癒しの秘密は幸せホルモン!?
我々人間は、日々ストレスと向き合いながら生活しています。ときにはネガティブな感情を抱くこともあるでしょう。心身ともに疲弊している中で猫を撫でると、不思議と前向きになり、疲れや悩みが解消されたという経験はないでしょうか。これは単に猫が好きだからではなく、あるホルモンが関係している可能性があります。それはオキシトシンです。
オキシトシンとは
オキシトシンは、脳内で分泌されると幸福感を得られることから「幸せホルモン」と呼ばれています。柔らかいものや人肌程度のあたたかいものに触れると、オキシトシンの分泌が促進されます。よって猫を撫でると、オキシトシンの分泌が促され癒しを感じることができるのです。
そして、この効果は人間だけに現れるものではありません。大好きな飼い主さんに撫でられることで、猫にも同様の効果があるといわれています。「幸せホルモン」は人と猫の両方を癒してくれる力を秘めています。
オキシトシンの効果
オキシトシンには、幸福感を得られること以外にも次のような効果があります。
- ストレスの緩和
- 不安や恐怖心の軽減
- 社交性を高める
- 他者への信頼関心を高める
- 学習意欲や記憶力の向上
- 心機能を高める
- 感染症予防など
オキシトシンには、神経伝達物質の一種である「セロトニン」や「ドーパミン」の分泌を促すはたらきがあります。セロトニンは気分を落ち着かせる作用があり、ドーパミンには多幸感を得られる作用があります。これらの物質は、ストレス社会を生きる我々人間にとっては重要な役割を果たします。
まず、ストレスは万病の元です。しかし、残念ながらストレスを完全に除去することはできません。どう向き合い、いかなる手段で解消するかというスキルが求められます。オキシトシンはいわばその手助けをしてくれる物質になります。
人と猫が「幸せホルモン」を分泌させるには?
「幸せホルモン」が持つ癒しの効果については、以上で説明した通りです。ではどのように触れあえば、より効果的に力を引き出すことができるのでしょうか。人と猫がお互いにオキシトシンを分泌させる効果的な方法をいくつかご紹介いたします。
撫でる・マッサージをする
ただ、撫でているだけでも効果が得られます。さらに、身を委ねてくれる猫に対しては、マッサージしてあげることも効果的な触れ合いです。耳の後ろや顎を優しく撫でてあげましょう。こうすることで、人も猫も、お互いにオキシトシンの分泌を促進させることができます。
ゴロゴロ音を楽しむ
猫が喉を鳴らす、通称「ゴロゴロ音」という独特の音。これは「副作用のない薬」と呼ばれ、猫自身の治癒力を高めたり、骨密度を上げるはたらきをします。大好きな飼い主さんに撫でられて、嬉しいと感じているときにこの音を発します。それ以外にも理由は存在しますが、ここでは割愛します
また、このゴロゴロ音は人間にも効果があります。この音を聞くことで、副交感神経が優位になり、リラックスした状態になるのです。そして、この状態は血圧を下げるはたらきをします。ゴロゴロ音には、人も猫も健康的な状態を引き出す作用を持つのです。
信頼関係を築く
人は時に、無力感に苛まれることがあります。「自分は必要とされていない」「無力な存在」とネガティブな感情を抱いてしまうことは、誰でも一度くらいは経験があることでしょう。そこで猫という存在は、ときに人を変えることがあります。
自分よりも遥かに小さな猫の世話をすることで、「自分は今、このこに必要とされている」や「このこのためにも元気になろう」と前向きに考えられるようになります。そして、猫も身の回りの世話をしてくれる人間に対しては、強い信頼感を寄せてくれます。
種こそ異なる者同士ですが、ときにはその強い信頼関係が幸せへと繋がる大きな存在となるのです。
まとめ
今日のねこちゃんより:染五郎 / ♂ / ロシアンブルー / 0kg
今回は、「幸せホルモン」について紹介させていただきました。猫はただ可愛いだけではなく、触れ合うことで、お互いに幸せになれることがわかりました。とはいえ、猫とは一緒に暮らすことが出来ない方もいらっしゃることでしょう。
その場合、個人的には保護猫カフェに足を運ぶことがオススメです。保護猫カフェには、人の愛情を必要としている猫たちがたくさんいます。実際に里親になることが困難であっても、足を運ぶお客さんからの収入は猫たちの役に立ちます。
お互いに癒され、オキシトシンを分泌させるには効果的な環境だと思います。既に猫と暮らしている方は、「幸せ」という感覚を少し意識しながら、猫と触れ合うと面白いかもしれません。