猫にシャンプーをする必要がある?
猫は本能的に体が濡れることを嫌うため、シャンプーをする必要性を感じない飼い主さんも多いのではないでしょうか。
基本的には室内飼育のネコちゃんの場合には、必要ありません。ただし、これから解説する一部の例外に当てはまる場合には、ネコちゃんにもシャンプーが必要になります。
完全室内飼育の猫なら基本的には不要
基本的に完全室内飼育のネコちゃんは、自分で毛繕いをして体を清潔に保っています。そのため、十分なブラッシングをしている短毛種のネコちゃんなら、シャンプーの必要性はありません。
ただし、長毛種の場合にはブラッシングだけでは汚れや抜け毛の除去が難しく、定期的なシャンプーが必要になります。
皮膚真菌症にはシャンプーが必要
ネコちゃんの被毛の長さに関わらず、シャンプーが必要な場合に「皮膚真菌症」に感染した場合が挙げられます。
皮膚真菌症は病名の通り、動物が真菌に感染することで発症する病気です。発症すると顔回りや足、尻尾が円形に脱毛、さらにフケが出るなどの症状が見られます。
猫の場合は免疫力が低下している子猫や老猫、他の病気に罹っている猫が発症しやすく、長毛種の猫も皮膚を清潔に保ちにくいため発症しやすいので注意してください。
基本的な治療法は動物病院を受診することで処方される抗真菌薬の使用と、薬用シャンプーで全身を洗い皮膚を清潔に保つことになります。
外に出る猫にはシャンプーがおすすめ
基本的に室内猫であってもストレス解消のために、時々外へ出て遊びにいくネコちゃんはいませんか?
時々でも愛猫が外へでかける場合は、こまめに被毛の状態を観察した上で、体の清潔を保つためにシャンプーしてあげることもおすすです。
猫にシャンプーをするメリット
ネコちゃんにシャンプーをする必要性に続き、ネコちゃんにシャンプーをするメリットについて詳しく解説していきます。
毛が生え変わりする時期の嘔吐が防げる
猫は春先と秋口の年に2回の換毛期と呼ばれる、毛の生え変わる時期があります。
この時期には、抜ける毛と生える毛が同時に混在することになり、毛量が増加。猫の習性である毛繕いでネコちゃんが飲み込んでしまう毛の量も増えるため、毛玉を嘔吐しやすくなります。
そのため換毛期の頻繁な毛玉の嘔吐には、余分な抜け毛を除去できるシャンプーが有効です。
アレルギー予防になる
ネコちゃんにシャンプーするメリットには、人間の猫アレルギー症状を緩和・予防ができることも挙げられます。
人間が猫アレルギーを引き起こすアレルゲンには、猫の皮膚や唾液腺から分泌される物質があり、これらは猫をシャンプーすることで大幅に減らすことが可能です。
猫が好きだけど猫アレルギーを持つ方、もともとアレルギー体質の飼い主さんは、愛猫の定期的なシャンプーがアレルギー症状の緩和・予防になります。
猫がいい匂いになる
人間がお風呂に入ると、体臭を洗い流して石鹸のいい匂いをまとえます。ネコちゃんのシャンプーも同様で、猫の体臭や汚れを洗い流していい匂いにすることがメリットのひとつです
ノミダニのケアができる
外飼い・室内猫でも外へ出る機会がある愛猫で、「体を非常にかゆがる」「頻繁に毛繕いをする」「被毛に黒い粒のフンがある」場合は、ノミ・ダニが寄生している可能性があります。
その場合には、ノミ取り用の薬用シャンプーを使って体を洗うことが有効です。ただし、愛猫のノミ・ダニへの寄生状況によっては、薬用シャンプーでは完全に駆除できないことがあります。
一度薬用シャンプーで体を洗っても症状がおさまらない場合は、早めにかかりつけの動物病院を受診することをおすすめします。
猫にシャンプーをする頻度は?
もともと猫の被毛は水をはじきにくいので濡れやすい上に、乾きにくい性質があります。そのため過度なシャンプーは猫の被毛のパサつきや皮膚のバリア機能の低下につながり、皮膚病のリスクが高くなるので注意が必要です。
短毛種であれば、どうしても汚れ・臭いが気になる場合に限り、年に1~2回程度にしましょう。
長毛種の場合は、ネコちゃん自身の毛繕いだけでは取り切れない、汚れ・抜け毛の除去を目的として月1回程度、定期的に行うことが理想的です。ちなみに、定期的なシャンプーが必要な長毛種の子猫であれば、生後3ヶ月頃から行うことが可能になります。
猫用シャンプーの選び方
愛猫にシャンプーを行う際には、ぜひ愛猫にあったシャンプーにしてほしいと思います。以下で猫専用シャンプーの選び方について詳しくご紹介していきます。
猫用シャンプーを選ぶ
定期的なシャンプーを行う長毛種と比べると、短毛種は年に1~2回しかシャンプーの必要性がありません。
そのため、わざわざ猫用シャンプーを購入するのも大変だし、人間用のシャンプーを代用できないかと考える飼い主さんもいるでしょう。しかし人間用のシャンプーは、猫の被毛や皮膚に使うには強い成分が含まれ、被毛や皮膚トラブルを起こす可能性があります。
愛猫の健康を損ねないよう、手間はかかりますがネコちゃんのシャンプーには猫用シャンプーを選ぶようにしてください。
オーガニックや無添加を選ぶ
猫はストレスやアレルギーが原因で皮膚トラブルをおこやすい動物です。ネコちゃんの中には市販のシャンプーの中に含まれている人工的な物質で皮膚トラブルを起こす場合もあります。
また猫は自分の毛を舐める習性があるため、シャンプーは舐めても大丈夫な成分である必要があります。そのため、低刺激かつ安全性に富む天然成分のオーガニックや無添加と表示のある猫用シャンプーを選ぶことが最適です。
より猫に優しい消臭・無香料もおすすめ
猫は自分以外の臭いをい不快に感じます。
香水のように香るシャンプーより、汚れや汗などによる臭いを消臭するタイプや無香料・微香タイプのシャンプーの方がより愛猫に優しいのでおすすめです。
シャンプーのやり方とコツ
ネコちゃんのシャンプーの手順とコツを以下で具体的にご紹介していきます。
シャンプーをはじめる前に
ブラッシング
ネコちゃんをシャンプーする場合はいきなり洗い始めず、まずはブラッシングをして被毛のもつれや毛玉を除去しましょう。
愛猫の被毛にもつれや毛玉があるままお湯をかけると、固まって解消することが難しくなります。
お湯の温度を確認する
猫にとってのお湯の適温は35~38℃、人間では「ぬるま湯」に感じるほどの温度になります。
人間の赤ちゃんに飲ませるミルクと同様に、皮膚の薄い腕の裏側などでお湯が熱くないか確認してください。ちょうどよい温度のお湯に調整できたら、バスタブや風呂桶にお湯を溜めておきます。
猫のシャンプー手順
猫のシャンプーが初めての飼い主さんの場合、愛猫の顔や頭から洗おうとするでしょう。しかし、いきなり顔や頭が濡れると、猫が驚いて暴れてしまう可能性が高まります。
以下の順番で洗うのがおすすめです。
胴体・足の洗い方
- お湯を溜めたバスタブや風呂桶に猫専用シャンプーを溶かす
- シャンプー液に猫を入れて、全身をまんべんなくシャンプー液で馴染ませる
- 首から下に向かって、胴体を洗う(背中→腹)
- 足は、汚れの溜まりやすい足の裏や付け根を念入りに洗う
尻尾や肛門の洗い方
- 猫にとって敏感な尻尾は手早く洗う
- 肛門回りを洗う場合には、尻尾を持ち上げて洗い、汚れを落とす
- 肛門嚢が膨らんでいる場合には、浴槽の外で飼い主さんに罹らないような体勢をとってから、指で絞る
顔・頭の洗い方
胴体や足、尻尾などを洗い終わったら、最後に顔・頭を洗います。
その際に基本的にネコちゃんは、顔や頭に直接水がかかることを嫌がるも少なくありません。猫の顔や頭を洗う場合は、人間の子供用などのボディスポンジを使うのをおすすめします。
猫の目や耳にシャンプー液が入らないように気を付けて、顔や頭を洗ってあげましょう。
シャンプー後は、しっかりすすぎ・乾かす
- 全身を洗い終わったら、浸かっていたシャンプー液から猫を出す
- お湯でう、洗い流す
- タオルドライをして、ドライヤーを使って、しっかり乾かす
シャンプーが不安ならサロンの利用もおすすめ
一般的にトリミングサロンは、猫より犬のトリミングを行うイメージが強いでしょう。しかし、トリミングサロンやトリマーによっては、ネコちゃんのシャンプーなどのトリミングを行うところもあります。
愛猫にシャンプーが必要でやりたいけれど、不安が強い飼い主さんであればトリミングサロンにお願いする方法もおすすめです。
猫のシャンプーでの注意点
愛猫をシャンプーする場合は、以下であげる注意点に気をつけるようにしましょう。
シャンプーの石鹸成分を残さないようにする
シャンプー後に石鹸成分が被毛に残ってしまうと、ネコちゃんが皮膚トラブルを起こす可能性が高まります。
必ず、シャンプー後はしっかりお湯で洗い、石鹸成分を残さないように注意しましょう。特に石鹸成分が残りやすい背中とお腹回りは要注意です。
被毛の自然乾燥はNG!素早くしっかり乾かす
猫をシャンプーするとシャンプーできれいになった達成感で気が抜けて、後は自然乾燥したい飼い主さんもいるのではないでしょうか。
しかし猫の被毛の自然乾燥は、雑菌の繁殖や毛玉・もつれの原因となる可能性があるため絶対にNGです。
愛猫の健康のためにも、ドライヤーなどを使い、被毛をしっかり乾燥させるようにしてください。
シャンプーができない場合
ネコちゃんの中には、水がどうしても苦手で暴れてしまう子や高齢・病気により、水を使ったシャンプーが難しい場合もあると思います。
その場合には、猫用シャンプータオルやドライシャンプーで被毛を綺麗にしてあげる方法もあるので、ぜひ試してみてください。
まとめ
今回は猫にシャンプーが必要なのか、詳しい猫のシャンプー手順・注意点までをご紹介しました。
今まで猫にシャンプーが必要なのか気になっていた、詳しい猫のシャンプー手順が分からず困っていた飼い主さんに参考にしていただきたいと思います。