子猫の鳴き声
9月のある金曜の朝、学生2人が自分たちの部屋のどこかから子猫の鳴き声がすることに気づきました。
しかし、どこから鳴き声が聞こえてくるのか分からなかったため、2カ月ほど前に保護猫を迎え入れた際に利用した猫の保護団体Desert Cat Rescue & Sanctuary of Arizonaに相談します。
連絡を受けて駆け付けたDesert Cat Rescueのシェリル・クリステンセンさんは、壁の奥から聞こえる子猫の鳴き声を確認したものの、正確な場所が特定できなかったため、消防署に助けを求めました。
捜索開始
直ちに現場に到着した消防隊員が猫の捜索を開始すると、隊員のひとりが屋根の換気口から鳴き声がすることに気づきました。
さらに隣の空き家の裏庭に、小さな子猫がちょうど入り込めそうなサイズの口の開いた配管パイプがあるのを発見し、今度は配管会社の3G Plumbingに連絡し猫の救出を手伝ってもらうことになりました。
発見
3G Plumbingのスタッフがパイプに配管カメラを挿入すると、約1.5m地下にあるパイプ内で身動きが取れなくなっている子猫が発見されました。しかも、約4.5m先には市の主要下水路があるためそのまま進むと下水に流されてしまう恐れがあります。
そこは子猫が自力で脱出できるような場所ではなく、早急に助け出さなければならない危険な状況です。
救出開始
3G Plumbingのスタッフは、子猫が下水路の方へ行かないよう電動式の配管スネークを使って下水路への出口を塞ぎ、さらにスネークカメラを使って猫を家の方へ押し戻そうと試みます。
一方、消防隊員は地下パイプから救出する際の出口を作るためトイレの便器を取り外しました。
子猫はかなり憔悴していたたため、作業は慎重に行わなければなりません。
こうしてゆっくりと粘り強く作業した末に、夜の11時過ぎ、ようやく無事に子猫が救出されました。
Desert Cat Rescueのクリステンセンさんは、決して子猫の救出をあきらめずに作業を続行し、信じられないほど尽力した消防隊員と配管工たちを称賛しています。
保護
子猫は救出されたのが夜遅く、Desert Cat Rescueではすぐに里親を手配することができなかったため、その場で保護を申し出た3G Plumbingのクリスさんが子猫の面倒を見ることになりました。
クリスさんは翌朝すぐに子猫を救急の動物病院へ連れて行き、抗生物質を受け取りましたがそれ以外は特に健康に問題はなかったとのこと。
また、彼は子猫を「グレムリン」と名付け、保護施設でのワクチン注射と去勢手術が終わり次第正式に里親となる予定です。
今回は鳴き声を聞いた学生2人の気転のおかげで無事に子猫を救うことができました。
Desert Cat Rescueのクリステンセンさんは、どこかで小さな鳴き声が聞こえたら必ず助けてくれる人がいるはずなので、遠慮なく誰かに助けを求めるよう訴えています。