猫のおしっこに血が混ざる原因
猫用トイレを掃除していて血の混じったおしっこを発見した場合は、猫のからだに異変があるサインです。そのうち治るだろうと放置しておくと、飼い主さんが気づかない所でどんどんと症状が悪化する可能性があります。
猫の血の混じったおしっこが出る原因について、よくあるものを以下にまとめました。愛猫がこれらの病気や怪我になっているかもしれないということを念頭に置き、できるだけ早く動物病院で診察してもらいましょう。
尿路結石だから
尿路結石とは尿道や膀胱に結石という石のようなものができる病気です。
結石ができてしまうと、尿道や膀胱を傷つけるようになり、おしっこに血が混ざるようになります。これが血尿の原因です。
それだけでなく、猫がおしっこをするたびに痛みを感じるようになるため、猫がおしっこを極限まで我慢するようになる可能性もあるのです。
猫がおしっこをする際に痛そうに鳴き声を上げていたり、猫用トイレに何度も足を運ぶような時は尿路結石になっている可能性が考えられます。
放置しておくと、猫はそのうち血の混じったおしっこですらしなくなるので、そうなると非常に危険な状態です。そうなる前に動物病院へ連れて行きましょう。
膀胱炎だから
膀胱炎とは、膀胱に炎症がおこる病気です。
膀胱炎が進行するとおしっこに血が混じることがあります。血の混じったおしっこの他に、おしっこの回数や量がとても少ないといった症状が見られる時は要注意です。
猫が膀胱炎(特発性膀胱炎)になる詳しい原因についてはいまだに解明されていません。ただし、ストレスがきっかけとなって膀胱炎を起こす猫は多いようです。
猫はストレスに敏感な生き物です。そのため、ちょっとした環境の変化で体調を崩す可能性があります。引っ越しをしたり、新しいペットを飼ったりした時は、猫のストレスが溜まりやすくなるため、からだに異変がないかこまめに見てあげましょう。
玉ねぎ中毒だから
猫に玉ねぎを食べさせるのはNGです。
そのことをご存知の飼い主さんは多いかと思いますが、それでも目を離した隙に玉ねぎをうっかり食べてしまう可能性はゼロではありません。
厳密には玉ねぎに含まれているアリルプロピルジスルファイドという成分の摂取がNGとなっています。このアリルプロピルジスルファイドは猫の体内にある赤血球を壊してしまう成分なのです。
玉ねぎ中毒のせいで血の混じったおしっこが出るのはこのためです。
もし、うっかり玉ねぎを食べてしまった場合、血の混じったおしっこが出るといった症状の他に、貧血や低体温、嘔吐、下痢といった症状を引き起こします。
怪我をしているから
猫が高い場所から落下した時や交通事故にあった場合、膀胱や尿道を傷つけてしまっている可能性があります。そうすると、おしっこと一緒に血が出てくることがあるのです。
猫に血のおしっこが出る=病気とは限りません。猫が大きな衝撃を受けた後に歩きづらそうにしていたり、体外にも大きな傷やダメージがあるような時は体内も怪我している可能性があるということを念頭に置いておきましょう。
猫のおしっこに血が混ざっている時の対処法
もし猫のおしっこに血が混ざっているような時は、症状別に以下のような対処法をとることが多いです。基本的には病院で処置してもらうことになりますが、どのような対処法があるのか頭に入れておきましょう。
尿路結石の対処法
尿路結石のせいで猫のおしっこに血が混じる場合は、食事療法や投薬などによって治療を行います。ミネラルが猫のからだの中で増えすぎたせいで結石ができているため、ミネラル量が調整されたキャットフードを与えるように病院から指示されるケースが多いです。
もし症状が進行していて重症化しているような時は手術をして結石を取り除く場合もあるため、症状によって対処法は異なるようです。
膀胱炎の対処法
膀胱炎のせいでおしっこに血が混じる場合は、症状によって対処法が異なります。
ストレスが原因で起こりやすい突発性の猫の膀胱炎である時は、自然治癒する場合もありますが、内服薬などでは治りにくくストレスが軽減されなければ長期化することもあります。
もし、細菌が原因で膀胱炎にかかっている時は、猫に抗生物質を投与して治療を行います。
玉ねぎ中毒の対処法
もし猫が玉ねぎを食べたせいでおしっこに血が混じる場合は、動物病院で利尿剤や強心剤などを打ちながら、胃洗浄などを行い、体内から玉ねぎの成分を出すように促します。
動物病院に行く時は、獣医さんが適切な処置を行うことができるように、食べてしまった時の詳細を伝えるようにしましょう。
猫がかじった跡のある玉ねぎを持っていくなどすれば、具体的な摂取量も分かりやすく伝えることができます。
怪我した時の対処法
もし怪我をしたせいで猫のおしっこに血が混じる場合は、かなり大きな衝撃をからだに受けた可能性が高いため、動物病院で診てもらいましょう。
猫は痛がっている様子を表面に出さないこともあるので、一見平気そうに見えたとしても念のため診察を受けることを強くおすすめします。
まとめ
特発性膀胱炎などの一時的な異変が原因で猫のおしっこに血が混じっている場合もありますが、そうではないケースも多々あります。
素人が見ただけでは判断できないケースもあるため、血尿だけに限らず何か異変に気づいた時は動物病院で診てもらいましょう。
早めに診てもらえば簡単な処置で完治できるものもあるため、愛猫のためにも迅速な判断を下すことが重要です。