猫には未来を予知する能力があるのか
猫は自分の死期が近くなると姿を隠したり、災害が起きる直前にその場から逃げ出そうとする行動を取ると言われています。本当に猫には未来を予知することができるのでしょうか。
猫は地震を察知する?
動物には人間には感じられない地震などの災害を予知する能力があると言われていて、ナマズが地震が起きる直前に暴れ出すのは有名な話ですが、猫も地震が起きようとすると身の危険を感じるのか、その場から逃げ出そうとします。
ただ動物には未来を予知する能力は無いので、これは地震が起きる直前に起きる地中の状態が関係していて、岩石がぶつかったり動いたりすることで発生する微弱な振動波や音波を感じ取り、それがずっと続くので気持ち悪くなって別の何も無い場所に移動しているのが大きな理由です。
地震というのは地中で蓄積されたエネルギーが一気に噴出したものであり、そのためにエネルギーを蓄えている状態では変化が起きています。猫はその地中での変化を聴力を使って感じ取っているため、地震が起きる直前に逃げ出そうとするような行動に見えるのです。
これは大雨による土砂災害でも同じで、山などが崩れようとする時に地中から水が流れ出て土が動き出すため、その音を感知するとやはり逃げ出そうとする場合があります。
猫には霊的なものが見えているのか?
昔から猫は神秘的な生き物の代表格になっていて、西洋では魔女の手下だと考えられていた時期がありますし、日本でも化け猫や猫又など妖怪として猫は多く登場しています。猫には本当に霊的現象を見ることができるのでしょうか。
何も無い暗闇を見つめて何かを目で追う
夜になると猫が何もない暗闇をじっと見つめ、時には何かを目で追うように顔を動かすことがあります。飼い主が気味が悪くて顔を動かすことをやめさせても、猫は再び同じ行動を取ろうとするので、まさか霊的なものを見ているのかと考えてしまう経験は少なからずあるでしょう。
まず何も無い暗闇をじっと見ている場合には二つ理由があり、一つは何も考えていないで無心の状態になっている場合と、もう一つは人間には聞こえない物音がしているために聞き耳を立てている場合です。
猫も動物で自我があり、時には何も考えずに放心状態になっていることはあります。また猫の聴力は人間より遥かに音域が広いので、超音波という人間が捉えられない音を聞き分けられ、人間と生活をしているといろいろな機械音が周囲から入ってくるので、その音が何かを聞き分けているのです。
これは昆虫や小動物が動く音も含まれていて、夜になると活発に動き出す種類もいるので、その昆虫や小動物の動きを観察しています。
突然に驚いて走り出す
猫はそれまで普通に横になっていたのに、何かに気が付いたように顔を上げると急に走り出したりしますが、何事もなかったかのように普通に元いた場所に戻ってきます。
霊を追いかけたり乗り移ったのてしまったのかと見えますが、これは人間の目には捉えるのが難しい小さな昆虫などを見つけて追いかける場合と、猫特有の気分が高揚してその衝動から駆け出す場合があります。
猫というのは一定の行動をしたり気持ちが変化した時など、人間が言う「ハイ」な状態になることがあります。多いのはトイレを行った後など急に全速力で走り出したりするのがその例であり、猫は気分が高揚すると急激に活動的になりますが、その気分が静まればいつもの状態になるのです。
自分の死期を悟ると姿を隠す
猫は自分の死が近いと判断すると、いつの間にはどこかに身を隠してしまうというのは、古くから言われている猫の行動です。ただし猫に限らず人間以外の動物は、死というものをはっきりと認識していないため、この話には理論性がありません。
つまり死というものが何を意味していて、どのような状態なのかはっきりと知っているのは人間だけと言われています。
死の概念が無い猫なのですから自分の死期など把握できるはずがなく、この行動は自分の体調が悪くなって満足に動くことができないと考え、少しでも安全な場所に身を隠そうとしているだけです。
猫が外敵が来ても見つかることが無い場所に潜むため、結果的に飼い主である人間もその姿を簡単には見つけられずに死体で発見されることが多かったので、人間の主観でこのような話ができ上がったのでしょう。
そのため今まで外に出たがらなかった猫が急に出ようとすると、どこか体調が悪くなっている可能性があります。
まとめ
猫は神秘的な生き物として古くから数多くの伝承がありますが、実はその行動にはちゃんとした理由が存在しています。その理由がはっきりとわかってきたのは現代に近くなってからなので、猫には霊的な力があると見られても仕方が無かったと言えます。
ただ、この結論も人間の論点から導き出されているだけなので、猫には霊的な能力が絶対に無いと言い切れない部分があるのも間違いないでしょう。