コロナ渦の人々をSNSで繋いだ元保護猫|大人気にあやかりオリジナルビール発売!

誰にでも気軽についていく超フレンドリー猫が町の人気者に

カナダのニューブランズウィック州サックビルでは地元のブルワリー(ビール醸造所)が、近所で有名な猫「ドナルド」の人気を記念してオリジナルビールを発売しました。

ドナルドは、サックビルに住むトバイアス・ポールさんが2021年6月に動物虐待防止協会から引き取った猫。ポールさんは引き取ってすぐにドナルドが、並外れてフレンドリーであることに気づきます。

ポールさんがドナルドを連れて近所に散歩に行くと、彼はまるで犬のようにポールさんの後をついて歩きます。

またドナルドは飼い主だけではなく、誰でも自分が見つけた人の後をついていき自宅まで入り込もうとするそうです。

小さなコミュニティでは、そんなドナルドの行動がすぐに話題に上り始めました。

SNSで目撃情報専用グループが立ち上がる

ポールさんはサックビルの中心に住んでおり繁華街や大学がすぐ近くにあるため、ドナルドは様々な人を見つけては後をついていきます。

やがてサックビルの住民はドナルドが迷い猫ではないかと、心配してSNSに投稿するようになりました。

そのような中、ジャン・ポール・ラボワさんという方がドナルドが頻繁にSNSに投稿されていることに気づき、ドナルドの「目撃情報専用」のフェイスブックグループを立ち上げます。

フェイスブックグループはすぐに話題となり、立ち上げてから24時間で250人ほどのメンバーが集合。現在では、800人近いメンバーがいるそうです。

ドナルドがコミュニティにもたらした平和と一体感

ラボワさんは新型コロナのパンデミックにより憔悴。色々な問題で分断していたオンラインコミュニティが、ドナルドの存在によって再び一つになった気がしたそうです。

フェイスブックグループのメンバーのひとりであるモリー・トムリクさんは、

「ドナルドは単なる猫というだけでなく、他にもいろいろなことを象徴していますよね?自由な感覚や一体感、オープンな心や勇敢さ。彼は誰でも自分の友達だと思っていて、どこでも自分の家だと思っているでしょう」とコメントを投稿しています。

冗談から実現した「ドナルド記念ビール」

一方、アンソニー・マッダレーナさんが所有する地元サックビルの小さなブルワリー「Bagtown Brewing Company」。

その得意客であるラボワさんは、フェイスブックグループのメンバーが急激に増えているのを見て、冗談交じりにドナルドを記念したビールを発売することを提案します。

「メンバーが500人もいればドナルドのためにビールを発売できるのではないか」と、笑いながら話していたそうです。

ところが、フェイスブックグループのメンバーは瞬く間に500人に達してしまいました。

そこでマッダレーナさんはこのアイディアを実現すべく、ドナルドの名前を冠した「ミルクスタウト」を発売します。

このビールは2021年12月2日に発売されましたが、マッダレーナさんは「週末には在庫がなくなる」と予想するほど、現在の売れ行きは上々です。

地元住民の心をひとつにしてくれたドナルド。このビールのおかげでさらに住民の絆が深まりそうですね。