「猫種」の読み方は「ねこしゅ?びょうしゅ?」成猫・愛猫の読み方は?

「猫種」の読み方は「ねこしゅ?びょうしゅ?」成猫・愛猫の読み方は?

正しく読めているようで実は勘違いしやすい「猫種」の読み方について解説します。なかなか人には聞けない、「愛猫」「成猫」などの「猫」が関係する言葉の読みや意味についてもまとめました。

「猫種」の正しい読み方は「びょうしゅ」

横を向く3匹の猫

「猫」という漢字には、「ねこ」という読みの他に「ビョウ」「ミョウ」という読み方もあります。漢字には、昔の中国の発音が元になっている音読みと漢字が持つ意味合いを日本語に訳した訓読みがあり、「ねこ」は訓読みで「ビョウ」「ミョウ」は音読みです。

「猫」という漢字が使われている熟語の1つである「猫種」という言葉は、よく「ねこしゅ」と間違われてしまいますが、正しくは「びょうしゅ」であり音読みとなります。

文章では目にする機会の多い言葉ですが、あまり口頭で使われないためか読み方まで知っている人は少ないので、この機会にぜひ学んでおきましょう。ここからは、猫好きならば知っておきたい「猫」に関連する漢字の読みについて紹介します。

猫に関連する漢字の読み方

見上げる猫

猫は昔から人間の身近にいた存在で、「猫」に関連する漢字や慣用句などにはたくさんの種類があります。「猫なで声」「猫の手も借りたい」「猫背」などの言葉は一度は耳にしたことがあるでしょう。

これらの言葉は漢字をそのまま「ねこ」と読みますが、愛猫・成猫・猫額など「猫」を「ビョウ」と読む熟語もあります。

「ビョウ」と読む言葉は案外私たちの身近にもあり、愛猫・成猫・老猫はネット上の記事や雑誌、猫のフードの表示と、案外目にする機会が多いものです。

一方、猫額・怪猫・霊猫という熟語や「ミョウ」と読む漢字が入る言葉はなかなか目にしませんが、知っておくとスムーズに読めるようになりますよ。

今回は「ビョウ」「ミョウ」と読む漢字がつく熟語について、読み方・意味・例文を紹介します。この他にも「ビョウ」がつく熟語や「ミョウ」がつく熟語も存在しますので、気になる方は調べてみてくださいね。

愛猫(あいびょう)

可愛がって大切にしている猫。猫を可愛がること。

例文:愛猫の寝顔が可愛い。

「猫」を「ビョウ」と読む熟語の中でよく使われる言葉ですよね。文章で見かけると「あいねこ」と読んでしまっていた方も多いのではないでしょうか?使用頻度も高く、愛猫家として読み方は覚えておきたい熟語です。

成猫(せいびょう)

生後1年〜1年半が経過し成熟した猫のこと。子猫と対比される言葉。

例文:成猫になると子猫の頃より穏やかになる。

愛猫と並んでよく使用されるのが「成猫(せいびょう)」で、猫のライフステージを表す言葉です。子猫(こねこ)と同じように「せいねこ」と読んでしまいがちなので、正しい読み方を覚えましょう。

老猫(ろうびょう)

10歳ごろからの年老いた猫のこと。

例文:老猫になると筋肉や関節が衰える。

成猫と同じく年代を表す言葉。高齢猫やシニア猫と読み替えができるため成猫と比べると目にする頻度は低めですが、知識として知っておくと良いですよ。

猫額(びょうがく)

猫のひたい。また、そのように狭いこと。

例文:猫の額ほどしかない庭。

狭い場所や土地を表すのに使われる慣用句です。確かに猫の額は狭いですし、昔の人の着眼点と表現力には驚かされますね。

怪猫(かいびょう)

妖力を持った猫。ばけねこ。

例文:人に化けることができる怪猫が主人公の漫画が人気だ。

怪猫はめったに目にしない言葉ではあるのですが、小説などで用いられることがあります。夜行性で目が光る様子や静かに移動するさま、爪の鋭さなどから妖怪視されてしまい、今でも伝承として残っているのです。

霊猫(れいびょう)

霊妙で不思議な猫。ジャコウネコの異名。

例文:コピ・ルアクというコーヒーは霊猫の糞から採った未消化の豆で作られる。

霊猫は「ジャコウネコ(麝香猫)」という、猫よりはイタチやタヌキに似ている哺乳類の別名です。 例文にもあるとおり、インドネシアではコピ・ルアク(コピ→珈琲、ルアク→ジャコウネコの意)というコーヒーがあり、1匹あたり1日3gほどしか豆を採取できない高級品だそう。バニラのような香りが立ちます。

窮鼠噛猫(きゅうそごうびょう)

絶対絶命の窮地に陥った時、弱い者でも強い者に逆襲するという例え。

例文:口喧嘩ではいつも負けていた弟が、窮鼠噛猫、私を見事に論破して、何も言い返せなくなってしまいました。

「窮鼠猫を噛む」の表現で広く知られることわざです。四字熟語の形で用いることはほとんどありませんが、覚えておいて損はない言葉です。

照猫画虎(しょうびょうがこ)

物事の本質を理解しないまま、見よう見まねで形だけ模倣すること。

例文:工程の意味や背景を考えようとせず、照猫画虎のように表面的な事だけしか真似してこなかったので、考えが浅いと言われてしまった。

訓読みにすると、「猫に照らして虎を描く」ということわざになります。虎の絵を描くために、虎と外見が似ている猫をお手本とするさまを例えた言葉です。

猫鼠同眠(びょうそどうみん)

悪事を取り締まる立場の人と悪事を働く人がなれあうこと。

例文:窃盗犯と警察が猫鼠同眠して、犯行を隠蔽してしまった。

力の差がある猫と鼠が共に眠るところから来た言葉です。上司と部下や政治家と企業などが結託して悪いことをしてしまうのも当てはまります。

斑猫(はんみょう)

ハンミョウ科の甲虫を総合して指す言葉。体長2〜3センチほどの虫で、果物のような独特の芳香を放つ。

例文:公園で色鮮やかな斑猫を見つけた。

斑猫には、豆斑猫や土斑猫、青斑猫など複数の種類がいます。中でも、土斑猫は人体に有毒な成分を持っていて、毒液が分泌され皮膚に付くと水ぶくれになるので注意しましょう。

漢字の読み方は状況に応じて使い分けても良い

カメラ目線の猫

ここまで、「猫」を「ビョウ」と読むケースについて解説しましたが、同じ読みでも違う漢字が当てはまるパターンもあります。

例えば、「猫種(びょうしゅ)」だと病種(病気の種類)と勘違いされやすかったり、「成猫(せいびょう)」だと性病(猫の性感染症)と誤って認識されてしまう可能性があるのです。

文章では漢字が分かるので誤認されにくいですが、口頭で伝える時は十分に注意する必要があります。そこで、「猫種(びょうしゅ)」を「せいねこ」、「成猫(せいびょう)」をせいねこ、と敢えて読み替えることで誤解を招かないように対処しましょう。

また、正しい読み方をまだ知らない方も多いので、話していてうまく伝わっていないと感じた時も同様です。意味が伝わるよう臨機応変に表現を変えましょう。

まとめ

バンザイする猫

今回は「猫種」の正しい読み方、「猫」に関連する漢字の読み方や意味、例文について解説しました。「猫種」の正しい読み方は「びょうしゅ」です。

「ねこしゅ」と読まれがちですが、猫種の場合は「猫」という漢字を音読みしたものとなっています。猫種と同じく「猫」の漢字を音読みした熟語には、

  • 愛猫(あいびょう)
  • 成猫(せいびょう)
  • 猫額(びょうがく)
  • 窮鼠噛猫(きゅうそごうびょう)
  • 斑猫(はんみょう)

など多数の種類があります。これらの言葉の中には、成猫→性病(猫の感染症)、猫種→病種(病気の種類)など、同じ読み方で異なる漢字が当てはまるケースもあるため、時と場合により、敢えて「せいねこ」や「ねこしゅ」「猫の種類」などと言い換えると意味が伝わりやすくなります。

正しい読みを知らない方も多いので、スムーズに伝えられるよう対応しましょう。