猫も夢を見ている可能性が高い
人間と同じように猫も夢をみると言われています。
実際に猫の寝言を聞いたり、体の一部をピクピク動かしたりすると、「もしかしたら夢を見ているのでは?」と思ったことがあるかもしれません。
しかし、睡眠中の猫を起こして「夢を見た?」と確認することができないため、実際にどんな夢を見ているのかを証明することはできません。
とはいえ、猫も夢を見ている可能性が高いことがこれまでの研究で明らかになっています。
詳しい内容をご紹介していきますので、ぜひ愛猫の寝ている様子とくらべてどんな時に夢を見ているのかチェックしてみましょう。
猫にもレム睡眠がある
1967年、フランスの睡眠学者ジュベーは、猫の睡眠に関する研究を発表しています。
眠っている猫の脳波を調べることで、猫がレム睡眠時に人間と同じ脳波を出し、レム睡眠の特徴である一定時間の眼球運動という現象を確認したのだそうです。
そして、猫にもレム睡眠があり、さらにノンレム睡眠と交互に繰り返されることが分かっています。レム睡眠は猫の睡眠時間の80%を占め、成猫であれば15時間、子猫に至っては20時間程度の睡眠が必要とされています。
これは野生時代の名残で、寝ている間に外敵に狙われたら、すぐに動いて対応するためと言われています。寝ているときに近づいたり、声をかけたりすると、尻尾で反応したり、すぐに返事をしたりするため、眠りが浅いとわかるはずです。
さらに、これまでの研究で、人間はレム睡眠中に夢を見ることが分かっているので、猫も同じように夢を見る可能性が高いと考えられています。
レム睡眠は猫の睡眠時間の80%を占めるので、夢を見ているとしたら12~16時間の間にたくさん夢を見ていることになりますね。
レム睡眠中の猫には動きや寝言がある
レム睡眠中の猫は、耳や前足、ヒゲをピクピクさせ、「ニャッ」「ウ~ン」といった小さな声で寝言をいいます。
ときどき「ひどい痙攣なのでは?」と思うほど体がピクピクさせていることはありませんか?心配になって思わず声をかけると、猫はレム睡眠という浅い眠りの中にいるので、驚いてすぐに目を覚ますはずです。
また、前足をグーパーさせながら寝ている大人の猫もいます。子猫が母猫のお乳を吸っている姿によく似ているため、きっと子猫の頃に戻った夢を見ているのではと推測できます。
結局、猫に確認できないので、猫が夢を見ているとは断言できませんが、こうした寝ているときの動きと寝言を合わせれば、猫も夢を見ている可能性は高いと言えるでしょう。
猫がどんな夢を見るのかは不明
猫が夢を見ている可能性が高いことがわかりましたね。次に、猫がどんな夢を見ているのか気になりませんか?
夢の内容も証明できないので可能性ではありますが、実は猫も人間と同じように「記憶の整理」をするために夢を見ると考えられています。
人間が見る夢のほとんどは、今日や過去に起きたことの「記憶を整理」するためのもので、整理の中でいらない記憶は忘れられていきます。
人間のパターンに猫に当てはめると、「今日は狩りをした」「ケンカをした」「ご飯を食べておいしかった」など、その日の出来事を夢の中で再現して復習しています。
狩りやケンカで学んだこと、食べた味を記憶に定着させることで、生きていくために必要な知恵を高めているようです。
猫も人間と同じように過去の記憶と新しい記憶を整理するために、記憶と記憶が混ざり合い、不思議な夢を見ることがあります。
もしかしたら、飼い主とたくさん遊んだ日の「猫の夢」には、飼い主が出てきている可能性があると思うと、うれしくなってしまいますよね。
猫が夢を見ているときの注意点
夢を見る猫の状態は、寝言や体をピクピク動かす特徴があるとお伝えしてきました。
しかし、寝ている猫から大きな音や威嚇している声がしたり、声をかけても激しく痙攣し続けたり、違和感があるイビキをかいたり、苦しそうにしている場合は、病気や体調不良の可能性があるので注意が必要です。
また、すやすやと眠っているのに、威嚇の声や甘え声ではなく、「カカカッ」と夢心地で鳴いているケースもあります。このような場合、飼い主がとるべき対応について詳しく解説しています。
寝言で強く威嚇するなら起こして様子を見る
もし、寝言が威嚇をしているように感じたら、夢の中で怖い思いをしている可能性があるため、そっと起こしてあげましょう。
その際、「トントン」と優しく触ってそのあと様子をみてあげてください。
そのまま威嚇を続ける可能性もありますし、現実と夢のはざまでパニックになって噛みついてしまう恐れもあります。いろいろなパターンを想定して、飼い主さんが怪我をしないように気をつけてください。
さらに「大丈夫だよ」と優しい声をかけて落ち着くまでゆっくりと待ってあげてくださいね。
激しく痙攣するなら動物病院の受診を検討する
脳の神経活動の異常によって突然発作が起こる「てんかん」は、猫がかかる病気の一つです。
その症状のひとつに、ピクピクと痙攣を起こす症状があります。声をかけても普段の愛猫の様子に戻らずに、激しく痙攣し続けるなら動物病院へ行きましょう。
動物病院で受診すれば、てんかん発作なのか、てんかん発作に似たナルコレプシーやカタプレキシーによる症状なのか確認することができます。
てんかん発作はおさまると普段の状態に戻るため病院へ行く必要がないと思うかもしれませんが、発作は繰り返します。愛猫の異常な状態を感じたら、すぐに連れて行ってあげてくださいね。
不規則ないびきや鼻水が続くなら獣医師に相談する
猫が寝ているときに不規則ないびきがあるなら、風邪による鼻詰まりの可能性があります。夢を見て鳴くような感じではなく、息苦しい様子でしたら獣医師に相談しましょう。
鼻詰まりやいびき以外にも普段と違う様子があるかチェックをするのもおすすめです。
- 下痢や嘔吐
- 食欲がない
- なんとなく元気がない
- 寝床からあまり出てこない。
- 毛にツヤがなく、パサパサしている
猫は体調不良を上手に隠す動物なので、少しでも違和感があればぜひ動物病院へ行ってください。
「カカカッ」「クックッ」という寝言は夢で狩りを楽しんでいる可能性あり
猫の鳴き声で「カカカッ」「クックッ」というのは、獲物を狙っているときや獲物を捕らえられないときに出るクラッキングと呼ばれる鳴き声です。
寝言でもクラッキングがでることがあります。寝ている猫から威嚇でもなく優しい声でもない「カカカッ」と聞こえたら、夢の中で狩りをしているのかもしれません。
こういうときは、夢の中で楽しんでいるので起こさずにゆっくり眠らせてあげましょう。夢を通して狩りを再現して記憶に定着させていますので、安心して見守ってあげてくださいね。
まとめ
猫は夢を見ている可能性が高いとお伝えしてきました。実証ができないため実際は何を見ているのかわかりませんが、人間と同じように経験してきた記憶を整理していると言われています。
猫が夢を見ているときの特徴は、寝言や体をピクピクさせることがあげられますが、苦しそうなときや痙攣が続く場合は優しく起こしてあげましょう。
狩りをしているときに出るクラッキングの鳴き声が寝言で聞こえたら夢の中で狩りを楽しんでいる可能性が高いです。気持ちよさそうに眠っているときはきっと良い夢を見ていると思い、そっと見守ってあげましょうね。