猫のへその意外に知らない位置と掛かりやすい病気

猫のへその意外に知らない位置と掛かりやすい病気

猫にへそがあることをご存知ない方は意外に多いのではないでしょうか?猫のへそは人間のように目に見えてあきらかにわかるわけではないため、言われてみないとへその位置はわかりません。いったい、猫のへそはどこにあるのでしょうか?今回は猫のへその位置とへそから読み解く病気についてご紹介しましょう。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

猫のへその位置

へそを見せている猫

猫のへそは位置的にはヒトと同じくお腹の真ん中あたりにあります。猫のお腹をよくよく見てみると、真ん中のあたりに一か所だけ毛がない部分があります。その部分が猫のおへそだと言われていますので、まだ猫のおへそを確かめたことがないかたは一度愛猫のお腹を確かめてみましょう。

猫にへそは果たしてあるのか?そんな疑問を抱く方もいらっしゃるでしょうが、猫は哺乳類のためへそがあります。へその役割は母猫のお腹の中に入っていたときに、母親から栄養をもらうへその緒が繋がっていた跡です。

このへそが無ければお腹の中で生きることはできませんので、この世に生まれてきている哺乳類であればへそはあるはずです。ただ、猫のへそはヒトのようにわかりやすく穴が空いていません。さらに猫のお腹はフサフサの毛で覆われているため、注意をして見ないとわかりません。位置的にはヒトと同じくお腹の真ん中あたりにあります。

猫のへその見分け方

へそが分かりにくい猫

猫のへその位置がわかっても、実際に愛猫のお腹の真ん中にあるのがへそなのか、しこりなのかわからないという方もいらっしゃるのではないでしょうか?猫のへそはヒトのように凸凹が激しいわけではありませんし、毛をかき分けてもなかなかそれらしきものが見つからないこともあります。

そのため猫のへそを見分けるためには、愛猫を一度仰向けにしてじっくりとお腹のあたりを観察しないといけません。お腹を見せることにまったく抵抗がなく、むしろお腹を撫でてほしいタイプの猫ちゃんならいいでしょう。しかし、お腹を触られることに抵抗する猫ちゃんに無理矢理おへそ探しに付き合わせるのはよくありません。

愛猫のおへそを確認するときは、リラックスしているときに撫でるついでに探すくらいの気持ちで見分けるようにしましょう。しかし、その際に注意してほしいのが、見つかったへそは果たして正常なへそなのかということです。

猫のへそは触っていてもヒトの指では確認できないことも多く、見た目もあきらかな目印がないため見つからないこともあります。しかし、そのへそがあきらかに目で確認できる凹凸になっていたり、触れるだけですぐにわかるくらいもりあがっているならば、病気の可能性もあります。

猫のへそからわかる病気

へそが見えない猫

でべその猫はいるのか?

猫のへそについて語る際に忘れてはいけないのが、でべそについてです。猫のおへそがある位置を触っていると、あきらかな凹凸を発見することがあります。ちょうどへそのあたりが盛り上がったような形になっているので、でべそのように思いってしまいますが、じつはその盛り上がったしこりのようなものは病気のサインなのです。

「臍(さい)ヘルニア」とは

猫のへそにできたしこりの正体は、「臍(さい)ヘルニア」と呼ばれる病気の可能性があります。臍ヘルニアとは、通常なら塞がる臍の穴が何らかの理由で塞がらず、その穴から腸や脂肪が飛び出してしまう病気のことです。猫の臍ヘルニアは膨らみがあったとしても、すでに穴が塞がりはみ出した脂肪組織が皮下の下にはみ出しているだけなので特に気にすることはありません。

問題は猫の臍の穴が空いたままの状態の時です。臍の穴があまりにも大きすぎるとそこから外に飛び出した腸や血管などが壊死してしまったり、腸閉塞をおこしてしまう可能性もあります。

もし、運よく猫の臍の穴から臓器や血管が飛び出していないとしても、血流が悪くなりやはりいい影響を与えることはありません。

あまりにも臍ヘルニアの症状がひどい場合は、手術となる場合もあります。臍ヘルニアはふさがるべき部位がふさがっていない異常ですし、予防をする方法は残念ながらありません。しかし、普段から注意深く愛猫の体調や体の変化を観察していれば、早期発見ができるものでもあります。ぜひ、愛猫にいつまでも長生きしてもらうためにも、普段から猫のお腹のあたりに違和感はないかチェックしてみましょう。

腫瘍癌

猫のへそのあたりにしこりを発見したならば、腫瘍の可能性も考えたほうがいいでしょう。腫瘍や癌の中には腸やお腹にできるものもあり、稀にですが猫のお腹周辺を触るだけで腫瘍の有無がわかる場合もあります。

猫のお腹周辺を触っているときにしこりのような、でべそのようなものを発見したら注意をするように心がけましょう。

脂肪腫

脂肪が固まったものがしこりのようになる脂肪腫もへその周辺に現れます。しかし、猫の脂肪腫は無害なことが多く放っておいても悪性になりにくいので特に摘出手術を行わないこともあります。
 

まとめ

へそがある猫

猫のへそはなかなか見えないため、探しても見つからない場合もあるでしょうが、特におへそが見つからなくても問題はありませんので心配はしなくても大丈夫です。猫のおへその異変は病気のサインであることもあります。愛猫の健康チェックも含めてお腹を定期的に触ってみてはいかがでしょうか?
  

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