猫の『口内ケア』が欠かせない3つの理由 放置で起こりうるトラブルや正しい予防法

猫の『口内ケア』が欠かせない3つの理由 放置で起こりうるトラブルや正しい予防法

猫の口内ケアはつい後回しになりがち。しかし、放置すると、様々な病気につながることもあります。今回は猫の口内ケアが欠かせない理由と予防法について解説します。

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

1.歯周病のリスク

口を開けている猫

猫に口腔ケアが欠かせない理由として、まず挙げられるのが歯周病のリスクがあるから。猫の口内トラブルで最も多いのが歯周病です。

猫の歯周病は人間同様、歯の表面にたまった歯垢や歯石が原因で歯茎が炎症を起こす病気です。進行すると歯がぐらついたり抜けてしまうこともあります。初期の段階では口臭が強い程度の症状ですが、炎症が悪化すると口腔の痛みから食欲が落ち、体重の減少などにつながる恐れもあります。

歯周病は単なる口の中の問題ではなく、全身の健康に関わる重要な病気なのです。

2.口内炎のリスク

口を開けている猫

続いて挙げられるのが、口内炎のリスクがあるという点。猫の口内炎も人間と同じく、歯茎や舌、口の中全体に炎症が発生する病気です。歯周病と並び猫の口内ケアにおいて見逃せない症状です。

発症する原因は様々ですが口内炎になると、猫は食事を嫌がったり、よだれが増えたり、口臭が強くなることがあります。特に痛みを伴うため、猫は元気がなくなったり遊ぶのを避けがち。

口内炎を放置すると栄養不足や体重減少につながるため、早期発見と治療がとても重要です。症状が軽くても、気になる変化があればすぐに動物病院で相談することをおすすめします。

3.全身疾患のリスク

口を開けている猫

意外かもしれませんが、口の中の炎症や細菌は、決して口内のみの問題ではない場合があります。場合によっては全身疾患のリスクを高める恐れもあるのです。

歯周病菌など口腔内の菌、ウイルスは血流に乗って全身に回ります。その結果、心臓や腎臓、肝臓などの臓器に影響を与える可能性があるのです。口内の健康状態が心臓病や腎臓病の悪化に影響する可能性が示唆されています。

つまり、口内ケアは単に口の中をきれいに保つだけではなく、愛猫の全身の健康を守るための重要なケアなのです。

猫の口腔ケアの方法

獣医師と猫

猫の口内ケアは、日々の生活の中で少しずつ習慣化していくことが大切。最も基本となるのは歯磨き。ただ、無理に行うと猫が強く嫌がってしまうことがあります。まずは指にガーゼや専用の歯みがきシートを巻いて、少しずつ歯や歯茎に触れることから始めるのがおすすめ。慣れてきたらペット用の歯ブラシを使って優しく磨くようにしましょう。

歯磨きが難しい場合は、歯垢の蓄積を抑える効果のあるデンタルケアに配慮したフードやおやつ、おもちゃなどを取り入れることも有効です。

また、定期的に動物病院で健康診断などを行うことで、目に見えないトラブルも早期に発見できます。重要なのは一度だけで終わらせず、毎日の習慣として少しずつ取り入れること。猫に配慮しながら少しずつ口腔ケアを行っていきましょう。

まとめ

猫と歯ブラシ

まとめると、猫の口内ケアを怠ることで、歯周病や口内炎、全身疾患につながるリスクがあります。そのため、毎日の歯磨きなど口腔ケアを継続して行うことが大切なのです。

コツコツ続ければ、口内トラブルを未然に防ぎ、愛猫が健康で快適に過ごせるようになります。大切な猫の健康を守るために、今日から口内ケアを習慣化してみましょう。

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