猫はネズミの駆除ができる?
室内飼いの猫でもネズミの駆除ができるの?ここで、飼い主さんの気になる疑問にお答えしていきます。
一部の猫がネズミを駆除することができる
肉食動物である猫達には、狩りを行う野生本能があるため、完全な室内飼いの猫でも「一部の猫がネズミを駆除することができる」と言われていますが、ネズミを駆除することができるのは一部の猫に限られています。
実は、ネズミを駆除するための猫達の狩りを行う野生本能(遺伝子)が、時代とともに薄れていることが影響していると考えられており、現在の猫達の暮らしが「食べ物が手に入りにくい野生」ではなく安全な室内飼いであるため、食べるものに困ることはありません。
このため野生本能がある猫達も、室内ではネズミを取るなどの狩りを行う必要がないと言われているんですね。そして一部の室内飼いの猫がネズミを駆除する理由の一つとして「ネズミを食べる目的」ではなく「ネズミで遊ぶ目的」でネズミを捕まえていることが考えられているようです。
ネズミを怖がる猫もいる
駆除されるネズミより猫の方が強そうなイメージがありますが、猫の性格によってはネズミを怖がって駆除してくれないと言うこともあるんですね。また子猫の頃に母猫から狩りの教育を受けていない猫も「ネズミを獲物として認識できない」ため、猫がネズミを駆除してくれない理由になっているようです。
猫の鳴き声や気配だけでもネズミを追い出せる!
本当は駆除してほしいネズミを怖がってしまう猫でも「鳴き声や気配だけでネズミを追い出すことができる」と言われています。この方法では、ネズミ駆除とまではいきませんが猫の鳴き声や歩いている気配だけで「天井裏のネズミの足音がやんだ」ということもあるようです。
猫の性格や生い立ちに関わらず「ネズミにとって猫は天敵」と言えるため、ネズミを怖がってしまう猫でも、家の中を自由に歩いているだけで、ネズミを狩って駆除しなくても、猫の気配や匂いを感じとったネズミが家から逃げてくれると言われています。
このためネズミ駆除ができなくても、猫が家にいてくれるだけでネズミの数が減り、ネズミがいなくなってくれるので、ネズミの駆除対策に困っている家には、猫の存在が効果的と言えるのかも知れませんね。
超音波のネズミ駆除器
猫にネズミを駆除してもらう以外の方法でネズミを駆除したい!というときは、超音波の駆除器があります。超音波の駆除器は「ネズミが嫌う周波数の超音波を発生させて、ネズミを追い払うことができる駆除器」です。
これをネズミの巣の近くに設置しておくことで効果を発揮してくれますが、超音波のネズミ駆除器の中には犬や猫、鳥に影響する周波数を流しているものがあるので、購入前に確認しておく必要があります。またネズミの仲間であるハムスターなどを飼育している場合には、超音波のネズミ駆除器が影響してしまうので、駆除器の使用を控えてあげる方が良いでしょう。
猫とネズミ駆除の歴史
約4000年前の古代エジプトでは、ネズミによる穀物被害が多く「穀物を守る番人」として、リビアヤマネコ(猫)を飼育することで、ネズミの駆除が可能になり穀物を守ることができました。
猫を家畜化
古代エジプトでは、ジャングルキャットと、リビアヤマネコが土着猫としていましたが、ジャングルキャットは野性的で人間に懐かず、リビアヤマネコは温厚で人と暮らせる忍耐力があったため、リビアヤマネコの家畜化が実現したとされています。またリビアヤマネコを含め、ライオンなどの野生動物を飼いならすことが、古代エジプトではファッションとしての傾向があったため、リビアヤマネコの家畜化を促進させた背景があるようです。
古代エジプトはリビアヤマネコの飼育によって、ネズミの駆除だけではなく、疫病の予防ができていたと伝えられており、穀物の番人としてローマ帝国に渡ってからも大切にされました。
魔女裁判と猫
しかし中世のヨーロッパでは、魔女裁判によって多くの猫達が魔女の手先として命を落とした歴史があります。これで猫が数を減らしたことにより、ネズミが大量発生したため、中世ヨーロッパではネズミによるペストが大流行してしまい、これによってペストの原因となるネズミの駆除を行うために、再び人々がネズミの駆除を目的として猫を飼うようになったという歴史が残されています。
人々が知らないうちに猫達の存在はネズミ駆除だけではなく、疫病の予防にもつながっていたということが分かりますね。
ネズミ駆除で猫を採用しているところ
約4000年前から猫達はネズミ駆除をして人々の暮らしを助けてきたわけですが、現代でもネズミ駆除で猫を採用している国があります。是非、ご覧くださいね。
イギリス
イギリス政府機関では3匹目の公務員猫が働いています。首相官邸でネズミ駆除を行う「ラリー」に、外務省でネズミ駆除を行う「パーマストン」そしてイギリス財務省が1歳半の黒猫の「グラッドストーン」をネズミ駆除係として採用しています。
パーマストン さん
By Foreign & Commonwealth Office - https://twitter.com/DiploMog/status/885883195115401216, CC BY 2.0, Link
ラリーさん
By Her Majesty's Government - https://assets.digital.cabinet-office.gov.uk/government/assets/history/buildings/larry-the-cat-a47549e08bdbc6cd0e3e042eea943f65b7a4590d95642586e51acb44bb2dcea2.jpg, OGL, Link
グラッドストーンさん
アメリカ
アメリカの首都ワシントンDCではネズミ被害が増加しており、野良猫だった「ミソ」はワシントンDCの住宅街でネズミ駆除を行うことになりました。このネズミ駆除は自治体が行っているもので、市が公式に行っているものではありませんが、猫達のネズミ駆除の能力を評価している活動とも言えますね。
まとめ
約4000年という歴史を猫達は人々と共存しており、今なおネズミ駆除を行い、人々を助ける猫達もいます。もちろん完全な室内飼いの猫達も、ネズミ駆除とまではいかなくても「家の中を歩くだけでネズミを追い出すことは可能」なので、猫の存在がネズミ駆除に効果的と言えるでしょう。
しかし、ネズミ駆除の効果だけを期待して猫達を飼育するよりも、猫とまったり癒されながら暮らして猫の愛らしさやたくさんの魅力を見つけ、生涯のパートナーとしてあげることが一番ですね。時には、かわいい猫から驚くようなプレゼントを贈られることもあるかも知れませんが、それも猫と暮らす醍醐味と言えますね。
50代以上 女性 匿名
ネズミやヤモリ、蝉にムクドリetc.…。
必ずお持ち帰りして、庭や室内で絶命させてしまう時もあれば、持ち込んだネズミにウッカリ逃げられて、しばらく室内に住み着かれてしまい気づいて大騒ぎになったこともありました。
室内にいるネズミは狩らない?? 結局ヒトが頑張りました。
今はみんな完全室内飼育なので、そんなことも懐かしい思い出ですね。