりにもなります。
一方洗い流さないタイプのシャンプーは、その名の通り洗いやすすぎという工程を一切必要としません。泡タイプや粉タイプがありますが、泡タイプのほうが手軽に使用できます。説明では泡タイプを基準にさせていただきます。
タオルにシャンプーを乗せ、体全体をシャンプー次のタオルで拭き取っていきます。足裏やおしり周りの汚れが気になる場合はそちらのケアも行いましょう。これは洗い流さないことを前提にしているので、シャンプー後にグルーミングを行っても大丈夫です。このタイプは、シャンプー慣れしていない子猫の練習用や、体力的に入浴が困難な高齢の猫におすすめです。冬場は静電気の予防にも役立つます。ちなみに高齢の猫のお口周りのケアにも活用することができます。
シャンプー慣れさせるためには?
シャンプー慣れさせるためには、幼い頃から水に慣れさせておくことが大切です。敢えて濡れた手で触れることから始め、徐々に水と触れ合う習慣を作っていきましょう。洗面所や浴室で、シャワーの音に慣れさせておくこともポイントになります。そして飼い主さん自身も事前準備を徹底し、よくシミュレーションをしておくとよいでしょう。
シャンプー以外で毛艶を保つ方法
長毛種の猫にとって、シャンプーは健康面の維持という意味合いでとても重要なものでした。さらに定期的にシャンプーをしておくと、毛並みや毛艶を保つことにもつながります。ただし、これらはシャンプーだけでは不十分です。シャンプー以外にも日頃の生活の中で、毛艶を保つためには大切なことがあります。それは、主に次の2つです。
栄養のある食事
人間も健康維持のための基本は食事です。猫にとっても食事は重要です。愛猫が必要としている栄養をしっかりと摂取できる食事内容かどうか見直してみましょう。ここで大切なのは次のような事柄です。
- 基本は「総合栄養食」
- 人間の食べ物は食べさせない
- 間食はほどほどに
持病があり、療法食を必要としている場合は獣医さんの指導の元、療法食を食べることが基本です。その他の健康的な猫の場合は、主食となる総合栄養食を目安量を守って食べさせるようにしましょう。中には毛艶を良くするタイプの食事もあります。これは、食事療法を必要としていない猫の場合は活用することができます。先にも述べたように療法食の指示がある場合は必ず療法食を食べさせます。もし、毛艶を良くしたいという要望があれば、獣医さんに相談してみましょう。
そして、人間の食べ物は基本的に食べさせてはいけません。食材によっては猫でも食べられるものも存在します。しかし、体質によっては体調不良の原因になることや、猫自身で食べて良いもの悪いものの区別がつかないことを考慮すると、食べさせないことがベターです。
また、間食もできるだけ控えましょう。特別な日や、シャンプー後のご褒美など、愛猫が嬉しくなるような場面で上手に活用しましょう。体の内側が健康的であると、自ずと毛並みや艶に影響を与えます。まずは日頃の食生活を大切にしましょう。
ブラッシング
長毛種の場合、一日一度は最低でもブラッシングが必要です。毛質によっては2回ほどブラッシングすることをおすすめします。ブラッシングには次のような効果があります。
- 毛玉の予防
- 毛球症の予防
- 血行促進
- ヘルスチェック
ブラッシングにおける毛並みや毛艶を保つための役割は、主に血行促進です。これは食事と逆に、外側から適度に刺激を加えることによって美しさを保つ方法になります。また、ブラッシングを通して皮膚に異常がないか、触れることで極端に嫌がる部分がないかなどをチェックすることも大切です。
以上のように、体の内外から健康的になることで、自然と毛並みや毛艶の良い美しい長毛種の猫になることができます。日頃から気を配っているのにも関わらず、毛並みや毛艶が極端に悪い場合は体調不良であるケースもあります。食欲はあるか、元気にしているかなどをはじめとし、気になる症状がないかを気にしてみましょう。もしも異変を感じたら、動物病院を受診しましょう。
まとめ
今日のねこちゃんより:ルナ / ♀ / 1歳 / ノルウェージャンフォレストキャット / 4.3kg
長毛種の猫にとって、その美しい毛並みや毛艶は健康のバロメーターです。日頃からケアをすることも大切ですが、それと同様によく観察することも重要になります。飼い主さんが一生懸命ケアをしても艶がない、毛並みがイマイチなどというお悩みがあれば、多方面からその原因を探るようにしましょう。
また、通常の猫は体臭がほとんどありません。これは被毛が密集している長毛種も、シンプルな被毛の短毛種も共通していえることです。定期的にシャンプーをしても体臭が目立つ場合は、皮膚にトラブルであるか、体の内部の病気が疑われます。何か異変を感じたら早めに病院を受診しましょう。
猫の被毛が最も美しくなるのは冬場です。この時期は長毛種の魅力が最大限に引き出されます。日頃からブラッシングをし、定期的にシャンプーをして毛並みや毛艶を維持するように心がけましょう。