猫のお腹が鳴る場合は病気のサインかも
猫のお腹がゴロゴロと鳴るときは、腸の動きが活発になっている状態であると考えられます。このとき、腹痛や下痢を伴っていることもあり、何らかの病気が原因でお腹が鳴っている可能性があります。猫のお腹が鳴る場合に考えられる、具体的な病気について詳しくご説明します。
胃腸炎
猫のお腹がゴロゴロ、キュルキュルと鳴る状態で、同時に下痢や嘔吐を伴っていたら胃腸炎の可能性があります。原因は細菌やウイルスによるものが多く、胃腸に炎症が起きていると考えられます。
また、食べすぎによる消化不良が原因で胃腸炎を起こすこともあります。排便後もお腹の音が鳴り止まない場合は、一過性のものではない可能性が高いため、獣医師の判断を仰ぎましょう。
子猫の場合は、母子感染をするウイルス性胃腸炎や、寄生虫による胃腸炎を発症することが多いとされています。体力のない子猫は、下痢や嘔吐を繰り返すと激しい脱水により危険な状態に陥ることも珍しくないため、急いで動物病院を受診してください。
炎症性腸疾患(IBD)
猫のお腹がよく鳴る、なかなか鳴り止まないといった場合、炎症性腸疾患(IBD)の可能性があります。炎症性腸疾患(IBD)とは、慢性的に腸内に炎症が起こっている状態を指す病気の総称です。嘔吐を慢性的に繰り返すという症状が多く見られます。
病気が進行すると、下痢や嘔吐の症状が数週間以上続くので、体重減少や食欲不振、脱水症状に注意しましょう。猫は普段から毛づくろいの際に飲み込んだ毛玉を吐くため、病気による嘔吐かどうかの判断が難しいとされています。
嘔吐を繰り返す他に、食欲不振、下痢や血便、発熱が見られたら炎症性腸疾患(IBD)を疑いましょう。この病気の原因ははっきりとは解明されていないようですが、可能性としては遺伝的な素因や腸内細菌の乱れなどが考えられています。
悪性腫瘍
猫の腸管や腸間膜のリンパ節に腫瘤ができると、猫のお腹が鳴ることがあります。猫のお腹が頻繁に鳴ると感じたら、悪性腫瘍の初期症状を疑う必要もあります。
リンパ腫は特に高齢猫に多く見られる悪性腫瘍で、慢性的な下痢と嘔吐が特徴です。病気が進行すると急激な体重減少や食欲不振も見られます。
リンパ腫が大きくなると、腸閉塞や腹膜炎を起こすこともあります。頻繁にお腹が鳴る、下痢や嘔吐が見られる、食事量を変えていないのに急激にやせるといった症状が見られたら病気のサインです。猫の異変に気付いたら早めに動物病院を受診しましょう。
元気な猫のお腹が鳴る原因は空腹が多い
病気の症状がない元気な猫の場合、空腹でお腹が鳴っていると考えられます。胃で消化された食べ物はぜんどう運動などによって腸へと送られますが、胃の中が空っぽの状態であっても、このぜんどう運動などは周期的に続くため、腸内に残っている食べ物のカスと空気が混ざり合いゴロゴロ、グーグー、キュルキュルという音が鳴るという仕組みです。
高齢の猫のお腹が鳴る場合
消化不良
高齢猫のお腹が鳴る場合は、消化不良の疑いがあります。老化にともない消化能力が低下し、お腹にガスが溜まりやすくなっているのかもしれません。消化を助けるために柔らかいフードを選び、硬いフードを与える場合はふやかすなどの工夫をしましょう。
食後、猫のお腹が頻繁に鳴るようであれば、便の様子を確認しましょう。フードを見直しても下痢や緩い便が続く場合には、病気の可能性もありますので、動物病院を受診してください。
ストレス
高齢猫のお腹がゴロゴロ、キュルキュルと鳴る場合は、ストレスによるものかもしれません。猫もストレスが原因でお腹を壊すことがありますが、特に高齢猫の場合は顕著にあらわれるといわれています。猫は単独で行動することを好むため、自分の縄張り内に他の猫が入ってくることに強いストレスを感じます。
若い猫は新しい猫とも比較的早く良い関係を築けるのですが、高齢猫の場合はそれが難しく、ストレス性の胃腸炎にかかることも珍しくありません。症状が見られたら、猫のストレスが解消できるよう、環境を見直してあげましょう。
猫のお腹が鳴る音がわかる動画
キュルル~ッとお腹を鳴らす猫
この動画の猫は就寝中のようですが、お腹が鳴る音がしっかり聞こえています。投稿者のコメントにあるように、嘔吐後に胃の中が空っぽになったためにお腹の音が鳴ったのではと考えられます。
猫のお腹が鳴る音
この動画では、猫のお腹がゴロゴロと鳴る音が聞こえます。マイクをお腹に近づけて撮影していますので、それほど大きな音ではないようです。消化の音か空腹時の音ではないかと想像できますね。
まとめ
猫のお腹が鳴る音は、喉をゴロゴロ鳴らす音にも似ています。猫のお腹の音は小さいので、かなり接近していないと、よく聞こえないかもしれません。初めて聞いたときにはわかりにくいかもしれませんが、お腹の方から音が聞こえたときは、猫の様子をしっかり観察しましょう。
離れていても聞こえてくるくらい、猫のお腹の音が大きい場合は、ひどい腹痛を起こしている可能性があります。便の様子をすぐに確認し、動物病院を受診しましょう。
また、頻繁に猫のお腹が鳴る場合は、大きな病気が隠れている可能性もあります。日頃から積極的に猫とコミュニケーションを図ることで、普段との違いに気付いてあげられるとよいですね。