子猫に与えると危険な食べ物
ネギ類
子猫に危険な食べ物として、玉ねぎやニラ、ニンニクなどのネギ類があると知っている飼い主さんが多いと思います。
これらのネギ類には「アリルプロピルジスルフィド」という成分が含まれており、子猫の体内に入ってしまうと赤血球を破壊してしまいます。体重1kgあたり5g摂取してしまうと症状が現れ貧血や血尿、嘔吐、呼吸困難などがみられます。
ネギ類に含まれている毒性は加熱調理をしてもなくなることはありません。生のまま口にすることはないと思いますが、ハンバーグやシチュー、カレー、肉じゃがなど具材として入っている場合は子猫が誤って口にしてしまいやすいため注意が必要です。
子猫は体が小さいため、ほんの一口食べてしまうだけでも猛毒となるため大変危険な食べ物です。
赤血球を壊してしまう「アリルプロピルジスルフィド」の成分が入っている食べ物はネギ類だけではありません。カリフラワーやブロッコリー、キャベツ、カブなどの食べ物も入っており、玉ねぎ程の毒性は含まれてないですが、手作りフードなどで取り入れるなどのことは避けてください。
チョコレート
チョコレートはどの家庭でもおいてあり、よく「チョコレートお菓子を食べてしまった!」という子猫の誤飲事故が多い食べ物です。
元々猫は甘味を感じないといわれていますが興味本位で口にしてしまうことがあり、ついつい飼い主さんがテーブルの上に置いたチョコレートをちょっとした目を離したの隙に、子猫が手を出して食べてしまったケースが多いようです。
チョコレートには脳や呼吸器系を興奮させる作用をもつ「テオブロミン」や「カフェイン」などの成分が含まれており、中毒を起こす恐れがある食べ物です。
摂取量にもよりますが、1〜2時間後に行動に落ち着きがなく興奮状態に陥ったり、失禁することも見られます。
摂取後2〜4時間後には嘔吐や下痢、呼吸困難などが起こり、体が小さい子猫は最悪の場合はケイレン発作を生じ、命を落とす危険があります。
チョコレートに含まれているテオブロミンの含有量は種類によって以下のように異なります。
- 製菓用ダークチョコレート (50gあたり650㎎)
- ミルクチョコレート(50gあたり75~120㎎)
- ホワイトチョコレート(50gあたり0㎎)
ブドウ
果物としてよく知られているブドウですが、実は子猫にとっては体に悪影響を及ぼしてしまう食べ物であります。
ですが現在に至ってもブドウに含まれているどの成分が原因なのかが明らかになっていませんが、レーズンを含めブドウを食べてしまうと嘔吐や下痢、乏尿、腹痛などの中毒症状を起こし、急性腎不全まで引き起こしてしまう恐れがあります。
もちろん干しブドウやブドウジュースなどの加工した食べ物も与えてはいけません。また食卓にありそうなレーズン入りのパンやグレープ味のお菓子などに入っていることが多いので、ほんの少し目を離した隙に食べてしまう恐れがあるため注意が必要です。
アボカド
多くの女性が好みの食べ物であるアボカドですが、子猫に食べさせてしまうと重度の中毒症状を引き起こす恐れがあります。
ブドウやレーズン、玉ねぎなどの食べ物のように摂取してすぐに状態が重篤になる可能性は高くはありませんが、アボカドの果肉にある「ペルシン」という殺菌作用をもつ成分が含まれています。
この毒素をもつペルシンは人には無害ですが、子猫が食べてしまうと嘔吐や下痢、呼吸困難などの症状が起こり、元々の体質や体が小さい子猫によっては重い中毒症状となる場合があります。
猫用の餌の中にはアボカドの成分が入っているものがあるようですが、明確な致死量が明らかではありませんので避けたほうがいいです。
青魚、生魚
猫は魚好きというイメージがあり、子猫についあげたくなるかもしれませんが魚の中でも特にアジやサバ、イワシなどの青魚は危険な食べ物であります。
これらの青魚には多くの不飽和脂肪酸が含まれており、大量に摂取してしまうと体の中で異常な酸化が発生しイエローファット(胸腹部の皮下脂肪が酸化し炎症がおきる)を引き起こしてしまいます。
また生魚も子猫には与えてはいけない食べ物であります。生魚にはビタミンB1分解酵素の作用をもつチアミナーゼという成分が含まれているため子猫が生魚を食べてしまうと全身性の運動障害や成長期である子猫にとって成長不良を引き起こしてしまいます。
他にも生魚を食べてしまうことで寄生虫を感染する恐れがあり下痢などの消化器症状や栄養吸収を阻害されてしまい成長不良を起こしてしまいます。
子猫に人間の食べ物を与えても大丈夫?
子猫の時期は何でも興味をもつため、人が食べる食べ物に対しても興味を抱きます。ついつい欲しがるからといってコンビニ弁当など、人が食べる食べ物を与えてはいけません。
人の食べ物には塩分や添加物などが多く含まれています。摂取量が多いと腎臓に負担がかかり腎臓病などの病気を発症してしまったり、あるいは中毒症状を起こす食べ物もあるため大変危険です、
また興味心が強い子猫の時期に人の食べ物を与えてしまうと食べる癖がついてしまい、飼い主さんが目を離した瞬間にゴミ箱をあさったり、誤って食べてしまう恐れがあるため誤飲事故を引き起こしてしまいやすくなります。
子猫の頃はたくさん栄養をつけて成長する大事な時期であるため、子猫に与えるごはんは必ず栄養バランスがよい子猫用フードを食べさせてください。
子猫の食べ物(餌)でおすすめは?
ミルク 「ワンラックキャットミルク」
原材料は全て厳密にチェックしたものしか使っておらず、成分は母猫の母乳に近づくように調整してつくられている特殊調製粉乳です。
子猫のお腹を壊さないように含まれている乳糖を調整しており、体の成長や健康維持のために欠かせない必須脂肪酸や猫に必要なアミノ酸であるタウリンを豊富に入っています。
特殊な加工により非常に溶けやすく使いやすくなっており、溶かす割合や子猫に与える給与量が缶に書かれています。
いつからいつまで与える?
猫も私たちと同じ哺乳類なので生まれたばかりの子猫の時期の食べ物はミルクとなります。子猫は人よりも早いスピードで成長するため、ずっとミルクだけあげてしまうと栄養バランスが偏ったり不足します。
したがって、成長とともに徐々に離乳食に切り替えていく必要があります。乳歯が生えてくるだいたい生後約2〜3週頃までミルクを飲ませ育ててあげましょう。
離乳食 「d.b.f子猫の離乳食」
ドロドロとしたペースト状になっているので離乳時期の子猫に与える食べ物として食べやすくなっています。
味が猫が大好きなササミ味ペーストなので、嗜好性が高く食いつきやすいです。この離乳食はD H Aやオリゴ糖が含まれており子猫のお腹に優しく、成長時期に欠かせないタンパク質が多く入っています。
いつからいつまで与える?
厳密に離乳食を食べさせなければいけない月齢は決まっていませんが、生後約1ヶ月半になると乳歯が生えそろうのでおよそ生後20〜60日まで離乳食を与える目安と考えていいでしょう。
キャットフード 「ロイヤルカナン マザー&ベビーキャット」
このキャットフードは急激に成長する生後約1〜4ヶ月頃までの子猫を対象としており、乳歯が生えたばかりの子猫が食べやすいようにフードの粒は小さく、簡単にふやけやすいのが特徴です。
また成長期の子猫のために高カロリーや栄養分が豊富でバランスよく入っていたり、消化しやすいように消化率90%以上の超高消化性タンパク質を使用しています。
いつからいつまで与える?
子猫が生後約3ヶ月になると乳歯から永久歯に生え始めるようになってくるので、その頃目安に徐々に離乳食から固形の子猫用のフードに切り替えていきましょう。
およそ生後約半年までが成長期といわれており、個体差によりますが早い子では生後半年ぐらいで発情を迎えたり、あるいは不妊手術を受けることができます。
不妊手術を受けると性ホルモンの関係で太りやすくなるので成猫用フードに切り替える必要があるため、生後約半年頃までを目安として与え、成長スピードに合わせて子猫用フードから成長期フードに切り替えていきましょう。
他に具体的なキャットフードは、「子猫におすすめの餌5選!選び方のポイントとは」を参考に見ていただけたらと思います。
まとめ
私は野良猫の子猫を拾い保護したことがきっかけで今の愛猫との生活がはじまりました。同じように子猫を拾ったことがきっかけで猫を飼いはじめた方が多く、拾った当初は子猫に与える食べ物は何をあげたらいいのか迷いました。
食べ物でも子猫にとって与えると中毒症状を引き起こすなど危険なものがあり、今回は5つの危険な食べ物を紹介しましたが他にもいくつかあります。体が小さいため、ほんの少し食べただけでも重症になる恐れがあるので注意する必要があります。
もちろん人が食べる食べ物も危険な食材が入っていたり、塩分や添加物が多く入っているためよくありません。子猫の頃は成長する大事な時期で多くの栄養を必要としているため子猫用の食べ物をたくさん与えてください。
成長段階によってミルクから離乳食へ、離乳食からキャットフードへ徐々に切り替えていきましょう。詳しい子猫への餌の与え方は以前、私が投稿した「子猫への食べ物の与え方と注意すべきこと」を参考に読んでいただけると嬉しいです。
猫がテオブロミンを摂取したときの致死量の詳細は不明ですが、犬の場合は体重1㎏あたり100~200㎎と言われています。
体重3㎏の場合の致死量は300~600㎎ですので、製菓用ダークチョコレートを50g食べた場合、テオブロミン摂取量は650㎎ですので命にかかわります。
猫は犬より解毒能力が少々劣りますので、それ以下の量でも中毒を起こし助からない可能性があります。ホワイトチョコレートはテオブロミンを含みませんが、脂肪を多く含むため嘔吐や下痢が起こる可能性が高いでしょう。