猫と主従関係
猫に主従関係は存在するのでしょうか?
そもそも概念がない
ある獣医師によると、そもそも猫には「主従関係」の概念がないと言うことです。飼い主さんが「主」で、猫自身が「従」とは端から思っていなく、そんなことは考えたこともないのです。ですから、猫を従わせようとしても、徒労に終わってしまうでしょう。
相手と対等な関係を築く
主従関係がない代わり、猫は相手と対等な関係を築きます。相手が猫でも犬でも人間でも、猫が取る態度はあまり変わりません。人間のことを大きな猫だと思っているという説もあります。猫には生き物の種族など、それほど関係がないのかもしれません。
飼い主さんは母猫代わり
飼い主さんに「にゃ~」と鳴いて甘えるのは、母猫代わりだと思っているようです。通常、成猫同士で鳴き声を使ってコミュニケーションを取ることはほぼありません。強いて言えば、喧嘩のときくらいでしょうか。
喧嘩以外で猫が鳴き声を使うのは、子猫が母猫に何かを伝えたいときです。このことから、飼い主さんに対して「にゃ~」と鳴いて要求をするのは、母猫だと思っているから、と推測できます!
ボス猫はいるらしい
主従関係はないと考えられる猫ですが、周囲から一目置かれる「ボス猫」は存在するようです。とはいえ、ボス猫の言うことは絶対のような感じではなく、ふだんは美味しいモノを優先的に食べられるとか、心地よい場所で寝られるとかの特権はあるものの、いざと言うときは体を張ってナワバリを守ります。
猫を正しくしつける方法
1.叱るのは無意味
基本的に猫を叱ってもなぜか分からず、ただ恐怖心だけを植え付けてしまうと言います。もし叱るとしたら、やってはいけないことをした瞬間に、「コラ!」や「ダメ」などの短い言葉で注意しましょう。
叩く、閉じ込めるなどの体罰は厳禁です。猫からすると、ただ飼い主さんに怖い目に遭わされたと思うだけで、信頼関係にヒビが入る可能性があります。
2.できないように工夫を
猫をしつけるのは、かなり大変だと思っておきましょう。ですから、猫がその行動をできないように工夫する方が近道です。例えば、入ってほしくない場所には柵を設ける、爪とぎしてほしくない場所に障害物を置くなどです。
どうすれば猫が困った行動を取れなくなるのか考えましょう。もちろん、猫に負担をかける方法は避けるようにしてください。
3.褒め称える
飼い主さんが望む行動を猫が取ったときは褒め称えましょう。登ってほしくない場所に登らなかったとき、爪とぎしてはいけない場所で爪とぎしなかった場合などです。おやつを与えても良いのですが、肥満には要注意です。
4.天罰方式
猫がしてはいけないことをしたとき、猫にバレないように大きな音を立てたり、霧吹きで軽く水をかけたり、天罰が下ったかのようにする方法も。飼い主さんがやっていると分かると、信頼関係が崩れる可能性がありますのでご注意を。霧吹きを使う時はなるべく遠い場所からふんわりかかる程度にするようにしましょう。
「これをやると嫌なことが起きる」と猫が覚えれば、自然としなくなることが期待できます。根気が必要になる場合も多いので、焦らずじっくりと取り組みましょう。
5.おやつで芸を覚えさせる?
おやつやクリッカー(カチッと音がするトレーニング器具)を使い、猫に芸を覚えさせることもできます。クリッカーは数百円で購入できますので、手軽に始められます。おやつは肥満防止のため、1個が小さなものを選びましょう。
クリッカートレーニングは多少の手間はかかりますが、猫にとって良い刺激となり、飼い主さんも猫を扱いやすくなる、というメリットがあります。トレーニングの方法はネット上に多く出ていますので、トライしてみてください。
まとめ
猫の場合、猫が「主」、飼い主さんが「従」な気がするのは筆者だけでしょうか?幸い猫に主従関係という意識はないようなので、猫に絶対服従はしなくて良さそうですが。
もちろん服従したい場合はあえて止めません。猫と対等な関係を築くのも、尻に引かれるのも、どちらを選ぶかは飼い主さん次第なのでしょう。