飼い主の肩に乗りスキーで一緒に滑り下りる猫
近年、カナダで飼い主とともにウィンタースポーツを楽しむ「アウトドア猫」がSNSで人気を集めています。
7歳になる元保護猫のゲイリーは飼い主のジェームズ・イースタムさんとともに、ロッキー山脈でスキーやハイキング、パドリングなどを楽しむ超アクティブ猫。
アウトドアを楽しむ彼の姿はSNSでも注目を集め、フォロワー数は40万以上。有名な米国のニュース雑誌タイム誌でも取り上げられたことがあります。
とはいえ、もちろんゲイリーの目当ては名声やフォロワー数などではなく、純粋にアウトドアを満喫することです。十分な時間外へ出してあげないと、彼はドアの前に座り込み大声で鳴いて飼い主に訴えるのです。
子供のころから出たがり
ゲイリーは、子猫の頃に動物保護団体「Calgary Humane Society」から引き取られました。
幼い頃からやたらとアパートの外へ出たがる猫だったため、飼い主のイースタムさんはゲイリーにリードを付けキャンモアの自宅周辺を散歩することにします。
当時、イースタムさんはキャンモアに越してきたばかりで仕事を探していましたが、その後コミュニケーション・PRの仕事に就き、自分の猫の姿もインターネットに投稿してみようと考えました。
愛猫と一緒にアウトドアを満喫する飼い主
やがてイースタムさんは、ゲイリーを連れて山へハイキングへ行くようになります。SNSでゲイリーの人気に火が付いたのは、その後2019年に山で吹雪に遭遇した時でした。
一面が大雪に覆われスキーでなければどこへも行けない状況となり、イースタムさんはゲイリーを連れてスキーで散歩に出かけたのです。
彼はゲイリーを肩に乗せて小さな丘を滑り降りる動画を撮影し、「これが本当のキャットスキーだね」とコメントを付けて投稿。
すると、地元のキャットスキー場から「実際にキャットスキーをしてみませんか?」とメッセージが届きました。
以来、ゲイリーとイースタムさんは冬になるとロッキー山脈のあちこちのスキー場を訪れ、さらに夏にはハイキング道を散策しています。
これまでに最長で、カナダのオハラ湖に近いオパビンプラトーを37kmも歩いたことがあるそうです。
その際はイースタムさんがほぼずっとゲイリーを抱えて歩きましたが、ゲイリーは500mから4km程度であれば一緒に歩くことができます。
実は股関節に問題あり
ゲイリーがあまりに元気なため、たいていの人は彼が股関節に問題を抱えていることに気がつきません。
ゲイリーは幼い頃に保護されたとき大腿骨頭が折れており、すぐに手術をしたものの現在も彼の「肢」は、関節ではなく腱と筋肉のみでつながった状態です。
このため、ゲイリーは他の猫ほど高くジャンプすることができず歩くときにも若干ふらつきますが、それ以外はまったく問題ありません。
雪も寒空もまったく平気なアクティブ猫
一方で、中には寒空の下にいるゲイリーの体調を心配する人もいます。
イースタムさんによるとゲイリーは寒い気候はまったく平気で、冬場はゲイリー自身の被毛で体温を保つことができます。さらに、ゲイリーのために見つけた小型犬用のジャケットも着ているため安心だそうです。
逆にゲイリーは被毛が濃いため夏場の方が注意が必要で、気温が18~20度以上ある場合は連れ出さないようにしています。
なお、現在ゲイリーとイースタムさんは、アウトドアブランドとの広告契約などでいくらか収入を得ているそうです。
ですがイースタムさんとしては、ロッキー山脈の素晴らしい景色を背景に可愛い愛猫の姿を紹介し、それを見た誰かが笑顔になってくれれば満足だそうです。