猫のへその緒は切ってあげた方がいい?
産まれたばかりの子猫にはへその緒がついています。へその緒は人間の手で切ってあげた方がいいのかと気になりますが、その必要はありません。
子猫は、羊膜に包まれ、へその緒がついた状態で産まれてきますが、通常は母猫が子猫の羊膜を破り、へその緒を噛みちぎるからです。それによって呼吸をするようになり、子猫は鳴きながら母猫のおっぱいを探します。
ですから、人間が手出しをしない方がいいのです。逆に、飼い主が手伝ってやろうと無理に子猫を触ったりすると、母猫は子猫の世話をしなくなります。最悪の場合、怒った母猫が本能で子猫を食べてしまうこともあるのです。
猫のへその緒を切ってあげた方がよいケース
母猫が育児放棄した場合
産まれてきた子猫のへその緒は、通常母猫が処理をします。ところが、中には子猫の世話をしない、できない母猫もいます。
出産した母猫が若過ぎて子猫の世話の仕方がわからなかったり、性格的に憶病な猫だったりすると育児放棄をしやすくなるといわれています。
出産環境がよくなかったり、飼い主が構いすぎることも育児放棄につながることがあるので注意が必要です。
産まれたばかりで保護された猫の場合
悲しいことですが、へその緒と胎盤がついたままで子猫が保護されることがあります。出産した野良猫が、何らかの理由で育児放棄してしまった場合などです。
そのような子猫を保護した場合、一刻も早い人間の手助けが必要です。子猫のへその緒を切ってあげたら、体を温め、猫用のミルクを与えます。排泄も促してあげなければ自分でできません。産まれたばかりの子猫の人工保育は大変です。
獣医さんで健康状態をチェックしてもらい、アドバイスを受けながら子猫を育てることをおすすめします。
猫のへその緒の切り方
1.羊膜を破る
子猫がまだ産まれた直後で、羊膜で覆われているようなら、まず羊膜を破ってあげなければいけません。羊膜は、清潔なタオルやガーゼで優しく拭くと簡単に取れます。
2.へその緒を糸で縛る
へその緒の子猫の体から2~3cmほどの部分を、木綿糸を使って縛ります。
3.へその緒をハサミで切る
へその緒の、糸で縛って止血した部分の外側(胎盤側)を、煮沸消毒したハサミで切ります。
4.体をきれいにする
ぬるま湯で濡らし、かたく絞ったガーゼで子猫を拭いてあげます。その後、母猫のもとに戻してあげましょう。母猫がいなかったり、育児放棄をしていて人工保育が必要な場合は、すぐに保温します。毛布やフリースを敷いた段ボール箱に、できればペットヒーターや湯たんぽを入れて温めます。
ペットヒーターや湯たんぽは、箱の底前面に敷かないようにして下さい。子猫が熱いと感じた時に、移動できるようにしておきます。
子猫のへその緒が取れる時期
子猫の側に残っているへその緒が取れるのは、生後5日前後です。始めは濡れた感じのへその緒ですが、次第に乾燥して、ぽろっと自然に取れます。それまで放っておいて大丈夫です。
まとめ
猫の出産に立ち会う時、特に初めての場合は戸惑うことも多いものです。産まれてきたばかりの子猫は、へその緒がついていますから、その処理をどうしたらよいか迷います。
基本的には、子猫のへその緒の処理は母猫にまかせましょう。どうしても母猫が世話をしないなど、人間の手助けが必要な場合は、飼い主が切ってあげる必要があります。糸とハサミを使ってへその緒を切ったら、その後は乾いて5日ほどで自然に取れます。
子猫が産まれた際のへその緒を切るのは、母猫にまかせておくのが一番ですが、人の手が必要になることもあります。飼い猫の出産時期が近づいたら、念のためへその緒を切るための糸やハサミなども準備しておきましょう。