猫は『飼い主の体調不良』を察知できるの?寄り添ってくれる心理や仕草の意味とは

猫は『飼い主の体調不良』を察知できるの?寄り添ってくれる心理や仕草の意味とは

猫が飼い主の体調不良を察知するのかどうか、その具体的なメカニズムを解説していきます。傍に寄り添う、鳴き方が変わるなどの行動の裏にある猫の心理や、仕草が持つ意味をまとめました。

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記事の監修

2009年麻布大学獣医学部獣医学科を卒業。
2015年から横浜市内で妻と動物病院を営み、犬、猫、エキゾチックアニマルの診療を行なっています。
2024年現在、犬10頭、猫3頭、多数の爬虫類と暮らしています。
愛犬家、愛猫家として飼い主様に寄り添った診療を心がけています。
内科(循環器、内分泌など)、歯科、産科に力を入れています。

猫は「飼い主の体調不良」を察知できる?

寝てる女性に寄り添う猫

猫が飼い主の体調不良を察知する能力は、彼らの鋭い五感、特に嗅覚と聴覚の機能に裏付けられています。

体調が変化すると、人間の体からは体温、発汗、ホルモンレベルなどにわずかな変化が生じ、これらが特有の微かな匂いとして猫には感知されます。

病気によっては特定の化学物質(ケトン体など)が体臭に混じることも、猫の鋭敏な嗅覚で捉えられるようです。

また、体調不良時は呼吸の速さ、心拍数の変動、声のトーンの変化といった聴覚的なサインや、行動パターン、姿勢の変化、動きの頻度といった視覚的な変化も猫は細かく観察しています。

これらの情報を総合的に捉えることで、猫は飼い主が普段とは異なる「異常な状態」にあることを理解していると考えられているようです。

寄り添ってくれる仕草と猫の心理

女性に乗る猫

飼い主が体調を崩した際に猫が示す「寄り添う」行動やその他の仕草の裏には、複数の心理が考えられます。

猫が体に密着したり添い寝をしたりするのは、単に飼い主の体温や静かな状態に安心感を求めているだけでなく、飼い主の不安や静寂といった感情的・環境的な変化に同調している可能性があります。

また、猫が体を舐める行為は、グルーミングを通じて親愛の情を示す社会的行動であり、体調不良の飼い主を気遣う「なだめ行動」の一種かもしれません。

普段より頻繁に鳴いたり、じっと見つめてくるのは、飼い主の異常な状態に対する戸惑いや注意喚起の表れです。

愛猫の行動をきっかけに体調を見直す

鼻をかむ女性と猫

愛猫が普段と異なる行動、例えば異常に鳴く、特定の部分に執着して寄り添う、あるいは不安そうにじっと見つめてくるなどの行動を見せた場合、それは飼い主自身の体調不良の初期サインである可能性があります。

猫は人間の体調変化を無意識レベルで察知しているため、飼い主自身が自覚していない微熱や疲労、ストレスの蓄積などを知らせてくれているかもしれません。

特に、猫が特定の部位(頭や胸など)に重点的に寄り添う場合は、その部位の不調を示している可能性も考慮し、自身の健康状態を客観的に見直す良い機会と捉えてもよいかもしれません。

愛猫の行動を単なる「甘え」と見過ごさず、体調不良の早期発見のためのアラームとして活用し、必要であれば医療機関を受診する適切な対応を心がけましょう。

まとめ

女性と一緒に寝る猫

猫が示す寄り添う行動は、飼い主の体調の変化を鋭敏に察知する猫の優れた能力と、築き上げてきた深い信頼関係の表れです。

この行動を単なる「癒やし」で終わらせず、自分の健康を顧みるアラートとして受け止めてみてください。

愛猫がそっと傍にいるとき、それは「大丈夫?」という無言の問いかけかもしれません。そのサインを見逃さず、互いの健康と安心を大切にしましょう。

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