猫の発情期を早く終わらせる方法はある?正しい対処法と注意点

猫の発情期を早く終わらせる方法はある?正しい対処法と注意点

一晩中大きな声で鳴いたり、おしっこをまき散らしたりと、突然やってくる発情期に、どう対処したらいいか分からない飼い主さんも多いのではないでしょうか?この記事では、猫の発情期を早く終わらせる方法はあるのかを解説し、発情期に見せる行動や、問題行動を軽減する方法などについてもご紹介します。

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猫の発情期を早く終わらせることは難しい!

発情期の猫

発情期は、猫が子孫を残そうという本能からくる行動です。そのため、叱ったり、なだめたりしても、やめさせることはできません。

夜鳴きやマーキングに悩まされる飼い主さんも多いと思いますが、猫の習性を理解し、人間が寄り添えるよう心がけましょう。

猫の発情期は性成熟したメスにくり返し訪れる

メス猫の発情期は1月〜9月ころまで続き、特に2月〜4月と6月〜8月は活発になります。外から大きな鳴き声を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。

メス猫は個体差によって、生後4〜7ヶ月ころに初めての発情をむかえ、14〜21日の周期で発情期となります。この期間に交尾をしなかった場合や、排卵しなかった場合は、5〜16日後に再び発情するというサイクルです。妊娠しなければ、発情周期は生涯続きます。

この周期を「発情周期」といい、発情前期→発情期→発情後期→発情休止期の順で、行動が変化していくのが特徴です。

メス猫の発情は、日照時間が14時間を超えると反応します。これは猫が「長日繁殖動物」で、日が長くなると繁殖行動をする習性があるからです。

家猫の場合も例外ではなく、1日のうち12時間以上を明るい照明の下で暮らしている猫は、年中発情する可能性があるので注意してください。

一方のオス猫は、生後3ヶ月過ぎに性成熟がはじまり、生後5〜6ヶ月ころには交尾に似た行動をとるようになります。その後、生後9〜12ヶ月ころに発情をむかえます。

ただ、オス猫に発情周期はなく、日照時間も関係ありません。オス猫が発情する理由は、発情中のメス猫の鳴き声やフェロモンに引きよせられているからなのです。

猫の発情期特有の困った行動は簡単には抑えられない

 
発情は子孫を残すための行動で、無理やりやめさせることはできません。無理にやめさせようとすれば、猫にストレスを与え攻撃性が増す場合があります。

発情中のメス猫に見られる行動は

  • いつもより甘えてくる
  • 落ち着きがなくなる
  • おしっこの回数が増える
  • 喉を鳴らしていろいろなものに身体を擦り付ける

などの軽度なものから

  • 大きな声で鳴く
  • 粗相をする
  • 霧状のおしっこをまく(スプレー行為)
  • 家から脱出しようとする

など、大きな問題行動までさまざまです。

一方、オス猫の場合は

  • 大きな声で鳴く
  • 家から脱出しようとする
  • マーキングする(スプレー行為)
  • 攻撃的になる

など、メス猫と似た行動をとります。

また、発情周期がないオス猫は、メス猫の気配を感じとると脱走する可能性が十分考えられます。

脱走は、猫同士のケンカや交通事故のリスクがあることや、外猫との交尾で感染症にかかる可能性もある、ということを覚えておきましょう。

猫の発情期を早く終わらせる適切な方法

先生に抱っこされる猫

発情期は本能からくる行動のため、意図的に終わらすことはできないことが分かりました。でも、あまりにも夜鳴きがひどかったり、落ち着きがなかったりしたら、飼い主さんも疲れてしまいますよね。

そこで、問題行動を少しでも抑えたい場合の適切な方法を4つご紹介します。獣医師が推奨する方法や、一時的に症状を抑える方法もあるので、参考にしてくださいね。

動物病院で避妊手術を行う

避妊手術は獣医師も推奨する方法で、手術後に発情期がくることはありません。そのため、初めての発情前であれば、避妊手術が確実です。

また、乳腺腫瘍の予防や、子宮・卵巣などの生殖器の疾患のリスクも下がるというメリットもあります。避妊手術は、望まない妊娠を避けるだけでなく、病気の予防としても大変効果的です。

避妊手術が遅れ、一度発情がはじまると、手術後も再び発情することがあります。獣医師とよく相談して時期を見極めましょう。

ただし、避妊手術は子猫を望まない場合だけです。手術後は二度と妊娠できないので、よく考えて行ってください。

猫用のフェロモン製剤を活用する

猫が、壁や家具などに顔をこすりつけているのを見たことがありますか?

これは、慣れ親しんだモノにフェロモンを擦り付けて、自分のモノを主張する行動です。頬から分泌されるフェイシャルフェロモンF3という物質は、リラックス効果があり、マーキングなどのストレス性の行動を緩和する力があります。

このフェロモンを利用したものが、フェロモン製剤です。フェロモン製剤を使うことで一時的に猫を落ち着かせることができます。

タイプは2種類で、コンセントに差し込んで使用するタイプと、スプレー式のものがあります。

コンセントのタイプは、複数匹の猫を飼っている家庭や、引っ越しで落ち着かない環境が続いている場合などに効果的です。24時間使い続ける必要があるので、コストはかかりますが、リラックス効果が継続します。

スプレー式のタイプは、動物病院に行くときや、車での移動が必要なときに使うと、興奮状態が抑えられ、ストレス軽減につながります。

発情行動を見せる猫を過剰に構わない

発情行動を見せる猫は、あまり構わないようにしましょう。

メス猫は、発情期になるといつもより甘えてきます。かわいいからといって構いすぎると、逆に発情を刺激して問題行動が増える可能性があります。

大きな声で鳴いたり、尿スプレーしたりと大変かもしれませんが、本能からくる行動なので、静かに見守ってあげましょう。

粗相や尿スプレー行為が多いなら、壁に撥水シートを張って対処できます。ぜひ試してみてください。

昼間に運動させる

猫は夕方と明け方に活発になる「薄明薄暮性」です。そのため発情期には夜鳴きが特に多く、飼い主さんも寝られない日が続いているかもしれません。

昼間にしっかり運動させることで、夜鳴きを減らせる可能性があります。キャットタワーやおもちゃを使ってたくさん運動させてあげましょう。

猫の発情期を早く終わらせる方法を試す時の注意点

かなしそうな猫

「発情期を早く終わらせたい…」そう思いますよね。

インターネット上には発情期を早く終わらせるために、さまざまな方法が出回っています。ただ、すべてを鵜呑みにしてしまうと猫の健康を損なう場合も十分考えられます。

大切な愛猫を守るために、信頼できる獣医師とよく相談し、解決策を見つけましょう。

手術は獣医師からの説明を受けて猫の健康状態に合わせて行う

避妊手術は、麻酔を使うため少なからずリスクがともないます。動物病院では、麻酔の前に身体検査や血液検査を行い、麻酔をしても良い健康状態かしっかりチェックしてくれます。

結果次第では、手術の延期や中止する場合もあるでしょう。猫の体調が悪ければ手術はできません。飼い主さんは猫の体調管理をしっかり行い、健康な状態で手術を行いましょう。

また、避妊手術は、信頼できる獣医師に診断を受けて、十分納得したうえで行ってください。少しでも不安を残してはいけません。

間違った方法を実践すると猫の健康を損なう

猫の発情を早く終わらせるための情報が、インターネット上にたくさん出回っています。ですが、猫の負担になるものが多いのも事実です。

例えば、綿棒を使って猫の膣内を刺激する方法です。これは擬似的に排卵を促し、発情を終わらせる方法ですが、素人が行うのはとても危険です。膣の粘膜を傷つけるおそれがあるので、絶対にやめましょう。

また、発情期のあいだ、睡眠導入剤を与え続ける方法や、またたびを与え、気を逸らす方法などが紹介されています。睡眠導入剤を与え続けるのは現実的ではないですし、またたびの与え過ぎは、呼吸困難を引き起こす危険さえあります。

自己判断で行わず、獣医師の指示をあおぎましょう。

獣医師に相談する

発情中は、食欲が落ちたり、おしっこの回数が増えたりします。攻撃的になることもあるでしょう。ただ、この行動が発情期からくるものか、病気の症状なのか判断が難しい場合もあります。

不安を感じたり、気になることがあれば、獣医師に相談しましょう。

まとめ

2匹の仲良し猫

この記事では、猫が発情期に見せる行動や、問題行動を軽減する方法についてご紹介しました。要点は以下の通りです。

<発情期を早く終わらせるのは難しい>
  • 発情期は本能からくる行動のため、やめさせることはできない
  • メスの発情期には発情周期があり、妊娠しない限り生涯続く
  • オスには発情周期はなく、メスの発情によって誘発される
<発情期にみられる問題行動>
  • 大きな声で鳴く
  • 粗相をする
  • 霧状のおしっこをする(スプレー行為)
  • 家から脱出しようとする
<問題行動を軽減する方法>
  • 避妊手術を行う(乳腺子宮卵巣の病気の予防にもなる)
  • 猫用のフェロモン製剤を活用する
  • 発情中は過剰に構わず、昼間に運動させる
<発情期を終わらせるための注意点>
  • 避妊手術は、信頼できる獣医師の説明のもと、猫の健康状態に合わせて行う
  • インターネットに出回っている方法を安易に試さない
  • 不安なことは獣医師に相談する

猫の発情期は本能からくる行動です。無理にやめさせようとせず、静かに見守ってあげてください。また、問題行動を少しでもなくすには避妊手術を選択肢に入れ、正しい知識で対処しましょう。