猫にも終活は必要?

まず、人間と猫とでは、終活の考え方が少し異なります。
それは「実際に終活を進めるのが本人かどうか」という点です。
猫自身で生涯の終わりに向けて準備をするようなことはなく、飼い主さんが猫の旅立ちに向けて備えることになります。
今や猫は、家族同然の存在。
筆者も例外ではありませんが、多くの飼い主さんが、かけがえのない存在を失ったときの悲しみを経験しています。
しかし、心構えを持つことは、猫が穏やかな最期を迎えるための支えとなるはずです。
また、重いペットロスを防ぐためにも、終活は大切な意味を持つでしょう。
1.ペット保険の加入・プランを見直す

人と同じように、猫も年を重ねるにつれて、何かと不調が現れやすくなります。
その時にためらわずに病院に連れていけるよう、ペット保険の加入やプランの見直しを検討しましょう。
金銭的な負担が、治療の足かせにならないようにするためです。
若いうちの方が選べる保険の数は多いものの、最近では、シニア猫でも加入できる保険が増えつつあります。
なかには、健康や介護に関する相談ダイヤルを設けている保険会社もあります。
介護の負担を1人で抱え込まないためにも、こうしたサポートを活用しながら、安心して寄り添える環境を整えておきましょう。
2.介護や看取り方を家族で話し合う

介護をすること、そして猫の最期を見送ることは、簡単なことではありません。
愛猫のために頑張りすぎるあまり、かえって飼い主さんが介護疲れを起こしてしまう可能性もあります。
こうした事態を避けるためにも、もしもの時に協力して対応し、一緒に支え合って乗り越えられる体制をつくっておくことが大切です。
「家庭内で介護ができるのか」「治療はどこまでするべきか」など、愛猫にとって最善の選択ができるよう、お互いの気持ちを素直に伝え合いましょう。
また、気が早いと思われるかもしれませんが、看取った後の供養の方法まで決めておいた方が、冷静に対応しやすくなります。
3.思い出を残す

愛猫との思い出は、意識せずともカメラロールに蓄積されていくものです。
しかし、思い出を残すというのは、記録などで形にすることだけではありません。
一緒に遊んだり、声をかけたりして過ごす時間そのものが、何よりの宝物。
どんなに大切にお世話をしてきた人にも「もっとこうしてあげればよかった」という思いは少なからず残ります。
シニア期の猫は反応が鈍くなり「遊んでいて楽しいのかな?」と迷うこともあるかもしれません。
それでも、触れ合いや声かけといった日々の小さなコミュニケーションを、絶やさずに育みましょう。
ちょっとした刺激こそが、猫の心と体の健康維持につながります。
まとめ

猫の終活は、猫のためのようで、巡り巡って飼い主さん自身の心を守ることにつながります。
いざという時に後悔ばかりが残ってしまうと、納得できるお別れをすることは難しく、ペットロスにも苦しみやすくなります。
いつかはやってくるその瞬間にしっかり寄り添えるように、今のうちから家族で話し合ったり、医療面を支えるペット保険を見直したりしてみませんか。
「精一杯お世話ができた!」と悔いなく言えるように、猫とのかけがえのない思い出を積み重ねていきましょう。