猫の祖先と柄や色のルーツ
キジトラからが始まり
猫の祖先がリビアヤマネコと言うのは、みなさんもご存じだと思います。今から二千数百年前に、エジプトの墳墓を発掘調査した所、ミイラとして大切に保管された猫がリビアヤマネコだったのです。その猫の柄や色は、多少の違いはありますがキジトラと言われる柄でした。
つまり、今では何百種類いる猫ももともとは、キジトラ柄しか存在しなかったようです。鳥のきじの色に似ていることからそう呼ばれています。そしてこれが、最初に家畜化された猫の祖先と言われています。
キジトラだけではなかった!?
古代エジプトの人々は、リビアヤマネコを大切に愛して育てたと言います。この頃が人間と猫の歴史の始まりになります。今でもキジトラの猫は多く存在します。「キジトラしかいなかった」と言われていた時代、実は柄のない白黒の猫も存在していたと言うのです。
それは突然変異によるものだと言われています。猫種が増えた理由には、その頃から既に突然変異があったから、現在に至るのです。
野生で生き残るには、目立たない色や縦柄などでカムフラージュする必要があり、白黒や単色の猫は、野生での生活が難しかったのではないでしょうか?キジトラしかいなかったのではなく、「キジトラしか生き残れなかった」と言う方が正しいかも知れません。
自然発生が猫種を増やした
エジプトでは猫を守り神として扱っていたこともあり、猫を国外に持ち出すのを禁止していました。しかし、猫が貿易船に必要だったことから、中近東からアジアなどに渡米し日本へと猫が浸透するようになったそうです。
イラン出身のペルシャ猫や、タイ出身のシャム猫が生まれた始まりです。猫の祖先が世界各地に渡り、自然のままに交配されて、いろんな風貌が現れだしたそうです。暑い国や寒い国に適した猫になることで、土地の気候や環境に適応した猫だけが生き残り続けた結果なのでしょう。
猫の模様はどうやって決まる?
品種の経緯
猫の品種は、3パターンになります。
環境に応じて進化して交配を繰り返した自然発生タイプ、突然変異からその姿を固定化したタイプ、純血種の猫同士を交配させたタイプに分けられます。
猫種が増えた理由の多くは、人の手から純血種同士を組み合わせ品種を作りだす、ブリーダーと言うわけです。ブリーダーの正しい知識から、猫の遺伝子の特徴を次世代に伝えて交配させ、品種が誕生したのでしょう。
染色体の遺伝子
猫の模様が決まるのは、染色体の組合せによるものだそうです。遺伝の情報を伝えるのは、細胞の核にある染色体になります。猫はおよそ11種類あるカラー遺伝子をもち、その遺伝子が両方の親猫から受け継ぐことで色や柄が決まるのです。
遺伝子には、優性遺伝子と劣性遺伝子があり、優性の方が強く劣性は2つなければ特性にならないそうです。例えば、キジトラの猫の縞模様はアグー遺伝子をもちます。アグー遺伝子が働かなければ、毛に模様が出ずに単色の柄のない猫が生まれてくると言います。
まとめ
猫の模様が決まる柄や色のルーツについて説明しました。キジトラの猫だけと思っていましたが、突然変異によって柄のない猫や、色の違う猫がいたようです。野生時代では、柄のある猫が生き残りやすく多く残りました。
エジプト時代から猫との共存はありましたが、今現在猫がどんな柄や色でも生きていくことができるようになりました。それは、文化の発展や人が猫と共存する環境が増えてきたからなのではないでしょうか?人間が猫を守ってきたのが、今になって理解できることだと思います。
自然に交配を繰り返して発生する猫もいれば、人の手によって作られた純血種の猫もいます。猫の種類が増えたのは、やはり人の力が大きいのかも知れません。