猫にでべそはある?手術の費用と考えられる病気

猫にでべそはある?手術の費用と考えられる病気

猫のでべその説明の前に、そもそも猫の臍(へそ)って見たことありますか?そういえばお腹を撫でていても愛猫の臍って見たことないような気がする・・・もしかしてうちの子は病気なの?そんな心配をされている飼い主様ご安心ください。猫の臍は存在していますが、人間のように認識できる跡はありませんので見たことなくて当然です。逆に臍と認識できるでべその場合はとても危険なサインかもしれません。

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

猫にでべそはあるの?

仰向けで寝る猫
  • 猫にも「おへそ」はある
  • 猫のでべそは臍ヘルニアの可能性がある

猫の臍(へそ)って見たことありますか?見たことない人が大半だと思われます。猫も当然臍は存在しているのですが、人間のように穴は空いておらず毛で覆われているため人間の目では認識できないので通常です。

しかし稀にでべそのようにお腹の真ん中ちょうど臍のあたりにコロンと盛り上がった形になる場合があります。「あれ?でべそかな?可愛い!」なんて悠長なことを言っている場合ではありません。

猫のでべそは重篤な病気が潜んでいる場合があり、時には手術をしないといけなかったりつらい治療が必要な場合もあるのです!

でべそは避妊去勢手術のときに取り除く事が多い

でべそは子猫の時に発見されることが多いので、不妊手術と同時に穴をふさぐ手術が行われることが多いです。

猫にある「でべそ」を取り除く手術の方法

子猫と獣医

緊急で無い場合の「でべそ手術」

でべそを取り除く手術の方法は緊急性があるかどうかで変わってきます。すでに穴が塞がった状態で皮下に脂肪組織がたまっている場合、もしくは穴が小さく飛び出しているものが脂肪だけの場合は、猫の身体への負担を考えて不妊去勢手術を行うときに一緒に取り除く手術を行います。

緊急に手術をしないといけない場合の「でべそ手術」

腸などの臓器がでべその穴から飛び出したり、飛び出した臓器が壊死してしまった場合や閉塞を起こしてしまった場合は緊急性を要し場合によっては緊急手術となります。

手術内容は、飛び出した臓器を定位置に戻し穴をふさぐといったもので、よっぽど大きい穴でなければ再発する心配もありません。

猫のでべそ手術にかかる費用

スコティッシュフォールドとお金
  • 3万~5万円
  • 避妊去勢手術+5千円ほど

でべその手術費用は動物病院によってさまざまなので明確なことは言えませんが、3万~5万円のところが多いようです。だいたい不妊去勢手術代+5千円で行っているところが多いようです。

ちなみに私の通っている動物病院では、不妊去勢手術と複合して行う場合+2千円でしてもらえるようです。

しかしでべその状態や緊急性を要する場合、猫ちゃんの症状、入院の有無などによって金額は変わってくるのであくまでも目安として覚えておいてください。

高額な金額が心配の方はペット保険に入っておくと急な手術や病気にも対応していることがあるので一度検討してみてはいかがでしょうか?

猫のでべそから考えられる病気

お腹を出して眠る猫

猫のでべそは放っておくと重篤な症状に陥り、腹膜炎などの恐ろしい病気に発展することも・・・早期治療を開始するためにも、猫のでべそから考えられる病気をご紹介します。

臍(さい)ヘルニア

  • へその穴から脂肪や腸が飛び出してしまった状態の事

でべそは、塞がらなかったへその緒の穴から腸や脂肪が飛び出していることによって「ポコリ」と膨らんだ状態になっています。

出産により切り離されたへその緒は子猫の身体の中で小さくなっていき穴もそれに伴いふさがっていくのですが、なんらかの理由でこの穴がふさがらず空いたまま成長し、その穴から脂肪や腸が飛び出してしまった状態を「臍ヘルニア」といいます。

臍(さい)ヘルニアの症状

でべそのようにポコリとしたふくらみに気づいた時、大半はそのへその緒の穴はすでに塞がっておりもしくは穴自体が小さく、皮下の下にはみ出した脂肪組織が残っているだけの状態もしくは穴からでているのが脂肪組織なので特に症状は現れません。

緊急的な症状

問題はへその緒の大きい穴が開いたままの状態の時です。

腸や内臓が飛び出している場合もあり、通常あるはずの位置から飛び出した状態で健康であることはないことは誰にでもわかりますよね。
場合によっては、飛び出した腸が壊死してしまったり、腸閉塞をおこしてしまうこともあります。また、血管などを含んだ臓器がとびだしていても同様のことがいえます。

へその緒の穴が大きい場合ですと、さらに症状は重くなり血流も悪くさらなる重篤な症状を引き起こす原因になることは言うまでもありません。即刻手術が必要となる場合もあります。

でべそ=臍ヘルニアであることがほとんどですが、でべそのようなもので他にも考えられる病気がいくつかあります。念のため確認しておきましょう。

腫瘍癌

猫ちゃんはお腹のなかにしこりができてしまうことも多いです。お腹のなかにできた腫瘍が原因で目に見えるほどの出っ張りがでることもほとんどないですが、それでもお腹の周辺を触っている時にでべそのような出っ張りを見つけた場合は、腫瘍癌の可能性も考えて獣医師に早めに相談してください。
ただ、乳腺腫瘍はお腹を触ることで飼い主さんがみつけることができます。特に避妊するのが遅かった場合もしくは避妊をしていない場合、乳腺腫瘍ができてしまう確率が高まります。猫ちゃんの乳腺腫瘍はほとんどが悪性です。お腹をさわったときに、コリコリとしこりのようなものが触れた場合は獣医さんに確認してもらいましょう。

脂肪腫

脂肪が固まったものがしこりのようになる状態です。お腹にできると、でべそのように膨らむ事もあります。無害なことが多いですが放っておくと悪性になる場合もあります。目に見えて大きくなることは少ないようですが、それでもやはり気をつけたいですね。

でべそを見つけたら油断せずに相談しよう

仰向けで眠るトラ猫

猫には「でべそ」はあるの?という事についてご紹介しました。

猫にも臍はありますので、でべその様な物もあります。しかし、でべそだと思っていたら実は腫瘍だったなど重篤な症状が潜んでいる場合があります。

基本的にでべそは避妊去勢手術の際に一緒に処置をする事が多いです。

もちろん、特に気にするよなことのない無害な症状の場合もありますが、獣医師に相談せずに気が付いた時には手遅れになっていたなんてことがあったら悲しいですよね。

愛猫の異変に気が付いたら迷わずにぜひ獣医さんに相談するようにしてください。それが愛猫の命を守ることにつながります。

投稿者

40代 女性 あかつき

猫ちゃんにもでべそがあるのは、うちの猫ちゃんが出産した子猫ちゃんを見たときに知りました。獣医さんに診ていただくとやはり、そのでべそはヘルニアでしたので避妊手術と共に手術していただき処置してもらいました。人間の子供がよくでべそだと聞きます。あまり深刻な話は聞かないので、猫ちゃんも大丈夫だと思っていましたがしっかりと、治療しないといけないのですね。でべそを発見したら、早く獣医さんに相談しましょう。
投稿者

30代 女性 まつこ

近所の外猫ちゃんに、でべその子猫ちゃんがいたので、獣医師に診ていただきたくて、動物病院に連れていきましたら、脂肪が出ていたので緊急手術になりました。
健康状態を診ていただき、大丈夫だったので手術に向かいました。二時間ほどしてから見に行くと、麻酔でまだ眠っていましたが、無事に手術が終わったとのことでした!
ホッとしました、そして術後の説明で再発することはないと聞いていました。退院してしばらくしてから、里親を見つけて引き取られていきました。いまでも、大切に飼われています。
私は、そのときに初めてでべそを見ましたので、勉強になりました。

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