動物に対する不当な扱いを抑制するための新たな動物愛護法案とは
11月18日、フランス上院では動物に対する不当な扱いを抑制することを目的とした新たな動物愛護法の改正案がほぼ満場一致で可決されました。
これにより、2024年からはフランス国内のペット店やオンラインでの犬猫の販売が禁じられます。
さらに、この新法案では主に以下のような項目が定められています。
- サーカスやイルカ水族館などでの動物の使用を徐々に禁止すること
- 新たにペットを飼う者は、ペットに対する責任や必要な費用などを理解していることを示す証明書に署名すること
- 動物を捨てた場合にはより厳しい罰則(懲役、罰金など)を科すこと
- ミンク農場を閉鎖すること
ペット飼育に伴う責任を理解させペットの衝動買いを抑制するための施策
データによると、フランスでは国民の半数がペットを飼っており、これには猫1100万頭、犬900万頭、馬100万頭が含まれます。
それでも毎年10万頭の動物が捨てられているのが現状です。
今回の改正法案では、新たにペットを飼う際にペット飼育に伴う責任を理解していることを確認する証明書への署名が義務付けられます。
この証明書の目的は、新たにペットを飼う人に食費や医療費、しつけなどペット飼育に必要なものや費用について理解させることでペットの衝動買いを防止し、これによりペットの遺棄を抑制することです。
また、2024年からはペットショップやオンラインでの犬猫の販売が禁止され、捨てられた犬や猫のみ正式な組織を通じて展示することが認められるとともに、純粋種のブリーダーのみ特定のオンラインプラットホームを介しての販売が認められます。
その他にも、脊椎動物を郵便で送付することが禁じられ、不当な扱いにより動物を死亡させた場合は最長5年の懲役と最高75000ユーロの罰金が課されるとのこと。
動物に対し残酷な虐待を行った場合も3年の懲役と45000ユーロの罰金が課される可能性があります。
動物保護に関する法律が整った近隣ヨーロッパ諸国にようやく追いつく
議会議員である獣医師のロイク・ダンブリーバル氏は、この改正法によりフランスはようやく動物保護の法律に関して近隣のヨーロッパ諸国に追いつくことができると言っています。
また、同法案は多くの動物福祉団体からも支持されているそうです。
日本から見ると今回のフランスの改正法はとても進んだ法律に思えますが、これでようやく他のヨーロッパ諸国に追いつくレベルとのこと。ヨーロッパでは動物保護の体制がいかに整っているかが窺われますね。