猫アレルギーの皮膚に出る症状
猫アレルギーとは?
体内に本来体内にないもの(ウイルスや細菌等)が侵入すると身体を守るために免疫反応が起こりますが、害がないものに対して過剰な反応を起こすことをアレルギー反応と言います。その反応をひきおこすものをアレルゲンと呼んでおり、猫アレルギーを引き起こす原因のアレルゲンは猫の唾液やフケ、毛などに含まれているタンパク質です。
猫アレルギーをひきおこすタンパク質は全部で8種類あり特に皮脂から出るタンパクと唾液に含まれるタンパクが主な原因といわれています。アレルゲンのタンパク質はホコリや花粉の1/10しかないくらい非常に小さいため、猫が歩くだけでも空気中にアレルゲンが舞ってしまいます。
アレルギーの症状や度合い個人差があり、場合によってはアレルギー反応が強い人は猫がいる空間にいるだけでも症状がでます。猫アレルギーは10人に1人の割合で多く、筆者の私も猫アレルギーです。実際に猫好きの約2割ほどが猫アレルギーというアンケート結果が報告されています。
猫アレルギーの症状1. 皮膚の痒み
猫と触れた手や腕などの一部の皮膚の痒み、もしくは体全身の痒みがおこります。私も愛猫と触れ合ったときや職場で猫が来院した際に手や腕が痒くなることがあります。痒みという猫アレルギーの皮膚に出る症状が続き、皮膚がヒリヒリとします。掻きすぎて皮膚の皮が剥けて血が出てしまうこともあります。
猫アレルギーの症状2. 皮膚に発疹や蕁麻疹
猫アレルギーの皮膚に出る症状として、猫に触れた皮膚が赤くポツポツとした発疹が出てくるのが特徴です。特に手や腕など猫に1番触れやすい部分に多く見られます。アレルギーの重症化によっては全身の皮膚に蕁麻疹がおきてしまうことがあります。
猫アレルギーの症状3. 腫れる
猫アレルギーの皮膚に出る症状として、猫に引っかかれたことが原因で皮膚が腫れてくる場合があります。またアレルギー反応が強くでる人は猫に触れただけでも腕や手の皮膚が腫れてしまうことがあります。
猫アレルギーの皮膚に関する対策
部屋を徹底的に掃除する
- 毎日こまめに掃除をする
- タオルをこまめに洗濯する
- クッションやぬいぐるみは極力置かない
- カーペットやラグよりフローリングがよい
- カーテンにも掃除機をかける
- 掃除中は手袋をする
- 空気清浄機を置く
猫アレルギーをひきおこす猫の毛やフケを取り除いてあげるだけでも症状を緩和することができます。しかし数日に1回や1週間に1回などのペースよりは毎日こまめに掃除をしたり、空いている時間に少しずつやると良いです。クッションやタオル生地などの繊維物はアレルゲンが付着しやすいためこまめに洗濯をしたりコロコロで毛を取り除きます。できれば繊維物のクッションやぬいぐるみを極力置かないほうがアレルゲンが付着するものが減るため症状を緩和することができます。
特に猫が日常的に寝床で使っているタオルは必ず洗ってください。カーペットやラグも猫の毛やフケが付きやすく、また繁殖しやすいノミやダニがいます。カーペットにはアレルギー物質が8割ほどあるといわれているためフローリングに変えたほうがよいです。
他にも多くの方が見落としがちなのがカーテンです。カーテンも実は繊維に猫の毛やフケが付きやすいため掃除機で吸い取ったりコロコロで取り除いてあげます。
私の場合は掃除機とコロコロ両方を使い掃除をしています。特にカーテンやカーペット、ベット周辺(毛布など)は念入りにコロコロで毛を取り除いたり、愛猫が使っている毛布はこまめに洗濯をして綺麗にしてからコロコロで毛を取っています。掃除で1時間以上はかかってしまいますがしっかり掃除する分、アレルギー症状が落ち着き、症状が緩和されました。
しかし掃除をおこなう際に必ずマスクをつけアレルゲンを吸い込まないようにしたり、アレルギー反応が強い人は手袋をしておこなってください。掃除中にアレルゲンが空気中に舞いやすくアレルギー反応がおこり皮膚の痒みや蕁麻疹など症状が出ることがあります。
空気清浄機は空気と一緒にアレルゲン物質などを吸い込み、フィルターを通して綺麗な空気にしてくれます。そのため空気中に舞いやすい猫アレルギーの原因となるアレルゲンを取り除いてくれるため、できれば空気清浄機を用意すると良いです。もちろん定期的なフィルター掃除も忘れずにおこなってください。
猫を定期的にブラッシング、シャンプーする
- ブラッシングで取れた毛はビニール袋に入れる
- 猫用ブラシを使ってみる
- こまめにシャンプーする
猫アレルギーの原因となるアレルゲンは猫の毛やフケなどのため、定期的にブラッシングをおこない余分な毛を取り除いてあげることも非常に重要になります。猫の毛は柔らかくて軽いため部屋中に舞いやすいためブラッシング中にアレルギー症状が出ることもあります。
そのため取り除いた毛はその都度ビニール袋などに入れ飛ばないように注意が必要です。できれば猫アレルギー持ちではない家族の方に協力してもらうほうが1番安全です。
最近では猫用のブラシが販売されていますが余分な毛が一度にドッサリ抜けるファーミネーターがオススメです。ファーミネーターは猫の皮膚を痛めることがなくスムーズに毛が取り除けます。私の愛猫はピンブラシの場合は嫌がって抵抗してしましたがファーミネーターでは抵抗することがなくなり楽にブラッシングすることができました。
元々猫は自ら毛づくろいするため洗う必要性はありませんが、洗ってあげることによってアレルゲンを減らすことができます。1週間に2〜3回シャンプーして洗うことによってアレルゲンが約84%減少することができるといわれていますが、大半の猫は濡れること自体嫌いな動物です。(猫の体表の皮脂が取れすぎると皮膚炎を起こしやすくなったり、フケが出てしまう場合があります。アレルゲンは減りますが、かえって猫の皮膚コンディションが悪くなりその結果フケや抜毛などのアレルゲンは増える場合があります。まず、獣医師に相談してみましょう)
できる範囲で猫をシャンプーさせたり、1人では万が一猫が嫌がってお風呂場で滑って足腰を痛めてしまう可能性があるため2人でおこなうと安全です。それでも激しく抵抗し難しい場合は蒸しタオルで拭いたり、なるべく毛をかき分けて皮膚にも当てるようにします。
なるべく猫に触らない
猫アレルギーの皮膚の症状が出てしまう主な原因は猫に触れてしまうことです。そのため猫を抱っこさせたり膝の上に乗せる、顔を近づけるなどは避けてください。その日の体調によっては猫アレルギーの皮膚の症状が出ない日もあれば一気に皮膚に蕁麻疹がでてくるなどのアレルギー症状が出ることもあります。また猫に触れたあとは毎回必ず手を石鹸で綺麗に洗うこともアレルギー反応を出さない予防に繋がります。
猫を飼っている方に多いのがいつも一緒に寝ていることです。布団や枕などに猫の毛やフケなどのアレルゲンが付着しやすく、また夜中〜朝方は副交感神経が優位になるため猫アレルギーの皮膚の症状がとても出やすい時間帯なため寝室に猫を入れないようにし、寝るときも別々にします。寝るときは猫をゲージに入れるなどの工夫が必要です。
飼い主が病院を受診しアレルギー薬を服用する
猫アレルギーの皮膚に出る症状に対する対策をおこなうことは非常に大事ですがアレルギー反応は個人差があり、軽い症状で済む人もいれば重症化しアナフィラキシーショックをおこし命の危険がある場合もあります。そのため猫に触れて皮膚の痒みなどの症状が出た場合は皮膚科に受診したり、アレルギー検査をおこなうことを勧めます。
私も当初は風邪で体調が良くなかったせいと思っていましたが、必ず症状が出るのが家の中で外に出ると症状が落ち着くのに気づき病院に受診し、アレルギー検査をおこなった結果猫アレルギーだと判明しました。
また最初は軽い症状で済んでいても徐々に症状が重くなることもあるため薬を服用してください。薬局やドラッグストアでもアレルギー用の薬が販売されていますが私の経験上、ほとんど効果がみられずオススメはしません。
猫アレルギーの度合いは個人差があるので必ず病院にてアレルギー症状を抑える抗ヒスタミン薬や炎症を抑えるステロイド外用薬など個人に合ったものを処方してもらってください。アレルギー症状を抑える薬のため、薬によっては眠くなりやすかったり、副作用で動悸や消化機能の低下などが出てくることもあるため病院の先生と相談しながら薬を選択することが大事です。
私も猫アレルギーと発覚してから色んな種類のアレルギー薬を処方してもらい、眠くなりやすかったり逆にあまり効果が見られなかったこともあり何度も先生と相談して試しようやく自分に合った薬を見つけることができました。
猫アレルギーによる皮膚以外の症状
猫アレルギーは皮膚以外にも症状が出てきます。風邪と似た症状のため気づきにくいですがどれも猫がいる空間(家の中)のみにおこります。主に見られる症状を私の体験も含めていくつかあげてみました。
鼻のアレルギー症状
猫の接触の有無に関わらず透明でサラサラとした鼻水が大量に出てくるのが特徴です。また頻繁にクシャミも出てきます。私は特に鼻の症状が現れやすく猫アレルギーの反応をおこすと鼻水とクシャミが頻繁におこりティッシュを使ってもどんどん鼻水が出てきます。
クシャミも何回も連続で出てとにかく辛く、鼻づまりがおき鼻呼吸することができなくなることもあります。点鼻薬を使用したり抗ヒスタミン薬やステロイド薬を処方してもらっています。鼻からアレルゲンが入らないように常にマスクをつけています。
目のアレルギー症状
目が痒くなり結膜が赤く腫れてしまうアレルギー性結膜炎になりやすいです。また瞼が腫れたり目の充血もおこります。私の場合は体調によって目が赤く痒みが出てくるのでアレルゲンによる作用を抑制する目薬を点眼します。またアレルゲンが目に入らないように花粉症対策として販売されているメガネをかけて予防しています。
呼吸器
風邪のような咳が出たり喉の痛みが現れてきます。副交感神経が優位になる夜中〜朝方が特に咳が出やすいです。猫アレルギーの中に元々喘息持ちの人が多く、注意が必要です。場合によっては発作がおこり命に関わってくることがあります。私も喘息持ちで咳が出やすく止まらないことがあり咳の症状を抑える薬や咳止めの薬を服用してします。
まとめ
猫アレルギーの患者数は多く花粉症や喘息持ちの人に比較的みられています。猫アレルギーも含めてアレルギーは体の免疫機能が害がないものにまで異常と判断し反応してしまうことで症状が出てしまいます。そのため猫アレルギーでも皮膚の痒みだけ症状がでる人もいれば全身に蕁麻疹が出てくる人もいます。また皮膚以外に鼻水やクシャミ、目の痒み、咳がでるなどの症状もあります。
ですが猫アレルギーだから猫を飼えない、手放すしかないと思ってしまうと思います。実際に私も愛猫を手放さないといけないととても悩みました。けれど病院でアレルギー用の薬を処方し毎日飲んだり、アレルギー症状を起こさないように掃除をこまめにおこなうなど対策をすることによってある程度はコントロールすることができます。