猫が吐くほど食べ過ぎるときに考えられる病気
クッシング症候群
猫が吐くほど食べ過ぎてしまうという症状が見られる病気に、クッシング症候群があります。副腎皮質ホルモンが過剰に分泌されることで、様々な症状が引き起こされる病気です。
クッシング症候群は副腎皮質機能亢進症とも呼ばれ、食べ過ぎの他に、おしっこの量や回数が増えるなどの症状があります。高齢の猫に多く見られる疾患とされ、突然死してしまうこともある病気ですので、異変に気づいたら受診することをおすすめします。
甲状腺機能亢進症
猫が甲状腺機能亢進症にかかると、食欲が増すが太らないという特徴があります。甲状腺機能亢進症は、のどにある甲状腺から分泌される甲状腺ホルモンが過剰になった状態のことを指します。
10歳を超えるような高齢猫に多く見られる疾患で、嘔吐や下痢をはじめ、吐くほど食べ過ぎてしまう、落ち着きがなくなるなど、様々な症状が見られるようになります。猫の様子に不安を感じたら、獣医師に相談しましょう。
糖尿病
猫が食べすぎてしまう場合には、糖尿病の可能性もあります。糖尿病は中~高齢の猫によく見られる病気で、一般的には肥満傾向のある猫の発症が多いとされています。糖尿病を発症すると血液中の糖が細胞に取り込まれなくなるため、食べたものが効率よくエネルギーに変換されません。
糖尿病の初期段階では、猫が満腹感を得ることができず、吐くほど食べ過ぎてしまうという症状が見られます。病状が進むと、元気がない、食欲が落ちるなどの症状もあらわれますので、猫の様子をよく観察しましょう。
猫が吐くほど食べ過ぎる病気以外の原因
ストレスが溜まっている
猫はストレスが原因で食べすぎてしまうことがあります。猫は飼い主に構ってもらえないときや、多頭飼いなどで十分に甘えられないときなどに、愛情不足を感じストレスを溜めてしまいます。
また引っ越しなどで、自分の縄張りである部屋の環境が急激に変化してしまうと、ストレスを強く感じるようです。猫が食べ過ぎていて、吐く頻度も多いようであれば、ストレスが原因となっている可能性があります。
餌の回数が少ない
餌の回数が少ないと、反動から食べ過ぎてしまうことがあります。猫が白い泡を吐くようであれば、空腹の時間が長いために胃から胃液が逆流してしまっている可能性があります。日頃から餌を小分けにして与えるなど、胃が空の状態にならないよう工夫することが大切です。
ホルモンバランスの変化
猫はホルモンバランスの変化でも吐くほど食べ過ぎてしまうことがあるようです。猫が避妊や去勢手術を受けた後は、ホルモンバランスが大きく変化してしまい、食欲が増加してしまう傾向があります。猫が欲しがるだけ餌をあげてしまうと、肥満につながりますので気をつけましょう。
猫が吐くほど食べ過ぎるときの対処
餌の量や回数を見直す
猫が吐くほど食べ過ぎるという状態を解消するために、キャットフードのパッケージに記載されている適正量を守り、キッチンスケールなどを使って毎回計量してから与えましょう。
猫の体重や運動量などから必要なカロリーを計算し、1回の餌の量を決めることも大切です。猫に必要なカロリーを計算するには、飼い猫の正確な体重を量る必要があります。月1回、週1回など定期的に体重を量り、カロリーをコントロールしましょう。
餌は毎日決まった時間に与え、規則正しい生活のリズムを作ることが大切です。どうしても難しい場合には、自動給餌器などを取り入れてみてはいかかでしょうか。数回に分けて与えることで満腹感を得やすくなりますので、猫の様子を見ながら餌の量や回数を微調整しましょう。
環境を整える
猫は環境によるストレスで、吐くほど食べ過ぎてしまうことがあります。猫が安心して過ごせるよう、猫の生活スペースを見直しましょう。
縄張り意識が強い猫は、先住猫や他のペットなどとは別のスペースを設けてあげるとよいでしょう。また猫はきれい好きであるため、トイレを清潔に保つことも必要です。他にも、運動不足にならないためにキャットタワーを設置するなど、さまざまな工夫を取り入れながら、猫が安心して過ごせる環境を作ってあげましょう。
動物病院に相談をする
飼い主が自宅でできる対策を講じても、吐くほど食べ過ぎてしまうときは動物病院に相談してください。病院では、猫に合ったキャットフードやカロリーの計算方法など、餌の与え方についてアドバイスしてくれます。また食べ過ぎの原因はストレスだと思っていても、何らかの病気が隠れていることもありますので、心配な場合は一度獣医師に相談してみるとよいでしょう。
まとめ
猫が吐くほど食べ過ぎてしまうときは、ホルモンバランスの変化やストレスといった精神的なことなど、様々な原因が挙げられます。猫は年齢を重ねるとともに食事量が減少する傾向にありますが、気がついたら食べる量が増えていたという場合には、病気を疑った方がよいかもしれません。
子猫や成猫といった年齢や体の大きさ、運動量などによって食欲も変わります。猫は食べすぎてしまうと、嘔吐や下痢、血便などのつらい症状が出ることもありますので、日頃の食事管理が大切です。生活環境を整え、猫の健康状態を把握し、猫が快適に過ごせるよう工夫してあげられるとよいですね。