猫アレルギーで湿疹が出た時の原因
そもそもアレルギーって何?
通常体内に侵入した細菌やウイルスなどの異物に対して抗体をつくり体を守ろうとするため、その異物を攻撃し追い出そうと免疫機能が働きます。
しかしその免疫機能が過剰に反応することで蕁麻疹や湿疹など様々な症状をおこすのがアレルギーです。
アレルギーの原因物質のことをアレルゲンと呼び花粉やハウスダスト、食べ物など多種多様のアレルゲンがあり、どのアレルゲンに反応してしまうかは人によって違います。
その中でペットが原因でアレルギー症状をおこす場合があり、特に猫アレルギーの患者数は非常に多いことが分かっています。
なぜ皮膚の痒みや湿疹がおこるのか
多くの人は猫と接触してすぐに症状があらわれることが多いかと思いますが、これは即時型アレルギーといわれる反応になります。猫アレルギーのアレルゲンが体の中に侵入すると免疫機能をもつ「IgE抗体」というタンパク質がつくられ皮膚に多く存在するマスト細胞にくっ付きます。マスト細胞は外部からの病原体の侵入から守る役割があり中にヒスタミンという化学物質があります。
IgE抗体がマスト細胞にくっつきマスト細胞内にあったヒスタミンが放出してしまうことで皮膚に痒みが出てきたり、湿疹、赤みなどの症状がおきます。以下に猫アレルギーで湿疹が現れる主な原因をあげてみました。
猫に接触したため湿疹が出る
猫の毛やフケ、唾液などにアレルゲンがあると考えられています。その中で「Feld1」というタンパク質が猫アレルギーを引き起こしやすいということが分かっており猫アレルギー患者の約90%の人がこの「Feld1」に反応を示すとされているようです。
「Feld1」は猫の唾液腺や皮脂腺、肛門腺などから分泌され、メス猫よりもオス猫の方が多いです。元々猫の毛自体にはこの「Feld1」は入っていませんが毛づくろいする際に唾液に含まれている「Feld1」が毛に付着します。
そのため直接猫に触れたり舐められたりすると皮膚に「Feld1」が付くことによってアレルギー反応がおき、湿疹などの皮膚症状がでます。
また他に強くアレルギー症状を引き起こしやすい要因としては猫の顎下にある分泌腺から分泌され、「リポカイン」というものからつくられたものです。この2つの成分が猫が毛づくろいする際に毛に付着するため、直接触れた皮膚が赤くなったりポツポツと腫れるなどのアレルギー症状をおこします。
猫と同じ空間にいるため湿疹が出る
猫アレルギーをひきおこすアレルゲンは非常に小さく細かいため空気中に舞いやすいことが特徴です。そのため直接猫に触れてなくても空気中にあるアレルゲンが皮膚に付着しアレルギー症状を引き起こす場合があります。
特に抜け毛の量が多くなる換毛期は特に猫アレルギー症状が出やすいので注意が必要です。
猫アレルギーで湿疹が出た時の対処法
すぐに洗い流す
猫アレルギーで皮膚が痒くなったり湿疹などが出た場合は早急に石鹸を使い綺麗に洗い流し、その部分に保冷剤などを当てて冷やすと良いです。
そのままにしてしまうと皮膚を掻きすぎて皮膚炎になったり蕁麻疹が全身に現れる、皮膚以外にも症状が出たりなど更に悪化しやすいからです。
また猫の毛や唾液に猫アレルギーの原因であるアレルゲンが含まれているので症状が現れただけではなく、もし猫に触れたり同じ空間にいた際は必ず毎回手を洗うことが湿疹や痒みなどのアレルギー症状を抑えることができます。
病院を受診し適切な薬を使用する
同じ痒みや湿疹でもアレルギーにより症状が出た場合は治療法が変わり、その原因であるアレルゲンに対しての対しての治療や処置が必要になります。
それをおこなわないと症状が治らなかったり悪化する危険性があります。皮膚科やアレルギー科の病院に受診し、適切な薬を処方してもらい正しく使うことが大事です。
猫アレルギーの症状の度合いにもよりますが皮膚の炎症を抑えるステロイドの外用薬や痒みの原因であるヒスタミンを抑える抗ヒスタミン薬が一般的に処方されます。
ドラックストアなどでもアレルギーに対応する薬がたくさん販売されていますが、それぞれ含まれている成分に違いがあったり人によっては効果がないことがあります。猫アレルギーである私も一度市販薬で試したことがありましたが全く効果がなかったため病院で処方してもらった薬を服用することを勧めます。
猫アレルギーの薬を服用しても期待する効果が得られなかった際に薬を多めに服用するケースがあります。これはどの薬にも同じことをいえるのですが、多く服用してしまうと副作用が出やすいため絶対に指示された薬の量や回数を守ることです。
また病院の先生と相談し自分に合う薬を選ぶことも非常に重要です。
猫アレルギーで湿疹がでやすい原因や対策
湿疹など皮膚に症状がでやすい人の特徴
同じ猫アレルギーの患者でも猫に触った瞬間に皮膚の痒みや湿疹などの症状がおきる人もいれば皮膚に何にも症状がでない人もいます。
これは猫アレルギーだけではなくアレルギー全体として遺伝や体質が関わってきます。両親ともアレルギー持ちではない場合子供のアレルギー発症率は約10%に対し、母親および父親のどちらかがアレルギー持ちの場合は約20~30%の高確率で子供に発症すると分かっているからです。
元々アトピー性皮膚炎を持っている人の多くが猫アレルギー患者であり、皮膚の痒みや湿疹などが出やすいといわれています。もし家族の中や自分がアレルギー体質の場合は特に注意が必要です。
また元々花粉症などのアレルギー性鼻炎を持っている人も猫アレルギーになりやすいといわれていますが、鼻水やクシャミなどの症状が顕著にみられます。他にも喘息持ちの人は咳の症状がよくみられます。
日頃からできる予防策
規則正しい生活をする
寝不足が続いたり、偏った食事など生活リズムが悪かったり崩れたりするとアレルギー症状が出やすくなります。しっかりと睡眠をとり、バランスの良い食事や適度な運動をおこなうと良いです。
ストレス発散をする
ストレスも猫アレルギー症状を誘発するといわれているため、ストレスを溜めないように発散させることも大切です。休日に趣味に没頭したり好きなことに時間をつくったりと心をリフレッシュしましょう。
アレルゲンや関与する要素をできるだけ排除する
猫アレルギー患者の多くはハウスダストやダニなども関わっています。アレルゲンである猫の毛やフケだけではなくダニなども排除する必要があります。
窓を開けて換気しながら部屋の隅々まで掃除をおこなうことです。また猫アレルギーのアレルゲンは空気中に舞いやすいため空気清浄機を使用し、飛び散っているアレルゲンを吸い取ってくれるので猫アレルギー症状を緩和することができます。
まとめ
猫アレルギーの症状は人によって鼻水やクシャミがよく出る人もいれば、皮膚が痒くなったり湿疹などが出やすい人もいます。アレルギー症状の原因はアレルゲンですが、それだけではなく元々の体質や遺伝も大きく関与しています。
またアレルゲンは空気中に舞いやすいので猫に直接触れていなくてもアレルギー症状が出る可能性があります。そのためアレルギー症状をおこさないように薬の使用や掃除をすることも大切ですが、ストレスや不規則な生活もひきおこす要因となりますので生活リズムを改善するだけでも症状が緩和することができます。