「ツシマヤマネコを守る会」が保護区で植樹活動開始!種の存続のため生息環境改善を目指す

ツシマヤマネコの保護区で植樹活動を開始

現在、長崎県の対馬地方に推定90~100頭が生息するとされる、絶滅危惧種であり国の天然記念物でもある「ツシマヤマネコ」。

長崎県対馬市を拠点に、このツシマヤマネコの保護活動を長年行っている「ツシマヤマネコを守る会」は、2022年3月よりツシマヤマネコの生息環境の改善を目的に、独自に設置した保護区にて常緑樹の植樹活動を開始します。

今後は、丈夫で育ちやすいとされるヒノキ科のカイヅカイブキ、そしてレンプクソウ科のサンゴジュを含む常緑樹400本を主に保護地区の海岸沿いに植える予定。

これにより潮風から植物を守り、ツシマヤマネコの生息場所やえさ場などの保全を図るそうです。

食害や塩害による植生の後退が深刻化

守る会が設置したツシマヤマネコ保護区は、対馬北西部にある上県町佐護地区の75ヘクタールほどの山林。

同会は10年ほどかけて会費や補助金、寄付金などの協力を集め、民間からこの土地を買い取りました。

そのうえで、ヤマネコのための水飲み場などを作り保護に取り組んできたそうです。

ところが最近では、シカやイノシシに食べ物を食い荒らされたり、土壌中の塩分により植物が枯れるということが続いてきました。

それと同時にツシマヤマネコの生息場所も減少し、さらに獲物となる小動物が激減しています。

メンテナンス費用のためクラウドファンディンを開始

守る会は、2021年10月から11月にかけてクラウドファンディングを開始。

そこで集めた寄付金約500万円を、植樹にかかる諸費用や、植樹後の水やり等のメンテナンス費用に充てるそうです。

ツシマヤマネコはもちろんのこと、自然環境そのものの改善につながる植樹活動。

守る会の羽根佳雄理事は「こうした活動が対馬島全体に広がってくれれば」と、抱負を語りました。