オーストラリアのメルボルン近郊にある都市シティオブノックスでは、飼い猫を24時間外出禁止とする条例が成立し、物議を醸していました。
この条例により、飼い猫は常に飼い主の家の敷地内のみに行動が制限されます。
リサ・クーパー市長の声明によると、この条例は猫の病気や怪我を防ぐとともに野生動物を守り、さらに近所の住民に迷惑などがかからないようにするためのものであるとのこと。
さらに「飼育動物管理計画2017-2020」の調査によると、住民の約85%はこの条例に賛成しているとされています。
条例違反者には罰金
この条例に違反した場合、初回であれば半年の警告期間後に罰金91ドル、さらに繰り返し違反した場合は最高で罰金545ドルが科されるそうです。
これまで屋外で遊ばせたりのんびりさせたりすることに慣れていた猫の飼い主たちは、この新たな条例に戸惑いや怒りを隠せません。
管理計画の見直しを求める嘆願書には2369人から署名が集まり、猫の福祉や基本的な権利について配慮を求める声が高まっていました。
こうした抗議の声を受けて、市議会は当初10月1日としていた条例の施行日を6カ月延期して、2022年4月10日を新たな施行日としています。
市の見解
市の公式ニュースで発表されたクーパー市長のコメントによると、さらに6カ月間の猶予を設けることにより、猫の飼い主が敷地の境に脱走防止用のフェンスを設置したり、猫が家の中でも安全に楽しく過ごせるよう何かしら対策を講じたりすることができるようにしたとのこと。
また、これまで屋外で過ごすことに慣れ親しんできて、今後は自宅の敷地内のみで行動することに慣れなければならない高齢の猫にとっても、この6カ月の猶予が役に立つのではないかと言っています。
6カ月間の猶予期間はあるものの、今まで屋外での自由を満喫してきた猫にとって大きな変化であることに違いはありません。
猫への負担は最小限に、できるだけスムーズに新しい習慣が定着するとよいですね。