アナフィラキシーショックとは?
アナフィラキシーショックとは、アレルギーをおこす原因であるアレルゲンが、体の中に入ることで急激に複数の重度のアレルギー症状を全身でおこし、ショック状態に陥ることを指します。
循環器や呼吸器、消化器、皮膚などに症状が見られや血圧低下や呼吸困難、意識障害といった早く適切に対応しないと命にかかわる症状がおこり、最悪の場合は死亡することがある、命の危険性が高い状態です。
症状
- 皮膚の赤みや腫れ・蕁麻疹
- 激しい痒み
- 呼吸困難
- 下痢・嘔吐
アナフィラキシーショックは、原因であるアレルゲンが体内に侵入した後、短時間に強いアレルギー症状を複数おこす状態です。よくみられる症状としては、皮膚の赤みや腫れ、蕁麻疹、激しい痒みなどの皮膚症状が多く、浮腫によって顔全体が腫れたりもします。続いて息が苦しい、息をする時に音が出るなどの呼吸器症状、・めまいや動悸といった血圧低下による循環器症状、下痢・嘔吐などの消化器症状などがあり、全身の臓器に複数そしてアレルゲンとの接触から数分から数時間のうちに同時に症状をおこします。
猫アレルギーでもアナフィラキシーショックになる?
どのアレルギーもアナフィラキシーをおこす可能性があるため、猫アレルギー患者もアナフィラキシーになる可能性があります。
アレルギー検査をすることで猫アレルギーをはじめ、アレルギーの可能性の有無や陽性レベルが分かります。 アレルギー検査結果のレベルは、0〜6に分けられ、0は陰性で、陽性反応の度合いは1から6に分けられています。
検査で猫抗原に対して陽性だった場合
同じ猫アレルギーでもレベルが1や2の場合は、比較的症状が軽いまたは全くないことも多いようですが、レベル5や6などの場合は症状が実際に猫によってアレルギー症状を示すことが多いでしょう。
しかし、アレルギー検査一般について言えることですが、アレルギー検査の結果と実際のアレルギー症状の重症度は必ずしも一致しません。検査で猫抗原に対して強い反応が見られても、実際には症状が軽いまたはない人もいます。
猫アレルギーと喘息の両方を持っている人は喘息の症状が悪化しやすかったり症状のコントロールが難しかったりするようです。そして、喘息はアナフィラキシーを起こしやすくする要因となりますし、もしアナフィラキシーをおこした場合にはより重症化しやすく緊急度が増すと考えられます。
レベル別猫アレルギーの症状
軽度
猫アレルギーでもアレルギー症状が軽い場合は、主に透明な鼻水がダラダラと出たり、何回もくしゃみが出たりして、場合によっては鼻づまりをおこすなどの症状が見られるでしょう。鼻の症状以外にも目の痒みや腫れ、充血などがみられることがあります。皮膚が赤くなったり痒くなったりといった症状が出ることもあります。
重度
アレルギー検査で、猫に対する陽性レベルが5や6であった場合、猫アレルギーの症状がひどくなりやすいかもしれません。皮膚の痒みや発疹が重度であったり、蕁麻疹が出てきます。皮膚だけではなくアレルギー反応によって浮腫(むくみ)が起こり、まぶたや顔全体が腫れたりすることもあります。
軽いものでは喉の違和感や息をする時に音が鳴るなど、重症なものでは息苦しさを感じるなどの呼吸器症状が見られることもあります。呼吸器症状は命にかかわる呼吸困難につながる恐れがありますので、注意が必要です。また、重度の猫アレルギーを持つ人は、直接猫を触ったり猫と同じ空間にいたりしなくても、どこからか運ばれてきた猫のフケなどが原因で症状が出てしまう場合があります。
猫アレルギーになる原因
免疫反応は私たちの体の中に侵入したウイルスや、細菌などに対して体を守ろうとして働いていますが、害がないものに対して、異物と捉え過剰な免疫反応を起こしてしまう反応のことを、一般的にアレルギーといい、全身または局所に反応をおこします。
そのため猫アレルギーの人は猫由来のアレルゲンが体内に入った際に、それに対して過剰な免疫反応をおこすのです。猫アレルギーをはじめ、アレルギーは1型〜4型に分類され、猫アレルギーは花粉症と同じ1型アレルギーに属しています。
アレルギーを引き起こす原因
猫アレルギーを引き起こす原因であるアレルゲンは猫の唾液や涙、フケ、その他の分泌物などに含まれているタンパク質で、現在のところ8種類あることが分かっています。
特に皮脂や唾液に含まれているタンパク質が主な猫アレルギーの原因といわれています。そのアレルゲンであるタンパク質は、ホコリや花粉よりもとても小さく軽いため、空気中に舞いやすいので、同じ環境中にいるだけ、または離れた所にいても症状が出ることがあります。
また、本来、毛自体はアレルゲンではありませんが、毛づくろいすることで猫の唾液が被毛に付着しますし、皮脂も毛に付着していますので、猫の毛に触るだけでアレルギー症状がることも多いでしょう。また、猫の毛が落ちているところには当然猫のフケも落ちているでしょうから、そのような環境ではアレルギー症状が出ることとなります。
猫アレルギーの症状を緩和する方法
定期的にブラッシングをする
猫の唾液には、猫アレルギーを引き起こすアレルゲンが多く存在しており、毛づくろいすることで猫の被毛に唾液が付着します。
換毛時期になると抜け毛の量が多くなり、家中に猫の被毛が落ち、空気中に舞ってしまうためアレルギー症状をおこしやすく、重度な人は症状が重くでたり、アナフィラキシーになるリスクが高くなったりします。
そのため、日頃から定期的にブラッシングをして、抜け毛の量を取り除くことでアレルギー症状を緩和することができます。ブラッシングする際に抜けた被毛も原因となってアレルギー反応が出てしまうため、必ずマスクをしたり、抜けた毛をすぐに処理する、すぐに着替えたりするなどの対策が必要です。
寝室に猫を入れない
寝寝室にまで猫が入ってしまうと寝具にまでもアレルゲンにが付着してしまい、睡眠中でも常にアレルゲンと接触することになるので、アレルギー症状が出る頻度が多くなったり症状が強くなったりするでしょう。。
また、夜中や朝方の時間帯は自律神経の関係により、アレルギー症状が強く、出やすい傾向があります。そのため、猫を寝室に入れないだけでもかなりアレルギー症状を緩和することができるかもしれません。
また、布団カバーやシーツなどはこまめに洗濯したり、寝る前には部屋着からパジャマなどに着替えたり起きたらすぐにパジャマを脱いだりすることも効果があります。
こまめに部屋の掃除をする
部屋中に猫の被毛が抜け落ちていると、アレルギー症状を引き起こしやすくなります。原因であるアレルゲンは空気中に舞いやすいため、抜け毛の量が多くなる換毛期には特には注意が必要なため、こまめに掃除することが大事です。
特にカーペットやソファーなどは、猫の被毛が付着しやすいので念入りに掃除機をかけます。粘着テープを使った掃除をするのも効果的です。取り外せて洗えるカバーがあるとさらに良いでしょう。また空気中に舞っているアレルゲンを除去してくれる高性能な空気清浄機もあるので、猫アレルギーの人は使用することをおすすめします。
猫に触れたあとは手洗いをする
猫に触れたあとは、すぐ手を洗いアレルゲンを除去することが大事です。アレルギーではアレルゲンが口や鼻から入ってしまう場合も皮膚から侵入する場合もあります。皮膚からアレルゲンが侵入するのを防ぐために、猫に触れたりなめられたりしたら、すぐに手を洗いましょう。
また、アトピー性皮膚炎の多くが猫アレルギーをもっているといわれています。アトピー性皮膚炎を持っている場合には皮膚のバリア機能が低下していることが多く、よりアレルゲンが皮膚から侵入しやすい状態となっていますので、猫に触れたりなめられた場合にはすぐに洗うことがより重要となるでしょう。そもそも動物との過度なスキンシップは、アレルギー症状を引き起こす要因としても感染症の観点からも良くありません。
アレルギー薬を服用する
抗アレルギー薬や抗ヒスタミン薬を服用することで鼻水やくしゃみ、咳などのアレルギー症状を緩和することができます。副作用で眠気を催す薬もありますので、日頃から車を運転する人は注意が必要です。家で猫を飼っていなくてたまにどこかで猫と触れ合った時にだけ軽く症状が出る、といった場合には市販薬で対応できるかもしれませんが、猫アレルギーがあるけれども猫を飼っている、症状が重度である、喘息やアトピー性皮膚炎なども持っている、などの場合には、病院に相談して薬を処方してもらった方が良いでしょう。
まとめ
アレルギー患者数は現代ではどんどん増えているそうで、猫の飼育頭数も増加していますし猫アレルギーの患者数も増加傾向にあるかもしれません。軽度であれば主に鼻水やくしゃみ、咳、眼の腫れや充血などの症状がみられますが、アレルギーの症状が重症かつ複数同時に起こるとアナフィラキシーをおこすしショック状態となる場合があります。
猫アレルギーでも、最悪の場合は命を落とす危険性があるアナフィラキシーをおこす可能性はあります。特に重度な猫アレルギー患者や、喘息持ちの人などは、アレルギー症状が重症になりやすくアナフィラキシーをおこす危険性が高いため、注意する必要があります。
アレルギーを引き起こす原因であるアレルゲンは非常に小さく空気中に舞いやすいので、猫がいる環境中にいるだけでも、また猫が近くにいなくてもどこからかアレルゲンが飛んできているだけでもアレルギー症状をおこす場合があります。そのため、こまめに部屋の掃除やブラッシングをしたり、寝室に猫を入れたりしないなど、対策をすることで猫アレルギーによる症状を緩和することができるでしょう。
30代 女性 しおり
しかし、本格的な治療をして猫アレルギーをほぼ完治させました。治療法は、減感作療法というもので数年かかって治療しました。少しずつアレルゲンを体内にいれてゆき、うまく作用するように考えながらの治療ですが、最終的にはアレルギー症状が出ないようにするものでした。
お陰さまで今は、猫ちゃんを飼うことができています。ですが、掃除を徹底したりブラッシングをこまめにしたりして、アレルギー症状が出ないように工夫しています。猫ちゃんのことが好きで飼いたいと思いまして、学生時代から、治療を頑張って良かったなと思いました。